【アフターデジタル】 -ほぼ1,000字感想文
○タイトル:アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る
○著者 :藤井 保文、尾原 和啓
○発行 :日経BP (2019/3/23)
■ざっくり要約
「オフラインは存在しなくなる。」
多くの日系企業はデジタル社会への最適化を、オフラインのオンライン化として受け止めている。この考え方が逆なのではという警鐘。全てのものがオンライン上のデータとして格納される世界では、もはやオフラインはオンラインに従するというのが、「アフターデジタル」の考え方。
アリババ・テンセントに代表される中国市場では既に、現実のものになっているとのこと。これらの実例を基軸にこれからのビジネスをどのように設計すべきか。ヒントが詰まった一冊である。
■学びポイント
○モバイル決済は全ての購買をデータ化する
中国社会を大きく変えたものの一つが「モバイル決済。」急速にキャッシュレス化した中国では、もはや現金が使えないことも。神社のお賽銭、ホームレスの物乞いまでもがQRコード化している状態だそう。
日本社会に照らし合わせると、少額決済ほど依然として現金中心になっている。しかし、このような少額かつ高頻度な購買がデータ化できるということは、その顧客の特性を理解に直結する。
「アフターデジタル」の世界においては、このようなオフライン行動がオンラインデータ化されるポイントを抑えたプラットフォーマーが圧倒的な力を持つ。
(次点にUberのような"移動"データについても本著では詳細に言及されている)
○アフターデジタルにおける成功の秘訣は「OMO」
OMO(Online-Merge-Offline)とは、オンラインとオフラインが融合し一体のものとして捉えた上で、これをオンラインにおける戦い方や競争原理として捉える考え方。
つまり、従来のオフラインの事象をいかにオンライン化していくか?という思考は既に時代遅れ。そもそもこの垣根がない前提でビジネスを設計すべきとのことである。
結果として、顧客はオンライン/オフラインという縛りを気にせずに、その時その時に最も使いやすいチャネルを選択できるようになる。このような状況が真にユーザー起点だと言えるのかもしれない。
○「リアルチャネル」はより貴重な接点に
アフターデジタルにおいて、リアルチャネルは『密にコミュニケーションを取れる貴重な接点』という位置付けになる。具体事例として紹介されているのが、上海の新名所とも言われるスターバックスの旗艦店「リザーブ ロースタリー 上海店」。
既に、ほぼ全ての商品がオンライン上で注文できる時代となった今、顧客はわざわざ外に出ない。リアル店舗に行く価値がそもそも低下している。
上記リザーブ ロースタリーはユーザー体験を刺激する空間にしつつ、写真だけでは伝わらない魅力が仕込んである。この仕掛けが、インスタを見た人が実際に店舗を訪れたくなる動機付けになっている。
ソーシャルの時代は人に教えたくなるような圧倒的な体験が"貨幣"になる。
↓出典元
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感銘を受けた作品だからこそ、より多くの方に読んでもらいたくnoteを記載させて頂きました。作成画像など、内容に問題がある場合は即刻掲載停止しますので、ご一報頂けますと幸いです。
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