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SNSで世界と繋がる時代に、「自信を持ちなさい。」なんて、小錦さんがSASUKEをクリアするくらい難しいと思います。
子供の頃、勉強も運動も出来なかった僕の唯一の自慢は、クラスの友達より少しだけ絵が上手なことでした。
世界の中の、日本の中の、関西の中の、近畿の中の、兵庫県の中の、神戸市の中の、兵庫区の中の、菊水小学校の中の、岡田学級の中の、
僕の小さな小さな世間知らずの自慢は、確かにあの頃の僕を支えてくれました。
でももしあの頃に、現代のようなスマホやSNSがあれば、僕を支えてくれた小さな自慢は木っ端微塵になってたと思います。
アプリのアイコンをタップするだけで、自分と同い年の抜きん出た才能を無限に発見することができるからです。
きっとSNSで誰かが描いた圧倒的にうまい絵を見た僕は、自分が描いた悟空の絵が恥ずかしくなったと思いますし、
フリーザやピッコロの絵は誰にも見せることなくゴミ箱に破り捨ててたと思います。
スマホとSNSの出現で、町内会ののど自慢が、いきなり世界最高峰ウィーン国立歌劇場のステージに立たされ、
クラスのかわいい女の子が、いきなりミスインターナショナルのファイナリスト達と同じステージに立たされるようになりました。
そんな世界の中で、「自信を持ちなさい。」なんて、小錦がSASUKEをクリアするくらい難しいと思います。
【小さな自信が打ち砕かれる世界で】
だからこそ僕は、人と比較することなく、自分自身の1mmの前進を思いきり喜びたいと思います。
僕が目指すのは、日本の最高峰でも、世界の最高峰でもなく、自分の最高峰です。
昨日より今日ちょっと優しくなれた、昨日より今日ちょっと賢くなれた、昨日より今日ちょっとできるようになった、
そうやって、自分という山をコツコツ登り続けたいと思います。
きっとその山は、富士山やエベレストには到底及びませんが、
山頂から見える景色は唯一無二で、美しいと思うんです。