(掌編小説)続・バイクに乗って猫を拾った
バイクで転んで猫に助けられて入院中。現状を説明すれば、なんとも冴えない。でも、もう松葉杖で歩けるようになったから退院が近いようだ。
4人部屋は僕ひとりだけ。白い部屋の窓の外からこぼれる午後の日差しは、僕には眩しすぎる。昨日両親が田舎から見舞いに来てくれて、初めて親のありがたみが分かった。恥ずかしいけれど、32年間生きてきて初めてのことだった。
明るい日差しが陰って夕暮れに包まれる。僕はカーテンを開け放ち、暮れゆく街並みを見下ろしていた。ふと思い立ちベッドに戻りスマホを見る。そ