映画『あんのこと』河合優実が魅せるボロボロになりながらも成長し生きる大切さ
2024年は河合優実さんの年と言っていいほど、活躍が目覚ましい。
僕もドラマ『不適切にもほどがある』で彼女を見た時に、ここまで昭和が似合う20代の俳優さんは珍しいと思い、注目をしていました。
今回は2024年6月7日に公開され、すでにAmazonプライムでも配信されている、河合優実さん主演映画『あんのこと』を紹介します。
作品情報
キャスト
あらすじ
観た感想
本作品を観て一番印象強かったのは、河合優実さんが演じる主人公です。
幼少期から母親からの暴力を受け、万引きがバレたことをきっかけに不登校になり、12歳のときに母親の紹介で売春を経験。
21歳のときに、ドラッグ使用で逮捕される。
この作品は実話をベースにしているので、この壮絶な人生を送っている人が実在したことに衝撃でした。
役作りは、その人物が経験したことを体験することで、感情が表現しやすくなりリアリティが生まれます。
しかし、ドラッグや売春は経験することができないので、俳優さんはイメージで演じるしかありません。
そんな中で、河合優実さんは主人公「杏」という人物にしか見えないくらい、作品の中で登場人物を生きています。
河合優実さんの圧倒的な演技力に注目です。
そんな主人公を演じる河合優実さんを引き立てるのは、刑事・多々羅を演じる佐藤二朗さん。
佐藤二朗さんといえば面白いキャラクターを数多く演じているイメージですが、本作品のようなシリアスなキャラクターを演じさせると、ものすごい独特な存在感があります。
登場シーンで見せた取調室での「ヨガ」は、全くふざけていないのに、一生懸命な姿が面白い。
多々羅が主宰する薬物乱用者の自助グループ「サルベージ赤羽」で、杏が初めて自分のことを話したシーンでも、褒めたたえ方が独特。
笑いを誘っていないのにどこか面白くて魅力的な、佐藤二朗さんのキャラクターも見逃せません。
最後に注目したいのは、主人公「杏」の成長です。
ドラッグ使用で逮捕されたところから、杏が出会ったのは刑事・多々羅。
多々羅の誘いで「サルベージ赤羽」に通い、介護施設で仕事も始め少しずつ更生し成長していく杏の姿は微笑ましく、子どもの成長を見守る父親のような気持ちになりました。
物語の後半では、同じマンションに住む住人からの依頼で、杏は突然「息子を預かって欲しい」を任されます。
ドラッグ漬けでボロボロだったところから成長し、不慣れながらも育児ができるようになった姿は、とても感動的でした。
まとめ
ボロボロになりながらも、必死に生きる主人公を演じる河合優実さんの演技力が光る本作品。
気になった人は、ぜひAmazonプライムで観てみてください。