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「役が憑依したんです」とかウソですからね?:5分で読めます

最初に謝ります!
ごめんなさい!今日は、観客として観ている方の夢を壊してしまうかもしれないお話です.....。

夢を壊すのは忍びないので、役者さんに夢を持ってるから壊したくないって人は読まないことをオススメします。

ただ、俳優をしている、もしくは俳優を目指している方なら、
読んでおいてほしい話です。

全部で5分ほどで読めると思いますので。それでは、良いです?
では、始めます。


俳優さんのインタビューで
「この役をやるにあたって意識したことは?」
と聞かれたときに

「そうですねー、まあ、役が憑依してきたんです」


とか

「特別なことはしていないです、ただシンプルに役になりきっていただけです」

とか、よく言いますよね。

うん、いやー、なんていうか、まぁ、本当に言いづらいんですけれど、言っちゃいますと……

あれ、ウソですから。


俳優をやっている、やろうとしている、こちら側の人は信じちゃダメですよ。


彼らは騙そうとしてるんじゃなくて、そう言った方がなんか演技がすごい感じするじゃないですか。インタビューを見る人を楽しませるためのリップサービスです。あくまで観客向けのサービスです。

「え?なんで言いきれるんだよ!そんなことはない。役が憑依するタイプの天才もいるはずだ!」
という、声も聞こえそうですね。


はい、わかりました。それでは、今から説明します。


役が憑依する、役になりきる。
これは、つまり100%別の人間になるということですよね?



ここまでは大丈夫ですね。


そうしたら簡単なワークをします。

あながた、殺人鬼の役をやるとしましょう。
あなたに殺人鬼の役が100%憑依していたら、一番始めにすることはなんですか?

はい、殺人鬼の役ですよ!殺人鬼になったと思って考えてくださいね。


いろいろ考えてみて、書き出して観てくださいね。



どうですか?いろいろ書けましたか?



では、答えをかきます。




はい、そうですね。殺人です。


100%殺人鬼が憑依し同化している場合、殺人してしまうんです。
だって100%同化してるんですから
小道具の偽物の刃物を本物に変え、相手役を刺して、目撃者を消すために、カメラを構えている人、その場にいる人、全員消してしまいますね。

いやいや、普通にそんな人、危なすぎるし怖いわ。

と思います。
つまり、役が100%憑依してしまうのは、単純に危険ですし、迷惑なのです。

映画やドラマなら、監督の指示があり、マイクがあり、照明があり、カメラの画角に入ることが求められます。画面のこちら側には、とんでもない数のスタッフさんがいるのです。
そして、カットがかかったり、何度でも再現をする。

舞台ならば、長い稽古があり、段取りがあり演出があり、何度もそのシーンを繰り返し、本番は上には照明、スピーカー、セット、目の前にはお客さんがいる。

その中で100%憑依して周りが見えなくなってしまった俳優は、他の役者の身も危険にしてしまう可能性がある危険な状態です。

これを私たち世界の言葉では、

「役に呑み込まれているよw」


と言います。
これは褒めてるわけではありません。
「周りが見えなくて迷惑だからとりあえず落ち着けよ」
という意味で使われます。


『ガラスの仮面』は、あくまで漫画だと思ってください。漫画だからいいですが、
本当に北島マヤがいたら、マジで怖いです。


想像してみてください。

サッカーの試合でルール無視して殴りかかってくるわ、ボール手で持つわして、笛がなっても気にせずそれを続けてしまう人なんて、やばい人以外の何者でもないですよね。

僕がかつて、ジョニーデップになれると思い込んで真似しまくっていたけれど、ジョニーデップにはなれなかったように。
(僕は今でも諦めてませんけどね)



どんなに思い込んでいても

「別人になることは無理」

これを忘れないでくださいね。
私がお伝えする演技の基本は、この前提の元動いていきます。

「でも、なり切るんじゃないんならさー、演じるって何するの?全然わからなくなっちゃったんだけど……」って思った人もいますかね。

かしこまりました。そんなあなたのために
明日は
「演技って、他人になることじゃないよ?」
をお伝えします。

もしもこのnoteで、なるほどーって思ってもらったら
『スキ』や、ツイッターやインスタで拡散してくれたら、小躍りしながら喜びます。

明日も19時くらいにあげます。明日もまた会いましょう。
ではでは、また明日。

演劇王子みうらでした。

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