3つの好きな映画|旅情あふれる、東南アジアの水辺の暮らし[タイ、インドネシア、ラオス]
「温故知新」から「ウンコチンチン」
誰が言い出しから知らないけど、響きが似ていることで有名な二つの言葉。ひとつは『論語』に由来する四字熟語で、もうひとつは、カトちゃんのギャグ。
「古い教えから新しい知識を学ぶ」という格言もいいけれど、深い意味もなく、ただ語呂がいいだけの下ネタで笑うのもいいような。
「分かり合える」から「笑い合える」
歴史から学ぶ、話せばわかる、対話が重要。『理性』で考え、行動することも重要だけど、それだけではつまらない。『感性』の赴くままに、ただただ笑い合える関係もいいんじゃない?
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ということで、世界史や政治経済の小難しい話はおいといて、感性の赴くままに映画に浸って旅気分。『旅情あふれる、東南アジアの水辺の暮らし』でもどうでしょう、という話。
大陸国 タイとラオス、島国 インドネシア
見慣れた地図も、北を上にしないだけで、とても新鮮。タイやラオスなどの大陸国と、インドネシアやフィリピンなどの海洋諸国。2つに大きくわかれる東南アジア。
山奥の湖に浮かぶ、幻想的なタイの小学校
→地図の左のほう。ミャンマーの近く。
小さな島で400年続く、くじらと人間の魂の物語
→地図の右のほう。オーストラリアの近く。
海のないラオス、大河メコン川と暮らす人々
→タイの上。東南アジア唯一の内陸国。
『旅情あふれる、東南アジアの水辺の暮らし』
すれ違いのダイアリーズ|タイの水上学校
山奥の湖に浮かぶ、幻想的な小学校
チェンマイより車で約3時間。さらにボートで40~50分。そこにあるのはタイ唯一の水上学校。タイ北部ランプーン県の山奥にあり、近隣で暮らす漁師の子供たちのために作られたという。
電気なし、水道なし、携帯電話もつながらない。子供と打ち解けられない孤独な男性教師は、ある日、学校で誰かの日記を見つける。それは前任の女性教師の日記だった……。
タイ北部で最も古く繁栄した場所にある
圧倒的に美しい風景に溶け込む、水上学校
親世代の教育への意識の薄さと、学ぶことの楽しさを知っている子世代のギャップ。携帯というデジタルと日記のアナログの対比。
一度でいいから行ってみたい、と思える映画。
くじらびと|インドネシアのくじら漁
小さな島で400年続く、くじらと人間の魂の物語
インドネシア・ラマレラ村。ガスも水道もない村に1500人が暮らす。太古さながらのクジラ漁が村の生活を支え、年間10頭獲れれば村人全員が生きていけるという。
人間と自然の激しくも厳かな
命のやりとりの美しさ
村の英雄であるラマファ(銛打ち)は、手造りの舟と銛(もり)1本でマッコウクジラに挑む。土地が痩せ、作物が育たない村では捕鯨が経済活動を超えて、信仰・文化の礎となっている。
国際的な生存捕鯨に対する厳しい眼差しを
村人の命を繋ぐ伝統が揺さぶる
ラオス 竜の奇跡|ラオスのメコン川
自然に寄り添い、雄大なメコン川と共に暮らす
急激な都市開発が進む2015年のラオス。首都ビエンチャンで都会的な日々を過ごす女性が、1960年の内戦中のラオスにタイムスリップ。ダム建設のためにラオスに渡った日本人青年に出会い、村人と共同生活を送ることに・・・
もち米が主食のラオスに広がる田園
日本の原風景に心洗われる
日本とラオスの合作映画である本作は、心地よい音楽と、メコン川と共に暮らす村人と美しい風景を楽しむ映画、と監督はいう。
村人は、生活用水を汲みに、洗濯や水浴びをしに、毎日毎日川へ出かける。電気も、娯楽施設もない村なのに、大人も子供も、皆楽しそうに生活をしている、と。
「付かず離れず、そばにいる」
ラオスの人々の距離感について語る監督。川の景色が生み出す人々の距離感では?というコメントに、川と暮らす人々の意識を感じる。
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