ドメスティックワールド 第二話 講和会議
賢者サキの懇願に答えた破壊神真央は、ケンとラムに命じて城内に侵入した連合軍の兵士たちをみな命を奪うこと無くたたき出した。撃退に成功しハラルド帝の退位が発表されたことで連合国軍が和平交渉に応じることになり、新帝ヨハンの要請で真央はバルバドス帝国の講和会議主席代表として会議に出席するとになった。「私はどうなってもよいのでバルバドスの民をお救いください」とヨハン帝に懇願された真央はバルバドス帝国の外交官の正装に着替えて講和会議への出席することを決めた。会議場に向う真央一行の前にウルフェンの将軍が立ち塞がる。「バルバドスのゴミどもめ!ここから先へは通さん!」同僚をバルバドス軍によって殺された彼はバルバドスへの憎しみに満ちていた。
「いや、このまま私を通した方がいいぞ。そうでないと震えが来ることになるぞ」真央が優しく諭す。
「このガキが大口を叩きおって!んっどっかで見たことのある面だな」
まじまじと真央の顔を見たウルフェンの将軍は真央が破壊神真央であることに気がつき緊張から身体が震えはじめる。
「ほらほらやっぱり震えが来たぞ。余の顔を見忘れたか?」
もう駄目である。神様を敬愛するウルフェンの将軍は本能のままに尻尾を振り舌を出して息も荒く「神様ご主人様」と言った後は真央を会議場へ案内するのであった。
八カ国連合とバルバドス帝国との講和会議は至極順調に進んだ。各国を侵略しようとしたハラルド帝は既に退位したうえに破壊神真央が帝国に降臨してその代表として会議に出席したからである。神の決定に逆らえるものなどいなかった。結局、「国境線を戦争前に戻すこと」「バルバドス帝国は賠償金を支払うこと」「係争地は全て八カ国へ帰属すること」で講和は成立し、八カ国が求めていたバルバドス帝国の解体は避けられた。だが調印式の最中、事件は起こった。エルフの代表の妹が武装蜂起して真央を襲おうとしたのだ。
「信心深い兄上や各国代表はだませても私はだまされません!こやつは神さまなどではない!神さまの名を騙る痴れ者じゃ!討ち取れ!」
メイドなどに擬装して会場に潜んでいたエルフの暗殺集団が一斉にバルバドス帝国主席代表の真央に襲いかかる。真央の両隣にいるケンとラムは犬のまま変化しようとしない。だがエルフの暗殺団がいくら真央に斬りかかろうとしても目に見えない謎のシールドがあり真央に傷ひとつ付けることが出来ない。そうこうしているうちに各国の警備兵がかけつけ、エルフたちは取り押さえられる。エルフの代表は「申し訳ございません。このうえはこの命をもって償いに」と言うと自らの短剣で自害しようとする。すると人間に変身したケンが短剣をたたき落とし、ラムがエルフの代表を取り押さえる。
「その必要は無い。こたびは妹御が土下座してわびを入れればそれで何も無かったことにしよう」と真央が加虐的な嫌らしい顔をしてニコリと笑った。
結果、エルフ代表の妹は衆人環視のもとで土下座することになった。
「なんという屈辱。この屈辱決して忘れぬ」
いつの日か復讐を誓うエルフ代表の妹であった。
ということで「ドメスティックワールド」二回目をお届けしました。仲間と飲み会やったりSNSや電話で馬鹿話したりしながら少しずつ進めて行けたらと思います。手描き、クリスタで修正、生成AIで背景制作、合成、生成AIで解像度をできるだけ統一という手順で描いています。ポージングは4インチや12インチの人形を撮影したりもしています。全部AIで完結できるプロンプト使いにはなれそうもないのでアナログな作業が残ります。AIで完成した絵にapple pencilで加筆してクリスタで再修正したりもします。正直、ただのペイントソフトの修正機能と生成AIのそれとの区別もついていないし、そもそも画力も衰える一方なので昔のアニメのように作画監督が違えば顔も違うのを許容するくらいの優しい目で見てもらえると助かります。金髪に蒼い肌に灰色の軍服にマントならどんなに似ていなくてもデスラー総統とか、顔もスタイルも全然違ってもツノがあってトラジマビキニの鬼娘ならラムちゃんとかってレベルでお願いしたいと、スタープロ作画のタツノコプロ作品や国際映画社の作品も好きだった私は思います。今回の各種族の原案は友人の佐藤さんです。見たら分かる人は分かると思いますが、元ネタは某軍団です。ドライアドが赤いのもそういう理由です。デザイン的に元ネタに一番近いのはアンデッドかな。まあ頭スカルだとデザインもクソも無いけど。