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面白い本・好きな本|お金について真面目に考える?[バビロン・ピケティ・タルマーリー]篇

同じコーヒーを飲むならどこで飲むか?

スターバックスコーヒー 京都二寧坂ヤサカ茶屋店

スタバ二寧坂店は、全国に30ヶ所程度しかないリージョナルランドマークストアのひとつの大人気店。立地も建物の感じも申し分なし。

唯一にして、最大欠点は観光地にあるがゆえに、常に大混雑。どれだけいい感じの店舗でも、ガヤガヤうるさく落ち着かず、のんびり過ごすことなどできるはずもなく。。

パークハイアット京都 ザ リビングルーム

対して、そこから徒歩1分の場所に、パークハイアット京都がある。普通に一泊10万円以上する、五つ星の高級ホテルで、2019年に開業。

ここのロビーラウンジのコーヒーは約800円

外部の喧騒を忘れて静かに過ごせ、店内の雰囲気もトイレも最高に上質な空間に包まれる。なのに、出費はスタバとほぼ変わらない。

同じ“お金”でも使い方次第で得られる体験はまったく変わる。。

ということで、円安、株安と先行き不安定なこの時期だからこそ、お金について少し真面目に考えてみるのも、たまにはいいんじゃない?という話。

どっちの暮らしがいいか?

ちょっとした思考実験。
お金がないので節約しながら過ごした1日と、優雅に過ごしてみた1日。どれだけ使ったお金に違いがあるか?

【パターン1】
お昼はお金もないので、マクドナルドで700円のセットを食べる。
シャツが欲しかったけど、特にこだわりもないのでGUで2300円のシャツを購入。
夜は夫婦で安い居酒屋でひとときを過ごして、一人3500円

【パターン2】
お昼はミシュランで星をとってるイタリアンのランチが2500円
古着屋さんで定価2万円のシャツが2500円になっていたので衝動買い。
夜は100g1500円の牛肉を買って、家で豪華にステーキを。

パターン1    700円+2300円+3500円
パターン2  2500円+2500円+1500円

お気づきの通り、どちらも支出は同じ6500円!

マクドナルドとGUと安い居酒屋で、そんなに無駄使いしていないように感じる過ごし方も、優雅なランチをして、いい感じのシャツを買って、美味しいステーキを食べる過ごし方も、どちらも使ったお金は同じ。

お金は“使い方が重要”という理由が思考実験を通してよくわかる。

1%の積み重ね

もう一つ面白い思考実験。

【パターン1】
前日よりも1%だけ頑張ってみる。少しづつの積み重ねが大事なので、コツコツと毎日1%だけより良くなるように1年間継続する。

【パターン2】
反対に、前日よりも1%だけ悪くなってもそこまで影響ないから手を抜いてみる。毎日毎日、1%だけ前日よりも手を抜いて1年間過ごしてみる。

2パターンの計算結果

衝撃の事実。

毎日1%頑張り続けると、1が38になり、1%怠けると1が0.026、ほぼ0。。
たった1%の違いだけど、継続することのインパクトは絶大だということがよくわかる。

と、いうことで経済やお金について考えるのにちょうどいい本を3つご紹介。


バビロン大富豪の教え|ジョージ・s・クレイソン


世界的ベストセラーで、100年読み継がれるお金の名著。

金融の起源と言われている古代バビロニアから伝わる教えを読み解く。資産を増やし、お金に縛られず、充実した人生を送るにはどうしたらいいか?

1.収入の十分の一を貯金せよ
2.欲望に優先順位をつけよ
3.蓄えた金に働かせよ
4.危険や天敵から金を堅守せよ
5.より良きところに住め
6.今日から未来の生活に備えよ
7.自分こそを最大の資本にせよ

非常にシンプルで普遍的。その上、漫画で読めてしまう。

より良きところに住め」というのが意外な気もしたけど、建築を生業とする身としては、たしかにその通りだよなぁと思ってみたり。

家というのはただ住むだけのものではない。住居は幸せな生活と密接に関わっており、幸せは貯金を増やすモチベーションとなる。住居への支払いは心を豊かにする投資と言える

21世紀の資本|トマ・ピケティ


世界的ベストセラーで、ここ何十年かでもっともインパクトのあった経済学の本。圧倒的な量のデータ分析で、経済格差の推移を炙り出す。

r > g  r:資本収益率 g:経済成長率

最終的な結論はこれ。とってもシンプル。

「資本主義の富の不均衡は放置しておいても解決できずに格差は広がる。格差の解消のために、なんらかの干渉を必要とする」というもの。

物理学の「E = mc2」や数学の「eiπ+1=0」に匹敵するくらい切れ味鋭いシンプルな式。

書籍は700ページを超え、6050円!もする大著なので、図書館で借りるのがおすすめ。その上、文章を全て読む必要はまったくない。膨大なリサーチに裏打ちされた数々の図表を見るだけで十分すぎるほどのメッセージを受け取ることができる。


田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」|渡邉格

マルクスの資本論を通して、鳥取の田舎パン屋タルマーリーが提唱する「腐る経済」の本。

お金中心の「腐らない」経済から、発酵を繰り返す「腐る」経済へ。

お金は、時間が経っても土へと還らない。永遠に「腐らない」。それどころか、投資によって得られる「利潤」や、おカネの貸し借りによる「利子」によって、どこまでも増えていく。この「腐らない」お金が、資本主義のおかしさをつくりだしている。

場が整い、「」が育てば、食べものは「発酵」へと向かう。それと同じで、「職」や「職人」が育てば、経済も「発酵」へと向かう。

「職」(労働力)を安くするために「食」(商品)を安くするという資本主義の構造に対して、人も菌も生命が豊かに育まれ、潜在能力が十二分に発揮される「腐る」経済へ。

経済の「拝金主義」ではなく「拝菌主義」へ。仕事のために「借金」をするのではなく、地域の菌の力を借りる「借菌」で商いを行う。「金本位制」ではなく「菌本位制」へ。

マクロ経済の話から、パン屋経営のミクロ経済の話へ、「発酵」から「経済」を見通す本。


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