古代の外科手術
いったい上のヘッダー画像はなんだと思うでしょうが、あとで説明するので、その前に下の画像をご覧ください。
これはターミネーターが過去にさかのぼって忘れてった片腕ではありません。
ヨーロッパのビクトリア朝時代(1850-1910 )に作られた義手です。
ということは、その頃にはもう外科手術が行われていたのですね。
今回のテーマである「古代の手術」には髑髏(ドクロ)の画像が必要なのですが、朝っぱらから髑髏をヘッダー画像にするのは気がひけました。どんな髑髏かって?
それは、マラトンの戦い(紀元前490年・マラソンの起源)跡で発見されたコリント式ヘルメットの中に入ったままになっていた戦士の頭蓋骨 👇
・・ではなくて・・・江戸時代に象牙とカーネリアンの石(蛇の目)で作られたドクロ👇
・・でもなくて、これです!👇
頭蓋形成手術のきわめて初期における成功例(ペルー、西暦400年頃)。
リマの博物館にあるそれは、頭皮を切開後に金の象眼で継ぎ合わされ、患者は術後も生存したことが証明されています。
古代インカには頭蓋骨手術の専門家がいてその穿頭術の成功率は70%を超えていたそうです。
穴の開いた800の頭蓋骨を数十年間調べた研究者がナショジオで述べています。<800の頭蓋骨が語る、古代ペルーの驚くべき手術力>
古代ペルーでは戦いに投石器やこん棒などが使われたので頭部の骨折が起こりやすかった。おそらく打撃を受けた頭皮をきれいに洗って、折れた骨の破片を取り出すといった、ごく単純な処置から始まったのだろう。
中でもこちらは穴どころか金で継いだ、大きなハッシュタグのような手術跡です。
ここで誰もが思うのは(私だけ?)麻酔は何を使ったのだろうかということ。
麻酔については、いつも歴史を面白く解説して下さる日本史ライターの明石 白さんが、華岡青洲を取り上げて興味深い記事を載せています。
さいごに、骸骨ついでにと言ってはなんですが、下はウクライナで発見された紀元前1千年頃と思われるスキタイ人の夫と妻の埋葬遺体とイラスト想像図です。
私としてはドクロよりは右下の方をヘッダー画像に使いたいのです。
2人は一緒に亡くなったのか、それともロミオとジュリエットのように彼が死んでから彼女が後を追ったのか、2人同時だったなら何が致命傷となったのか。
先史でも古代でもペアの埋葬は珍しいので、謎に包まれています。
悲しくて切ない物語があったような気がします。
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