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なぜリラックスすると創造性が高まるのか

こんにちは、「笑顔工学」の専門家、木村光範です。
笑顔工学って何??という方は、ぜひ自己紹介をご覧ください!

仕事や勉強で一生懸命考えているときよりも、リラックスしているときに 「ふと良いアイデアが浮かぶ」 経験はありませんか? 実は、忙しく頭をフル回転させている時よりも、ぼんやりしてリラックスしている時のほうが創造的なアイデアが生まれやすいことが知られています。

例えば、難しい問題についてオフィスで唸って考えている時より、シャワーを浴びているとき散歩をしているとき、あるいは寝る前にぼんやりしているときに、突然ひらめきが降りてくることがありますよね。

私も、何か新しいことをひらめいたときは、たいていお風呂に入っているときか歩いているとき、電車に乗っているときなどでした。皆さんもそんな経験があるのではないでしょうか。

実はこれ、脳の中にある「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」というシステムが働いているからなんです。今日はこの不思議な脳の仕組みを、みなさんが普段経験していることと結びつけながら解説していきます。

この記事は、特に下記の方に読んでいただきたい内容です。

クリエイティブ職(デザイナー、ライター、マーケター、エンジニアなど)
→ 仕事でアイデアが求められる人々。常に新しい発想を求められるが、詰め込みすぎて煮詰まってしまうことが多い。リラックスが創造性にどうつながるかを知ることで、効率的な発想法を学べる。

マネージャー・経営者
→ 「仕事に余白がないとダメ」とは聞くが、どうすれば余白を作って生産性を上げられるのかを知りたい。リラックスの科学的根拠を知ることで、部下の働き方や職場の環境改善に活かせる。

フリーランス・起業家
→ 自分の時間管理がカギとなる働き方をしている人。休む時間を作ることに罪悪感を感じがちだが、「休息も仕事のうち」と納得することで、よりクリエイティブで持続可能な働き方を構築できる。

大学生・大学院生
→ 試験勉強や論文執筆で頭をフル回転させる日々。「頑張ることが正しい」と思いがちだが、効率的な学習のために「休むことの重要性」を理解したい人。

研究者・アカデミック職
→ 深い思考や分析を要する仕事をしているが、煮詰まることも多い。実際の研究データをもとに、「どうすれば新しいアイデアが生まれやすいか」を学びたい。

時間に追われがちな会社員・主婦・社会人
→ 「忙しくて余裕がない」と感じている人。仕事や日常でのストレスを減らしながら、もっと創造的でゆとりのある生き方をしたいと考えている。

ライフハック・自己啓発に興味がある人
→ 生産性向上や自己成長に関する情報を積極的に取り入れたいと考えている層。科学的な裏付けのある「賢い休み方」を知りたい。

デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)とは?

DMNとは、私たちがリラックスしている時や何も考えていない時に活性化する脳内のネットワークのことです​。

簡単に言えば、脳がアイドリング状態になっているときに働く回路で、自分自身のことを振り返ったり過去の出来事を思い出したり将来の計画を想像したりといった内面的な思考に深く関わっています​。

DMNが活発に働いているとき、脳は意識していなくても情報を整理し、新しいアイデアを生み出しやすい状態になります​。この状態の脳は普通に考え事をしているときの15~20倍ものエネルギーを使っているのだそうです。
つまり、ぼんやりしている間に脳内で勝手に整理整頓が進み、ひらめきの種が育っているのです。

リラックスが創造性を高める理由

緊張して問題に向き合っているとき、人間の脳は目の前の課題解決に集中しすぎてしまい、先述のDMNが働きにくくなります。眼前の問題に過度にのめり込むと、かえって「ひらめき」のチャンスを逃してしまうのです​。

反対に、心と体の力を抜いてリラックスしているとき、DMNが活性化して自由に発想しやすい状態になります。

創造性に富んだ偉人たちも、リラックスすることの大切さを知っていました。例えば発明王トーマス・エジソンは、発明に行き詰まると鉄球を手に持ったままうたた寝をし、眠りに落ちて鉄球を落とした瞬間に目を覚ますという昼寝法を実践していました。そのタイミングで問題の解決策がパッとひらめくことがあったからだそうです。

また、アインシュタインは日課として散歩を取り入れていたことが知られています。散歩によって脳がリラックスし、新しい発想が生まれやすくなる効果を彼自身が感じていたのでしょう。

このように、緊張と緩和を上手に切り替えることが創造的な発想につながる鍵なのです。

脳の大掃除タイム

仕事、勉強、ゲームなどに集中しているとき、脳は特定の部分しか使いません。例えば数学の問題を解くときは計算に関係する部分だけが活発になります。

でもリラックスしてぼーっとすると、脳全体に血液が行き渡り、普段使わない部分も動き始めるのです。このときDMNが過去の記憶や知識を整理整頓し、新しい組み合わせを作り出します。

DMNの働きを図書館に例えてみましょう。本を探しているとき(集中している状態)は特定の棚だけを見ますが、図書館が閉まった後(リラックス状態)では司書さん(DMN)がすべての本を整理し、新しいコーナーを作ります。これが「ひらめき」の正体です。

リラックスと創造性に関する科学的な研究

リラックスが創造性を高めることは、具体的な実験によっても確かめられています。ここでは2つの科学的な研究をご紹介します。

実験①(スタンフォード大学の研究)

創造的思考力が「歩いている時」にどう変化するかを調べた実験です。参加者に歩行中と座っている状態で発想テストを行ったところ、座っている時よりも歩いている時の方が、創造的なアイデア産出量が平均で約60%も高まったことが明らかになりました​。面白いことに、この効果は屋内でも屋外でも同様に見られたため、「歩く」という行為そのものが創造性を後押しすると考えられます。

実験②(カリフォルニア大学の研究)

人が「マインドワンダリング(ぼんやりと心がさまよう状態)」にある時と集中している時で、創造性にどのような差が出るかを調べた研究です。米カリフォルニア大学サンタバーバラ校のジョナサン・スクーラー氏らの報告によれば、ある課題に集中している時より、心がさまよっている時の方が創造的な思考力が高まる傾向があることが示されています。要するに、何も考えずにぼんやりしている時間が創造的発想につながりやすいという科学的な裏付けです。

リラックスを取り入れる実践方法

創造性を発揮するためには、「集中する時間」と同じくらい「リラックスする時間」を意識的に作ることが大切です。以下に、日常生活で手軽に実践できるリラックス法をまとめます。

  • 適度な休憩をとる:長時間詰め込みすぎず、勉強や仕事の合間にこまめに休憩しましょう。

  • 散歩をする:行き詰まったら外の空気を吸いに少し歩いてみましょう。歩くことで気分転換できるだけでなく、前述の通り発想力が高まりやすくなることが期待できます。歩きながらだと頭が自然とリラックスし、アイデアが浮かびやすくなります。

  • 瞑想や深呼吸を取り入れる:短い時間で構いませんので、静かに目を閉じて呼吸に集中する時間を作ってみましょう。瞑想や深呼吸などのリラクゼーションはDMNの適度な活性化につながり、内省的な思考を促して創造性を高めるのに役立ちます​。心が落ち着くことで、斬新な発想が生まれる土壌が整います。

  • 何もしない時間を意識的に作る:「あえて何も予定を入れない時間」をスケジュールしてみましょう。スマホやテレビから離れ、ぼーっと過ごす時間を持つことで、脳に自由にさまよう余白を与えます。ベッドに横になって天井を見つめたり、景色を眺めたりする時間から、新しいひらめきが生まれることもあります。

  • 笑顔を増やす:笑うことで副交感神経が優位になり、リラックスしやすくなります。また、笑顔を作るだけでも脳が「楽しい」と錯覚し、ストレスを減らす効果があります。「笑顔→リラックス→DMN活性化→創造性アップ」という流れができるのです。

避けたいこと

  • 休憩中にスマホを触り続ける。

  • 1日中寝転がって何もしない。

  • 常に音楽や動画で耳を塞ぐ。

これらの行為はDMNの邪魔をして、かえって脳を疲れさせます。

次の記事に色々な方法がまとまっていましたので紹介します。

まとめ

創造的な発想を生み出すためには、「常に考え続ける」のではなく、「考えない時間」を意識的に作ることが大切です。

リラックスすることでDMNが働き、脳が勝手に情報を整理し、新しいアイデアが生まれやすくなります。忙しい日々の中でも、意識的に「ぼーっとする時間」「散歩」「お風呂」などを取り入れ、脳に余白を作る習慣をつけてみてください。

そして、日常の中で「笑顔」を増やすことも、リラックスと創造性を高める大切な要素です。今日から、ちょっとした笑顔を意識して、ひらめきの瞬間を楽しんでみませんか?

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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