(掌編小説)見たことのある猫
小さな頃飼っていた、亡くなった猫そっくりな猫に再会した。
それから僕の知らなかった秘密のドアが開かれていく。
「希光人くん。久しぶりだね。もう中学3年生か。私も年を取るわけだ。夕ご飯食べていきなさい」
天地先生は僕が赤ちゃんの頃からお世話になっている(らしい)先生だ。もう随分年寄りで、80歳はゆうに超えているはずだ。僕の母親と友達で、母親も確か65歳。僕を産んだのが50歳の頃になる。まわりの人達は超高齢出産だと驚いてたらしいが、僕にとっては参観会で他の若いお母さん達と違う