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ガンジー ぶつかる
”力石徹が死んだ” 矢吹ジョーと階級を超えて戦う為に壮絶な減量をし、ジョーと拳を交わしたその後に…漫画の登場人物で葬儀が行われた人1号と言われるだけある。成る程ショックが大きい。爆泣きした。
WOWOWオンデマンドで”あしたのジョー”を久しぶりに見たら、こんなシーンにぶち当たる。51話。それまでの話で、力石徹の寡黙な情熱と気迫、努力、真摯さを知るとその喪失感は深まる。
自分の命を賭けてもライバルとの戦いに挑み、何度ダウンしても立ち上がって戦い、笑って死んでゆく…
戦い、ぶつかりあい、果ての勝利…スポ根映画を選ぼうか…はてさて…
『ガンジー』1982年、イギリス、インド、アメリカ合作映画などは如何だろうか。リチャードアッテンボロー監督。ジョンブライリー脚本。ベンキングスレー主演。
イギリス植民地政府の暴力に抗議運動をはじめ、インドの独立を導いたマハトマガンジーの青年期から凶弾に倒れるまでを描いた映画。
1番印象に残っているシーンは思い出すだけで涙が溢れてくる。
それは、政府の暴力に対抗するため、”非暴力”を掲げ、何十万の市民が殴られても殴られても、暴力で返さず、行進する姿が映し出されている。暴力に屈することなく、民族の誇りを取り戻す為に抵抗する群衆の気迫と痛みに心打たれるのだ。
一つの映画でのエキストラが30万人と最多記録でギネス認定されている。その数のパワーもすざましい。
”あしたのジョー”の矢吹ジョーの心は、登場時にはすさんで荒々しく喧嘩腰。他人の迷惑なんてお構いなしの利己主義。だけど、ライバル力石徹と出会い、正式にリングの上で戦う為にひたむきに努力するようになり、人に応援されるようになり、人の暖かさを知り、1プロボクサーに変わってゆく。強い力石徹が拳を交えたいと思う程に。そして2人はぶつかりあい、果てに許し合う。
インドも独立運動で相対する勢力とぶつかりあい、独立を勝ち取った。
ガンジーの名言がある。
”個人に当てはまることは国にも当てはまる。誰もがそれほど多くを許すことはできない。弱き者は許すことができない。許しは強き者の証だ”
ぶつかりあうことは、大なり小なり日常でもある。自分の守りたいものと、他の方の守りたいものが違う時はあって当然なのだ。だけど、結果として、お互いに許し合える結末が迎えられたなら、ぶつかりがいがあったと言える。
対戦以降、まだまだわだかまりを残している人も国もある。”許しは強き者の証” 不安や恐れ、利己主義や弱き心から解放されることを祈りたい。
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