読書:『この密やかな森の奥で』キミ・カニンガム・グラント
なんだか全然誰にも読まれないし読書レビューももう書くのをやめようと思っていたのだけど(というか、モチベーションが続かない)、この本はなんとなく書いておきたいことが少しだけあったので。
森の奥で世間から隠れ住んでいる父娘。事情はよくわからない。怪しい隣人がいて、不穏な雰囲気が通奏低音のように漂っていて、いかにも何かとんでもないことが起こりそうなのだけど、それが……全然起こらない。そんなサスペンス小説。
それで面白くないのかというとそんなことはなく、面白く読まされる。ただ、変化が少ないので、なんか長いなという感想は中ほどでやはり出てきてしまうのだけど。
物語は終盤になって一気に進む。
え? ええ? という驚き。
ネタばれ的なことを書いてしまうと、ガリレオシリーズの『容疑者Xの献身』にあったような驚きに酷似している。
しかしそこから先が……
これでいいのかな? こんな終わり方で。
これこそ主人公の規範に反するのではなかろうか。
娘との生活が大切であったのはわかる。しかし、両親とも和解できつつあるようで、それならば、すべてを告白して事を正しても、恐れていた事態にはならなかったのではなかろうか。
腑に落ちない感じがやや残ってしまうラストでした。
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