見出し画像

【日本再興戦略】 -ほぼ1,000字感想文


○タイトル:日本再興戦略
○著者  :落合 陽一
○発行  :幻冬舎 (2018/1/31)


■ざっくり要約

落合陽一が、近未来の日本を予測し各分野に対する持論を展開していく一冊。ただの未来予想ではなく、歴史やテクノロジーなど、多角的な事実により綿密なロジックが組まれていることが伺える。 

一貫して主張しているのは、欧米礼賛から脱却し、本来のアイデンティティを取り戻すべきということ。我々は日本人であり東洋人である。単なる排他的な自国愛ではなく、自己理解の上でのダイバーシティ推進という論調のように見受けた。

決してよくある、闇雲に危機感を煽る未来予想ではない。全般ポジティブな可能性の提示と、そこに至るための課題を淡々と整理しており、サクサクと読めた。薄く広く、日本の未来を考えるには絶好の導入になると思う。


■学びポイント

○士農工商の"商"に偏った現代日本

元来、価値を生み出している「農」「工」が「商」より序列が高かった。しかし、現代日本はネジレが起きており、「商」に該当するメガバンクなどが憧れ職業となっている。

今後AIが代替していく機能は、まさに「商」に該当するホワイトカラー領域。個の時代になるにつれて、多動力を発揮し、様々な価値生産ができる百姓的な人材が活躍するとのこと。

それはつまり兼業が当たり前になり、仕事とプライベートの区別がなくなるということ。いかにストレスなく、価値生産を伴う生き方をできるかがキモ。現代日本人が身につけるべきはストレスマネジメント。

※本著内での捉え方
士:政策決定者・学者など・産業創造者など
農:生業が100個ある「百姓」。マルチクリエイター →生産者
工:クラフトマンシップを追求する職人 →生産者
商:企業のホワイトカラー。 →流通者


○求められる"ポートフォリオマネジメント"と"金融的投資能力"

百姓として生きるということは、職業を複数持つということ。となると、どの仕事をコストセンターとするか、プロフィットセンターにするか?というセルフマネジメントが必要になる。

反対に、近代日本で重要視される"タイムマネジメント"は退廃。これにより、働き方(生き方も内包)には個性が生まれていく。

加えて、「何に賭けるか」という先を読む力も必要。(金融的投資能力)
時代を理解し、次に勝ち得ておくスキル・能力を見定めていくイメージ。

これを推進するためには、まず何かの専門性を習得しそこから他分野のトップレベルに会いにいくことで、視野を広げるべき。


○デジタルネイチャーの発展

デジタルネイチャーとは、物質とデータや映像との区別がなくなり、計算機の存在も含めて自然であると再解釈された状態のこと。

人間と機械の融合を考えると、そこに健常者と障碍者という隔たりがなくなる。視力低下をメガネで補うようなイメージ。真にダイバーシティを推進するためのキーワード。

当然のように情報や技術がオープンになる時代がくる。反対に「オンラインでない=何かやましい」という時代になるかもしれない。


↓出典元

※関係者の皆様へ
感銘を受けた作品だからこそ、より多くの方に読んでもらいたくnoteを記載させて頂きました。作成画像など、内容に問題がある場合は即刻掲載停止しますので、ご一報頂けますと幸いです。

この記事が参加している募集

いつもご覧頂きありがとうございます。今後ともよろしくお願いします!