いつでも、どこでも。|エッセイ
目の前からなくなると恋しくなる。
冬になると暑くて、暑くてたまらなかった夏のことを思い出す。
東京の東にある三鷹市住んでいたころ、お気に入りの海が逗子にあった。
三鷹から電車を乗り継いで、約2時間かかる逗子の海へ行くことは夏の大きな楽しみだった。
海はもともと好きだったけれど、切望するというか、心の奥から湧き上がる海へのあこがれが出てきたのはこの時期からかもしれない。
平日に訪れる逗子の一色海岸は比較的人が少なく、初めて行ったときからすっかりとりこになってしまった。