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小さな旅・思い立つ旅|美術さんぽ、ついでに茶室も[名和晃平、杉本博司、蓑庵、樂焼]
「日和」は、天気と気分と行動をひと言で表せる
お散歩日和、運動会日和、遠足日和、ドライブ日和。天気がいい日に、これをしようと思い立ち、行動に移す。たった二文字で想いが伝わる「日和」ってとてもいい言葉。
そんな“小春日和”の今日このごろ、美術さんぽがとってもおすすめ。室内展示のアートだけでなく、建築も、お庭も楽しめるところ。その上、茶室もあって、雅な気分になれるところ。
と、いうことで前回に引き続き「お茶」の旅。茶室が目的でなく、さんぽついでに茶室にも立ち寄っとくか、くらいの気軽な旅でもどうでしょう、という話。
お茶と発酵と6つの色
旅の前にまず一服。
お茶は発酵の度合いによって6つに分類される。発酵しないものが緑茶、半分発酵すると青茶、完全に発酵させると紅茶。青茶は別名ウーロン茶。
白茶や黄茶が日本ではあまり知られていないけど、黒茶の別名はプーアル茶で、そっちは有名かと。実際には製法の違いもあり、発酵だけで分類できるわけではないけれど、にわか知識にはちょうどいい覚え方。
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お茶の歴史
5000年前からお茶はあるけど、紅茶はたった300年の歴史
[5000年前]
漢方の祖である中国の神農がお茶を発見
漢方や薬として服用
[1000年前]
臨済宗の開祖 栄西が中国から伝え、
茶栽培と抹茶の製法が日本に広まる
[500年前]
千利休が侘茶を大成させる
無駄な装飾を削ぎ落とした美の境地
[300年前]
烏龍茶が中国で生まれ、
紅茶がインドからイギリスで広まる
[30年前]
缶入り緑茶の開発に伊藤園が成功
いつでもどこでも飲めるものへ
烏龍茶も紅茶もたった300年前に生まれたもので、缶やペットボトルでいつでもどこでも飲める飲料になったのは、ほんの30年前。
イギリスでアフタヌーンティーの習慣が始まったのが200年前なので、500年前に侘茶を大成させた千利休はやっぱりすごい!
ということで、美術さんぽと茶室の旅へ。
神勝寺|広島
見る。歩く。休む。瞑想する。禅を楽しむ。
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藤森さん設計の寺務所があり、名和さんのパビリオンがあり、利休の復元茶室があり、白隠の禅画がある。その上、写経や坐禅の体験ができて、露天風呂に入れて、修行症の食事作法で神勝寺うどんを頂くこともできる。
禅と庭のミュージアムの名前に偽りなし。
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江之浦測候所|神奈川
カンブリア紀から人新世まで体感する芸術散歩
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小田原にある海抜100mから相模湾を臨む測候所。古代から近代までの建築遺構から収集された貴重な考古遺産が随所に配されている。
そして、待庵の写しの茶室 雨聴天(うちょうてん)。小田原のミカン小屋のトタンを屋根の素材として、屋根を叩く軽やかな雨音に耳を傾ける、という意味を込めて雨聞天と命名。
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竹中大工道具館|兵庫
手仕事で究極の美を生み出す
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六甲山の麓、緑豊かなエリアにある道具館。法隆寺五重塔の模型の精密さに驚嘆し、唐招提寺の原寸木組みに圧倒される。そして大徳寺玉林院の茶室、蓑庵のスケルトン模型。
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土壁がなく、柱梁と下地だけの繊細さに息を呑む。国宝の待庵を外から眺めるくらいなら、こっちの茶室に入る方が100倍楽しい。
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佐川美術館|滋賀
水庭に浮かぶ樂吉左衛門の茶室
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建物のある場所は全然良くない。航空写真で見ると、こんなところに美術館があるんだ、、と拍子抜けしてしまうほど。ディズニーランドのように外の世界を忘れて、閉じた世界に入り込むのがこの美術館の楽しみ方。
照度を極限まで落とした展示室に、石の塊と取り合う畳に、大壁面のブラックコンクリートに落ちる水面の影。
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