面白い本・好きな本|過去と未来をつなぐ旅[2100年、2060年、2045年]
古書でタイムトラベル
昔の本を読むことは、現代から過去へのタイムトラベルに似ている。本を開いて、本の世界に入り込めば、あっという間に、はるか昔の人々の暮らしや思想に触れることができる。
2000年前の哲学者アリストテレス
1000年前の随筆 枕草子
500年前の宮本武蔵の五輪書
未来を知っているからこそ、その当時読んでいた読者より、深く多面的に考えることもできてしまう。
読書は数百円で乗ることができるタイムマシーン
ということで、出版当時に読むより、少し時間が経った今みるからこそ、わかりやすく面白い未来予測の本でもどうでしょう、という話。
昔と今はどちらがいいか?
最近の若者は〜とか、昔に比べて最近は〜といったコメントは、いつでもどこでもよく見かける。ネットでちょこっと調べて、いつくか列挙すると以下のよう。
どのコメントも、最近のものと思ったら大間違い。古い順から、4000年前、2000年前、1000年前、500年前、50年前、30年前。年代はバラバラだけど、どの時代も相変わらず“今より昔の方がいい”という論調。。
生まれた時に存在していた最新技術は日常の一部と感じるのに、年を取ってから発明された最新技術は“自然に反する”と拒否反応を示してしまう人も少なくない。そんな人間の心理が、上記のコメントに表れているじゃないかなぁと。
年はとっても、頭を柔らかく、変化にしなやかに
ということで、少し前に出版された未来予測の本3選。予測の答え合わせをしながら、さらに先の未来を見据える。過去と未来へのタイムトラベルにちょうどいい本。
2100年の科学ライフ|2012→2100
理論物理学者が予想する21世紀の科学史
トップクラスの科学者300人以上へのインタビューに基づき、2100年までの未来を科学の視点から予想した一冊。
注目すべきはその網羅性。情報技術からバイオ、ナノテク、宇宙まで幅広い分野の科学イシューを挙げるとともに、その実現時期を「近い未来」「世紀の半ば」「世紀の終わり」の3つに分けて紹介する。
近未来で描かれるAIやメタバースは、今読むともう聞き慣れた概念でもあり、そりゃそうだよね、と聞き流せるレベルになっているところが普通にすごい。
〈インターネット〉の次に来るもの |2016→2045
不可避だが、まだ始まったばかりのもの
本書の英文タイトルは「THE INEVITABLE」。これは不可避という意味で、人類がこの先30年で直面する避けられない進歩の流れを示している。
シェアリング、フィルタリング、インタラクティング、トラッキング、などなど、避けられないテクノロジーを12の要素に分けて解説する。
今、痛感する要素「クエスチョニング」
ありとあらゆることが調べられる時代では「正しい質問を思い浮かぶ能力」に価値が置かれる、と著者は言う。チャットAIが世間に広まる今、まさに痛感する要素。
曖昧な質問をしても、曖昧な回答しか得られない。自分が求めている回答を得るために、的確で最適な質問力が問われる時代。自分の求める回答が得られず「チャットAIは使えない」と捨て台詞を言おうものなら、そのままブーメランで“使えない自分”に返ってくることに、、
2060 未来創造の白地図|2020→2060
人類史上最高にエキサイティングな冒険が始まる
「そんなのは単なる夢物語だろう」と思ってしまうかもしれないけど、本書の特徴はエビデンスががしっかりしているところ。
論文・特許、公的研究費採択情報、プレスリリースなどなど、世界80ヶ国、約2億件の情報を集めて実現可能性の高い社会像を提案している。
「未来は自ら創るもの」
こちらはまだ出版してから数年しか経ってないので、数年後に答え合わせを兼ねて読んでみてもいいかも。
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