3つの好きな映画|視点が変わることで見えるもの篇
ユーラシア大陸をパチンコ台に見立てる
地図を90度回転させることで、日本について面白い視点が見えてくる。
ジャーナリストの高野 孟が、著書『世界地図の読み方』で、ユーラシア大陸をパチンコ台に見立てて、日本が一番下の受け皿になっていると指摘する。
見慣れた地図だとアジアの端っこにある日本、という当たり前の見え方になってしまうけど、90度回転するだけで、文化の伝承やその経路が見えてくるから面白い。
地図を逆さまにして大陸から見る日本
もうひとつ有名なやつ。
地図を逆さまにして、ユーラシア大陸を下にして、東アジアをみる。
大陸から見ると日本海ってほぼ湖。。
中国の視点から見た時、太平洋に出ようと思っても、左は日本列島で出口を塞がれ、右は東南アジアで塞がれている。
唯一の出口は台湾のみ。
なので、中国にとって台湾はとても重要なポイントで、だからいろいろニュースにもなってしまうのか、と妙に納得してしまう。
で、その出口の両サイドにあるのが、沖縄とフィリピン。
そう、米軍基地があるところ。
そして、台湾の先にあるのはグアム。もちろんそこにも基地がある。
奥が深い。。
視点が変わることで見えてくる、3つの映画
と、いうことで少し視点を変えることで、いつもとは見えかたがガラッとかわる映画3選。
視点の操作で、より面白く、より深く、より没入感を。
メメント/2000
逆行する時間の積み重ね。
分割されたシークエンスが、本来の出来事とは逆の順で映し出されていく。その操作によって、記憶の長続きしない主人公の視点を追体験できるというもの。
監督はクリストファー・ノーラン。
メメント以降も、インセプションやテネットなどなど、時間軸の操作による映画表現の探求に邁進しているすごい人。
ビューティー・インサイド/2015
寝て起きるたび、姿が変わってしまう。
学生の翌日に、おじさん。その翌日にはOLなどなど。
性別、年齢、人種に関係なく、毎日違う容姿で朝を迎える。あくまでも容姿が変わるだけなので、中身は一人の人間。
なので、当然恋愛もするんだけど、さてどうなる?
人は見た目ではないというけれど、「愛はどこから生まれるのか?」という本質的な問いについて、否応無しに考えさせられる哲学的な映画でもある。
1917 命をかけた伝令/2020
イギリス兵の1日を全編ワンカットでみせる
連合国と中央同盟国との間で繰り広げられた第一次世界大戦を、連合国のイギリスの視点で見る映画。
戦場を駆け巡る兵士に密着し、片時も目を離さずカメラが追い続ける。よって、視聴時間と映画の中で流れる時間はまったく同じ。
あたかも戦場にいるかのような緊迫感と臨場感。
こんなに息苦しい映画は、ワンカットのなせる技かと。
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