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3つの好きな映画|「A24」の独創的な映像世界 心に残る家族の物語[アフターヤン、アフターサン、カモンカモン]

「ねぇ、パパ」はよくて「ねぇ、子供」はダメ?
「お兄ちゃんー」はよくて「妹ー」はおかしい?

普段何気なく使っている日本語だけど、よくよく考えるとちょっといやだなぁと思うこと。「パパ」「」は上で、「子供」「」は下。そんな上下関係を、無意識に瞬時に感じ取って使っている日本の言葉。

「おーい、先生〜」といっても「おーい、生徒〜」とは言わないし、「先輩〜」といっても「後輩〜」とは言わない。常に上下関係を意識して、自分の立ち位置を理解した上で発する言葉。

娘が一人暮らしを始め、もぬけの殻の子供部屋

わたし、ぼく、うち、俺、小生、自分、、、
英語ならすべて「I」

これも同じ。自分のことを呼ぶだけなのに、自分がかも同時に宣言しなければいけない。よくよく考えると、人によってはとても残酷なルール。

もちろん男女どちらでも使いやすい「わたし」はある。でも、プライベートやフランクなときも常に「わたし」で徹底すると、いつでも「わたし」と言うキャラなんだ、という無駄で余分な情報もまとわりついてくる、、

長い歴史を見ると、日々変化して変わりゆく日本語なので、遠い将来に「I」「You」という英語のようなシンプルな表現が、日本語にもできているんじゃないのかなぁと思ったり。

引っ越し先のレイアウトを6案考え、これに落ち着く

「A24」の独創的な映像世界

2012年創設の映画スタジオ「A24」は、圧倒的クオリティを誇る作品を量産し、たった10年で映画シーンになくてはならない存在へ。

本物の映画が観たいなら「A24」

ムーンライト、レディ・バード、ミナリ。最近の話題作ならエブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス。A24が制作や配給をする作品に良作あり。その審美眼と感性を支持する声はとても多い。

そんな独創的な映像と世界観で綴るA24の作品からTOP3を選出。たまたななのか個人的な嗜好なのか、すべて家族の物語。

AIロボットと家族
ビデオカメラと親子
ラジオと甥っ子

ロボットやカメラやラジオを通して綴る、大人子供の物語。娘らしく父らしく、女らしく男らしく、家族らしく親子らしく。そんなわかりやすい区別や整理はありえない。驚くほど繊細で、多様な色で編まれている世界を見逃さない。


温かく愛情に満ちた眼差しの切なさ
大丈夫じゃなくても、大丈夫

–独創的な映像世界 心に残る家族の物語−

アフター・ヤン|AIロボットと家族

温かく愛情に満ちた眼差しの切なさ

一般家庭にAIロボットが同居している近未来。とある家族と暮らすAIロボット・ヤンが不調をきたし、動きが止まる。修復のため、ヤンのなかに残された記録映像を観ると、ある秘密が。。彼がみて、愛した“生”を辿る、やさしい物語。

音楽は坂本龍一とAska Matsumiya。「新しく、近未来的でありながら、人間味のある音楽」と語る通り、チェロやピアノといった人間味のある楽器に、未来的なシンセを重ねる。徐々に移り変わる和音の繊細さと力強さが、シンプルながらも重層的な楽曲に仕上がっている。

驚嘆や悲哀が混じる複雑な感情に寄り添う旋律

映画は、派手な視覚効果やスペクタクルに頼ることなく、静謐な未来の世界観を構築している。その人はもう帰っては来ない。でも、その人のことは忘れない。喪失と記憶を、映像と音楽によって表現した、とても美しく静かな映画。

アフターサン|ビデオカメラと親子

大人へと背伸びする娘、大人であることに戸惑う父

11歳の娘が父とふたりきりで過ごした夏休みを、その20年後、父と同じ年齢になった彼女の視点で綴る。多くを語らず、ミニマルな映像の中に、深い余韻をもたらす映画。

残すから、私の小さな、心のカメラに

触れたら壊れてしまいそうな、儚く繊細な映像。油断すると何も掴み取ることのできない映画の中に、父と娘の“描かれなかった”時間を描き、心の片隅に存在する、大切な人との大切な記憶を揺り起こす。

あの時、あなたの心の声が聞けたらな

ビデオテープに残る父とのまぶしい時間が、娘の視点と父の視点、過去と現在、記録と記憶、の対比を通して、重奏的に描かれる。息をのむ、忘れられない物語。

カモン カモン|ラジオと甥っ子

大丈夫じゃなくても、大丈夫
OK NOT TO BE OK

ラジオジャーナリストとして1人で暮らすジョニーは、妹から頼まれ、9歳の甥・ジェシーの面倒を数日間みることに。突然始まった甥っ子との共同生活。戸惑いと衝突、想定外から生まれた奇跡の日々--

ヴィム・ヴェンダースの名作『都会のアリス』にインスパイアされたロードムービー。“ドキュメンタリー性を盛り込んだ寓話”を意図して、全編モノクロの映像になっている。

大人も子供も迷いながら生きている

監督曰く、「育児に不慣れな伯父を主人公にすることでかえって、父親としての心境がリアルに描けた」と。そこに、9歳のジェシーの素晴らしく自然な演技が相まって、近年稀に見る名作となる。

未来は、考えもしないようなことが起きるだから、先へ進むしかない

大丈夫じゃないから、大丈夫なわけないんだけど、それでも大丈夫って口にすることで、大丈夫な気分になってしまう。魔法のコトバ。

大丈夫じゃなくても、大丈夫


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