映画「赦し」何を信じ、何を正義とするか。少年犯罪をテーマに豪華キャストが終結し挑んだ裁判劇
2023年3月18日公開映画「赦し」
「義足のボクサー GENSAN PUNCH」の尚玄を主演に迎え、前回と打って変わった役どころである、少年犯罪をテーマにした作品ということで鑑賞しました。
観てきた感想をまとめてみようと思います。
◆作品情報◆
◆キャスト◆
◆あらすじ◆
1.徹底した役作り
本作品を鑑賞して一番印象に残った人は、主役を演じた松浦りょうさん。
殺害という罪を犯し、懲役20年のという刑罰を受け服役中の、福田夏奈という人物にしか見えない徹底した役作りが印象的でした。
松浦りょうさんが登場するだけで緊張感が走るような、周囲を逸する存在感の持ち主。
そんな松浦りょうさんが、役作りについて語ったインタビュー動画がこちらです。
松浦りょうさんは撮影期間中、孤独を味わうために他の共演者と関わらず孤立するようにしたり、幸せであると見せないために体重を落としたりと、徹底した役作りをされてきたそうです。
何もしゃべらずとも、数年間何かを抱えてきたような表情。
人殺しという許されない罪を犯してしまったが故の、感情を失くしてしまったような口調や言動。
松浦りょうさんの役に対する情熱が、本作品の緊張感を引き立てたように感じました。
2.描写
佐藤弁護士と福田夏奈が面会し、佐藤弁護士と重なるようにアクリル板に移った、福田夏奈を映すシーン。
裁判所に向かう道中、歩道を気にせず走るランナーに比べて、歩道に合わせて歩く被害者の父・樋口克を空中から撮影するシーン。
佐藤弁護士から衝撃の事実を聞かされている最中、被害者の母・澄子を演じるMEGUMIさんの移り変わる表情だけをアップで映し続けたシーン。
父・樋口克と福田夏奈が対面するシーンで、樋口の袖口を映しこれから起こりうることを想像させ、緊張感を掻き立てるシーン。
シリアスな内容の中でも、様々な方法で撮影する描写がとても面白かった。
工夫が凝らされた撮影技法という観点でも、とても楽しめた作品でした。
3.豪華俳優陣
主人公の脇を固める俳優陣も、豪華メンバーでした。
被害者の父・樋口克を演じるのは、「義足のボクサー GENSAN PUNCH」でも熱演を見せた尚玄さん。
樋口克の元妻、被害者の母である樋口澄子を演じるのは、「台風家族」の他様々な作品で俳優としても活躍を見せるMEGUMIさん。
樋口澄子の現旦那役は、藤森慎吾さん。
加害者の福田夏奈を釈放させるべく動く、佐藤弁護士役は生津徹さん。
裁判を進める裁判官を演じるのは、真矢ミキさん。
主役の松浦りょうさんは監督から、「台本は一回読んだら捨てろ」と言われ役作りを徹底し、撮影現場ではリハーサル無しで本番を撮影する場面も多々あったようです。
リハーサル無しだったがゆえにアドリブも多かったそうで、演じるというより福田夏奈を憑依したように生きていた松浦りょうさん巡り、豪華俳優陣が魅せた演技バトルは圧巻でした。
◆まとめ◆
シリアスなテーマではありますが、観ている内にどんどん作品の魅力に引き込まれ、あっという間に見終わって「面白かった!」と声を上げてしまった、大満足の作品でした。
気になった方はぜひ、映画を観てみてください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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