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オズの魔法使い 竜巻きの彼方に

何にも考えずにAmazon primeビデオをつけながら、割り箸ペンをグルグルと動かしている。頭の中はビデオ映像と過去の記憶と墨とが混ざりあって、グルグルと巡っている。

Amazon primeビデオで『BANANA FISH』のアニメ版を見ていた。 Amazon会員になるのは久しいのに、 primeビデオは最近になってから見出した。色々見れるようで楽しみだ。

吉田秋生先生の漫画『BANANA FISH』。あれは1980年代半ばだったか…単行本を集めていた。今でこそよく見る典型的なBLの人物設定(気高く美しく天才的な主人公と癒し系の普通男子の取り合わせ)だけど、当時は少女漫画らしからぬ舞台設定(ニューヨーク、マフィアやギャングの抗争、薬物、人身売買、などなど)に新鮮味を感じて、新刊発売日を楽しみにしていた。主人公2人の友情に心打たれたものだ。懐かしくチラ見しながら、筆を運ぶ。

今考えると、ニューヨークへの憧れは、この漫画のベースがあったからかも知れない。この漫画に引用されている言葉から、サリンジャやヘミングウェイを読んだ。作者がカバーを描いた推理小説を漁って読んだ。行ってみたかった国アメリカがあった。

たくさん円を描いたら、なんだか”竜巻”に見えてきた。”竜巻”といえば、『オズの魔法使い』が浮かぶ。

ライマンフランクボーム原作。1939年アメリカ映画。『風と共に去りぬ』のビクターフレミング監督作品。主題歌は主演のジュディガーランドが歌う『虹の彼方に』。アメリカでは1959年から1991年まで、毎年放映され、以降もアメリカンスタンダードとして繰り返し放映されているのだとか。

だからなのか、アメリカの映画でもドラマでもバラエティでも、この映画からの引用されたジョークが使われているところを目にすることがある。

”藁人形”といえば日本では呪い人形を思い浮かべる方が多いかも知れないが、アメリカではこの映画に”出てくる藁人形”をさしている。

”黄色いレンガの道”と言えば、”幸せの道、出世街道”のことなのだそうだ。

”かかとを3回鳴らせば夢が叶う”などなど。

ストーリーは主人公ドロシーがカンザスの農園で、家ごと竜巻に吹き飛ばされ、グルグルとまわるまわる。気付けば魔法の国に到着。帰り方を探して、途中に出会う、頭脳が欲しいカカシ(藁人形)心が欲しいブリキ、勇気が欲しいライオンらと旅をする話。黄色いレンガの道を辿って、悪い魔女と戦ったり、良い魔女に助けられたり。そして、みんながそれぞれの旅の目的を果たし、ドロシーはお家に無事に帰って、めでたしめでたし。「お家が1番。」とのセリフで終わる。

カンザスの自宅の様子は始めも終わりもモノクロ。魔法の世界が鮮やかなカラーでセットも可愛い。

我が家の子供らが保育園の時にも、発表会で演じていた演目。子供と一緒にみた最初のミュージカル映画。当時、しばらくの間、我が家は『オズの魔法使い』一色だった。

筆をグルグルしていると、頭の中の過去の記憶もグルグルと引っ張り出されてくる。取り止めのない話がグルグルと。

願いを込めながらかかとを3回鳴らしたら、夢が叶う…簡単でいいな。難しく考えると難しいことを引き寄せるのだとしたら、必ず叶うと単純に考えて日々鍛錬していたら、そのうち叶っているのかも知れない。振り返ると、かかとを3回鳴らす位のスピードで。





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みと吉 禮子 (みとよし れいこ) 絵本作家
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