文芸部の先輩と後輩の恋愛事情(短編小説・後編)
*
俺と後輩ちゃんは並んで歩き続けていた。
「先輩、どこに行くんですか?」
そんな問いかけに対して俺が返した答えは――。
「――秘密だよ」
たったそれだけだった。
それでも、それだけで十分だったのか、後輩ちゃんは小さく微笑むだけでそれ以上は何も言ってこなかった。
そのことに感謝しつつ、俺はさらに足を進めるのだった。
そして、それから数分後――俺たちは目的地へと辿り着いた。
そこは何の変哲もない普通の公園である。
ただし、昼間と違って今は夜だということもあり、周囲には人の姿は