映画『正体』横浜流星×藤井道人監督タッグで作り上げた脱獄囚の命がけのメッセージ
2024年11月29日。『新聞記者』『余命10年』の藤井道人監督作品の映画『正体』が公開されました。
主演に横浜流星さんを迎えた、死刑囚の逃亡劇を描く本作品。早速観てきた感想をまとめていこうと思います。
観た感想(ネタバレなし)
まず第一に、鏑木慶一役を演じる横浜流星さんの演技力が素晴らしい。
横浜流星さんの出演作は、これまで『アキラとあきら』でエリート役『流浪の月』では暴力的な彼氏役を演じ、整った顔に見合う役をする人という印象でした。
『あなたの番です』では、女性経験のないコミュ障な青年役を演じていて、純粋無垢な役を演じてもリアリティを見せることができるのは凄いと感じていました。
そして今回、本作品で魅せた役どころは、横浜流星さんの集大成のような、魅力が詰まった作品です。
横浜流星さんが演じる鏑木慶一は、脱獄した死刑囚。
5つもの人物に変装し、日本中を逃亡し続けます。
鏑木は18歳のときに殺人罪で逮捕されたため、これまでの人生で友達ができたことも、彼女ができたこともありません。
横浜流星さんはそんな鏑木の人生経験がないピュアさだけでなく、5人の人物に成りすました顔も、死刑囚としての危険さもすべて違和感なく演じ切っています。
こんなにイケメンなのに、女性経験がないこともリアルに感じさせる透明感が凄い。
そんな鏑木を取り巻く登場人物も見ごたえがあります。
山田孝之さんが演じる、鏑木を追う刑事・又貫は、鏑木を捕まえることに人生をかけながら、とある葛藤を抱えています。
吉岡里帆さんが演じる安藤は、父親の痴漢の冤罪を晴らすために戦っています。
ネタバレにつながってしまうので多くのことは語れませんが、鏑木だけではなく、鏑木を取り巻く登場人物が全員魅力的です。
そして、この作品の全場面に妥協を許さなかった、映像から伝わる藤井道人監督の熱量も凄まじい。
1テイクでOKを出すことがないとインタビューで語られていた藤井監督。
鏑木がベランダから飛び降りるシーンでは、14テイクも取り直しがあったそうです。
2010年から2013年にかけて撮影された『Cool Movie Japan』と呼ばれる短編映画の数々でも、藤井道人監督の作品のクオリティは高く際立っていました。
1テイクに情熱を注ぐ、藤井道人監督が作られた映像の数々。
特に警察の突入シーンは必見です。
作品情報
監督・キャスト
あらすじ
まとめ
5つもの人物に成りすまし、命懸けで逃亡を続ける死刑囚の目的は何か。
間違いなく僕が見た中で2024年の邦画の中でNo.1の作品です。
ぜひ、劇場で観てみてください。