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歩くパンセ

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歩く人の思索です
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2020年7月の記事一覧

歩く人の神様はいるのかな? ~なんで歩いていると色々閃くんだろうか?~

僕が唯一信頼していることは「歩くこと」と言っても良いくらい、歩くことへの絶対的信頼を持っている。 数々の紀行文で有名なイングランドの作家ブルース・チャトウィンが、処女作『パタゴニア』の中で、ペルシャ人に宗教は何かと聞かれて、こう答える。 「今朝はとくに宗教を持っていません。僕の神様は歩く人の神様なんです。たっぷりと歩いたら、たぶんほかの神様は必要ないでしょう」               (『パタゴニア』芹沢真理子訳 河出文庫) おそらくは実際に彼がそういう宗教観を持って

歩く人⑦

歩くには都合の良い道がそこにあった。 言ってみれば、それだけのことだったのかもしれない。 江戸時代頃には東海道と呼ばれた道。 今は国道1号線として綺麗に整備されているから、神奈川あたりなら道路は四車線で車通りも多いし、歩道も広くゆったりとしている。 昔と比べたらずっと歩きやすくなっているのだろうと思う反面、アスファルトの路面は硬く、足首や膝に掛かる負担は土の地面を歩くよりも大きい。 痛みを感じたら、無理はしないほうが良いと思う。普段歩きなれていない人は、その痛みが日常生活

僕たちは急ぎすぎているのかもしれない~歩く速度と生命の速度について~

ここ数ヶ月の疫病は、僕たちに何をもたらしたのか。 僕たちの何を変え、何に気づかせ、何を残していくのか。 僕はこのところずっと考え続けているし、誰もが嫌でも考えざるを得ないと思う。 この終わりの見えないトンネルからいつ抜けることが出来るのか。いつになったら顔を覆う暑苦しい布をゴミ箱に投げ捨てて、友人や恋人と思い切り笑いあうことが出来るのか。 まるで理想のようになってしまった、かつては当たり前だった日々を、いまや遅しと待ち焦がれても、それは簡単には戻ってこない。 僕たちがどれだ

歩くために、歩いてみよう

 目的を持って歩くことも良いけれども、目的なく歩くことはもっと良い。  目的のある歩行というのは、例えば買い物に行くためとか、駅に行くためとか、何か歩くこと以外の目的を達成するために歩くことがそうだ。東海道を踏破するとか、シルクロードを踏破するとか、世界を歩いて旅するとか、そういうのも目的のある歩行かもしれない。  目的のない歩行とは、ただブラブラ歩くこと。なんとなく家の周りを歩いたり、近所の川沿いを歩いたり。要するにただの散歩のことで、散歩には、散歩すること以外の目的は