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コロナ禍の授業
コロナによって、授業風景は以前の『一斉指導』に戻りました。
子ども同士の話し合い活動は制限されています。
以前というのは100年以上前(大正時代)です。
これは批判ではありません。
『できる範囲で、できる限りのこと』
をしようと、学校現場は善意で溢れています。
先生方が、子どもたちの『学習の保障』を必死で試行錯誤した結果です。
子どもたちの限られた『学校で過ごす時間』に、もう止まることはしたくありません。
『トライ&エラー』で進むしかないのです。
ただし、この『一斉指導』結構曲者だとは思っています。
100年前は『均一化された組織の歯車(子ども)を大量生産せよ!』が、教育の目的だったので、効率的かつ機能した指導法でした。
しかし、
時代は令和です。
先日NHKで放送された『ウワサの保護者会』に出演された桜丘中学校の校長先生は『みんな違ったほうがいい!』と、話されていました。
この言葉『みんな違ってみんないい』と、金子みすゞさんから習ったクーピーには深く刺さりました。
『みんな違う』ことを前提とすれば、みんな違う指導・支援が必要になりますよね。
西川純先生の言葉を借りれば『個別最適化』です。
そして、もう1つ『一斉指導』の危うい理由を挙げます。
引用: キャリア教育ラボ
上図は「ラーニング・ピラミッド」です。
一斉指導では、下手をすると子どもの中に
「この授業、一言も話さなかったなぁ」
という子どもがいる可能性があります。
ピラミッドの頂点『講義』になってしまう可能性がないでしょうか?
図で示されるように
「講義は、学習定着率5%」
です。
伝えたかったことが100個あるとしたら、5個しか残らないのです。
つまり、こちらが話して『伝えたつもり』になっていたとしても、子どもにはほとんど残っていないのです。
特別支援の視点で考えると、クラスの5人前後は、IQが「境界域」の層である可能性があります。
上図は、特別支援教育でよく使われる知能指数(以下IQ)を表す図です。
IQは正規分布するとされています。
平均はIQ100です。グラフの山が一番高くなっていることからわかるように、IQ100前後(85~115)が全体の60%を占めています。
※30人クラスでいうと、18人くらい?
一斉指導は、だいたいこの層(全体の60%)を想定して行われています。
IQ70以下になると知的障害と判定され、特別支援教育の対象となります。(全体の5%)
注目する層は
IQ70~85の子どもたち
です。
この子たちは当然、知的障害と判定されることはないので、通常のクラスで学んでいます。
その割合は、全体の15%いると言われています。
※30人クラスでいうと5人くらい?
上図でいう『境界域』の層です。
具体的にいうと、当該学年の-4歳くらいの学力(認知能力)の幅があると考えられます。
中学1年でいうと、小学3年くらいの学力(認知能力)がクラスに5人いる・・。
そう考えると衝撃的ですが、先生方が1番実感されているしっくりくる数字なのではないでしょうか?
ただでさえハンディがある上に、他の子ども同様、一斉に伝えたところで、その多くが、記憶に残らないのではないでしょうか。
私が受けた大学の講義では、授業を受けている(聞いている)子どもの脳波をとる実験の結果は衝撃的で、寝ている時よりも脳波は動いていなかったそうです。
その論文の結論は『子どもは教えると学ばなくなる』だったそうです。
新学習指導要領によって走りかけた『アクティブラーニング』。
一刻も早く、コロナが収まることを願わずにはいられません。