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甘野書店

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noteの本屋さんです! 小説、詩、絵、音楽、動画を販売してます! あなたは本を買いますか?  あなたは本を売りますか? ルールは以下です。 ・自作の小説・詩・絵・音楽・動画の…
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 こんにちは、甘野充です。  noteで小説を書いてる人はたくさんいると思います。  noteで小説を販売していますか?  売れていますか?  noteで小説を売るのはなかなかに難しいのではないかと思います。  小説を売るには、KindleでKindle本を作って売る、本を作って文学フリマで売る、ボックスで貸し出しているシェア型書店で販売する、などが現実的ですよね。  Kindleは電子書籍であれば気軽に読まれるし、文学フリマはネットで知り合った人などと交流して買ってもら

僕が君と過ごしたという証

 僕の鞄の中から一枚の紙切れが出てきた。  それは映画のチケットの半券だった。  それを見て、僕は朋美の事を思い出す。

¥200

おすすめガール

「ねえ、あなたはどんな女の子が好みなの? 私は女友達がいっぱいいるから、どんな女の子でもあなたにおすすめできるけど」  と彼女は僕に言った。

¥100

【創作童話】まほうのほうきづくり教室

まほうつかいたちに、ほうきのつくりかたを教えてくれるふくろうがいました。 ふくろうはツバサで飛ぶことができるので、自分でほうきに乗ることはありませんでした。 けれど、ちょっとほうきに乗るのが苦手なまほうつかいの子どもがいると、ほうきにふくろうの羽をちょっぴりくっつけて、なめらかに飛ぶほうきをつくってあげることができました。 ふくろうは、森の中で、 【ふくろう ほうき店】 というお店やっていました。 ふくろうの主人は、いつも親切だし、ていねいで、まほうのほうきがなめらか

¥100

ショートショート|何の影響も与えられない男

 ――ああ、会社に戻りたくない。  重い気持ちで公園をふらついていた僕は、何気なくベンチに腰掛けた。  内臓が全部飛び出るんじゃないかってくらい深く、ため息を吐く。 「何やら、悩ましげですね」  抱え込んだ頭に、隣から声が飛び込んできた。まったく気が付かなかったが、すでに誰かが座っていたようだ。  顔をあげると、初老の男性が爽やかな微笑をこちらに向けていた。  赤の他人と話したい気分ではない。  といって、無意識とはいえ、わざわざ彼の座るベンチへ並ぶことを選んだのは僕だ

¥100

くうちゃん

私の名前は「くう」。 生まれはカナマチ。この街は猫が営む商店街を中心に賑わっている。私は商店街から30キロほど離れた街の外れに母と二人で住んでいた。 「あなたがくうちゃんね。あなたのお母さんがあなたの名前をつける時、「○○太」とか、「○○夫」とかつけると人から呼び捨てにされる可能性はあるけど、この名前だと必ず後ろに「ちゃん」をつけてくれるのよ。そういっていたわ。」 母の葬式の時、母の友達と名乗る方が私に話しかけてきた。

¥500

「君の歌声だけがすべてで」【小説】

   彼女が静かに歌い始めた。その瞬間にそれ以外の音が消える。僕の目に映る景色もすべて意味を失う。やがてそこは彼女の歌声だけが意味を持ち、彼女の歌声だけが確かな世界となる。  僕は抵抗することなくその世界を受け入れる。そしてこの世界も拒むことなく僕を迎え入れる。こうして僕はこの世界の一部となり、彼女の歌声とひとつになる。そのとき、僕の過去も意味を失う。標的の定まらない怒りや何かに対する底知れない諦めもすべて。

¥100〜
割引あり

オリバーピープルズ

 ¥300。(全6話)。 (ものがたり)  僕は目の手術をしたために、サングラスをしなければいけなくなった。  古着屋をやっている友達の友也に相談したところ、オリバーピープルズというブランドのサングラスを薦められ、それをすることになった。  おしゃれには無頓着な僕だったが、サングラスだけはおしゃれになってしまった。  仕事で大阪に行くため、僕は新幹線に乗った。しかしその新幹線で出会った見知らぬ女に強引にサングラスを交換させられてしまった。  そして仕事で新幹線に乗るたびに、

【創作童話】おねがいレレア

公園においてあるダンボールを見たら、だれだって、もしかしたら子犬か子猫がすてられているんじゃないかって思うでしょう。 でも、今日アイが見つけたのは、なにも入っていないただのダンボールでした。 ただ『そう見えただけ 』 の‥‥。 「なぁんだ、つまんない。 この中になにかおもしろいものでも入ってたらよかったのに」 そういって帰っていくアイを、じっと見ているいっぴきのうさぎがいました。 レレアという名前の魔法のうさぎでした。 本当はふわふわした白いからだをしていますが、今は魔

¥100

室町時代の歴史小説、好評発売中!【めっちゃ宣伝】

見ていただいているみなさま、本当にありがとうございます。 大純はるは、note上のマガジンの形で、オリジナル歴史小説を発売しております! 普段(ありがたいことに)みなさまからいただける、嬉しいコメントを読ませていただくと、 やっぱりこの時代どマイナーなんだな… ニッチなことしてるんだな… と改めて感じてしまいますが、ここまで来たら、自分の信じる道を貫くしかないのかもしれません(?) よろしければこの機会に、みなさまのマガジンコレクションという本棚に、大純はるの小説を加えては

【長編小説】「水槽の魚」

*  七時になろうとしているのに、今朝はまだ薄暗く、青い。庭を見ると、まるで水の中のように静かだ。しんしんと雪が降っている。  そろそろ娘を起こさないとならない。なのに、青い景色が愛梨を神妙な気持ちにさせる。体が思うように動かせない。  いまだ忘れられない思い出を揺り起こした。  こんなだからわたしはダメなのだ。家庭ひとつ守れない。自分を責める。  一度目の結婚も失敗した。あれは若気の至りだと言ってしまえば片付けられるが、今回は子供もいるのだ。  夫は車のダッシュボー

¥300

【長編小説】「貝の言い分」

1.  陽菜が足元をしきりに気にしていた。ハイヒールでずっと歩いていたので靴擦れを起こしているようだ。 「他に靴は持ってこなかったのか」  問うと、陽菜は咎められた子供のような顔をした。 「だってこんなに歩くとは思わなかったんだもん」  僕は陽菜に「東京を出て、どこかで一緒に住まないか」と誘った。そしてその三日後には品川駅で待ち合わせをした。  会社には辞表を提出し、親には『半年ほど旅に出るので、連絡できないですが心配しないでください』とメールを送った。  なぜ半年といった

¥100

【短編小説】「ロザリオ」-完結編-

¥100

【短編小説】・続「ロザリオ」

「レオ、起きて」レサが僕を揺り起こした。 「なに? どうした?」僕は時計を見た。朝の七時だ。「もうすこし眠らせてくれよ」 「なに呑気なこといってるの。今日は個展の最終日でしょ」 「わかってるよ。でもまだ早いじゃないか」 「昨日シャワー浴びてないでしょ。きちんとした格好で行くのよ。髪もセットしてね」 「そんなに気合い入れなくても、いつもの自分でいいじゃないか」 レサは世話焼き女房だ。まだ結婚はしていないが。 レサの夫はいよいよ体が動かなくなって施設に入所した。余命も幾ばくもない

¥100