新自由主義体制下でのSDGsは「やっているふりパフォーマンス」であり、その実現は絶対に不可能
形を変えたCO2削減キャンペーンでもある「SDGs」(「持続可能な開発目標」)。目標として掲げられているお題目(欧州発の新たな「世界標準」)だけは実に立派で、その文言だけ見れば誰も異存はないでしょう。
ただし、「平和」という言葉が最後の17番目の目標の中に付け足しのように入っているのはいただけません。ひとたび戦争が起きれば「持続可能」もへったくれもないのですから「平和な世界の実現」は本来真っ先に掲げるべき目標のはずですが、なぜかそれがまるでアリバイ作りのように最後に置かれている不思議。
また、SDGs17の目標の最初に掲げられているのが「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」ですが、世界中の富の過半を一握りの大金持ちたちに独占させ、経済的格差と貧困による人々の不幸を日夜拡大再生産し続けているのが、儲けるためには何をしてもよいと考える究極の強欲資本主義である新自由主義思想。
現在、日本をはじめ世界中の資本主義諸国に蔓延っている新自由主義思想に基づいた社会体制をそのままにしておいて、SDGsの目標を達成するのは不可能だということです。なぜなら新自由主義は、SDGsが目指していると称する「目標」とは真逆の思想だからです。
新自由主義が目指している世界
新自由主義政策によって引き起こされている社会的害悪
このように新自由主義は、社会や国民生活に様々な害悪や苦痛を引き起こしている「反社会的思想」なのです。
「新自由主義」については、こちらの記事で詳述しています。
身近な具体例をひとつだけ挙げれば、現在、全雇用者の実に5人に2人が低賃金で不安定な雇用形態である非正規派遣労働者になっています。これは、中曽根政権以来の自民党政権下で実施されてきた労働者派遣法の度重なる改悪による規制緩和の結果です。
多くの労働者が低賃金の上に不安定な雇用形態に苦しむ一方、規制緩和で大儲けして笑いが止まらないのが人材派遣会社。日本は世界で一番派遣会社が多い国ですが、その代表格が「中抜き平蔵」こと竹中平蔵が会長を務めるパソナグルーブ。
コロナ禍を最大限に利用して、今年5月期の通期連結業績予想では純利益が何と前年比1000%増!派遣労働者の賃金の3割以上を合法的にピンハネし、政府発注事業で国民の税金をせっせと中抜きして肥え太った成果です。まさしく派遣労働者を食い物にし、国民が汗水たらして収めた血税を吸い尽くす吸血鬼そのもの。
以上、ざっと見ただけでも新自由主義の狙いがSDGsの目標とは真逆のものであることは明らかです。
これは逆に言えば、SDGsの目標項目である貧困、飢餓、健康と福祉、質の高い教育、水と衛生、人間らしい雇用、インフラ整備、安全な居住、持続可能な生産と消費等などの諸問題は、ネオリベたちが忌み嫌うお金の公正で公平な分配が実現できれば、ほとんどが解決できることばかりです。
SDGsを採択した国連が本当に「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせ」たいと思っているのなら、17の目標のような聞こえのよい言葉を並べるよりも前に、真剣に取り組まなくてばならないことがあるはずです。
それは、新自由主義思想とその社会体制の撲滅です。なぜなら、これまで述べてきたようにSDGs目標達成の最大の障害になっているのが、「今だけ金だけ自分だけ」「人の命より金」「弱肉強食」の新自由主義思想だからです。
もっとも、SDGsを国連に採択させ、推進している黒幕は「ダボス会議」で有名な新自由主義の総本山「世界経済フォーラム」(WEF)ですから、国連がどうこうできる相手ではありませんし、WEFの国連への影響力を考えればそんな発想が出てくるはずもありません。むしろ、両者は表裏一体と見たほうがいいでしょう。
何しろ、WEFは真偽の程が定かではない「温室効果ガスによる地球温暖化説」を絶対的な錦の御旗にして「グレートリセット」(自分たち一握りのエリートが支配する「世界統一政府」の実現)、温室効果ガス増加の原因である地球人口や農畜産業の大幅削減、ベットの飼育禁止、昆虫食などを本気で提唱している「あたおか達」の集まりですから。
要するに「SDGs」は新自由主義者たちの都合の良い隠れ蓑であり、「持続可能な世界」の正体は、今後も半永久的に強欲新自由体制を変わらずに維持し「持続」させていくためのやっているふりパフォーマンスでしかありません。
別の角度から見れば自分たちが望む世界を実現するために「地球温暖化ショックドクトリン」を用いた世界規模の謀略でもあるのです。
少女環境活動家として売り出したグレタ・トゥンベリは、そのための広告塔でしょう。
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