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【検証】なぜレジ袋と猫を見間違えるのか

「猫かと思って近づいたらレジ袋だった」

こういった経験をしたことはないだろうか。

私がはじめて見間違えたのは中学生の時だ。
これを爆笑おもしろエピソードとして友人に披露したことを覚えている。
後に、猫好きや目の悪い人にとってのあるあるだと知って恥ずかしくなったことも覚えている。

この「猫かと思ったらレジ袋だった」があるあるということは、多くの人がレジ袋と猫を見間違えているということだ。

では、なぜレジ袋が猫に見えてしまうのだろうか。

私はレジ袋が猫に見える条件を調べることにした。




<検証方法>

まずは、調査する条件を5つ提示しよう。


条件① 時間帯

見間違いやすい時間帯はいつか。
しかし、これは検証しなくても夜だということが明白だ。
明るい昼よりも暗い夜の方が見間違えてしまう可能性は高い。
よって、時間帯はの方が良いと仮定して検証を進める。


条件② レジ袋の種類・サイズ

どのような種類のレジ袋がよいのか。

私が用意したレジ袋は8つ。

コンビニのレジ袋

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(左から セブンイレブン小・中・ファミマ小・ローソン小)


無地のレジ袋

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(左から 大・小・中)


お弁当用レジ袋

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(ファミマお弁当用レジ袋小)

セブンイレブンは小・中・大・特大と4種類あったが、ローソンとファミマは小・大の2種類しかなかった。
私の地元だけの取り組みかもしれないが、エコ活動の一環のようだ。
大サイズは明らかに大きいので、今回は小・中サイズのみを検証する。


検証前の段階で一番有力だと考えられるのは、真っ白の無地のものだ。
コンビニのレジ袋は色付きの文字が入っているため、どうしてもレジ袋要素が強い。
「無地のレジ袋で決定だ」と考えるかもしれないが、もう一度ローソンのレジ袋を見ていただきたい。

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セブンイレブンとファミマの文字が緑色であることに対して、ローソンの文字は青色。


ローソンの青色の文字が猫の青目に見える可能性があるのではないか?


一度、疑問が出てきてしまえば検証前に決定することはできない。

また、お弁当用袋は茶色いことから茶色の猫と見間違える可能性が高いはずだ。もしかすると、白いレジ袋よりも猫に見えるかもしれない。

猫に見間違える可能性が高いレジ袋を、

・無地のレジ袋小
・無地のレジ袋中
・ローソンのレジ袋小
・ファミマのお弁当用レジ袋小


の4つに絞り、検証を進めていくことにする。


条件③ レジ袋の状態

レジ袋がどういった状態の方がよいのか。

・口が開いていた方がよいか、閉められている方がよいか
・風が吹いて動きがあった方がよいか

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(左から 口が開いている状態・閉められている状態)

この2点を検証していく。
その他にも検証中に発見があれば追加していく。


条件④ 場所

どこにレジ袋があると見間違いやすいか。
これは野良猫がいそうな場所はどこか、ということに言い換えられる。
まず、私が野良猫をよく見るであろう場所をリストアップする。

・電柱の陰
・草むら
・路地裏
・室外機の上
・駐車場
・塀の上


以上の場所が考えられる。
場所によって見間違えやすくなるのかを検証する。




条件⑤距離

レジ袋とどれくらい離れている時に猫に見えてしまうか。
実際にメジャーで計測し、レジ袋を猫と見間違える距離を検証する。

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条件①~⑤を順に検証していく。
その時点で決定できないものは、できるだけ絞り込む。
そして全ての条件を決定or絞り込んだ後に、最もレジ袋が猫に見える条件を導き出す。
以上の方法で、検証を開始する。




<検証開始>


条件② レジ袋の種類・サイズ

まずは、レジ袋の種類・サイズを絞り込む。
・無地のレジ袋小
・無地のレジ袋中
・ローソンのレジ袋小
・お弁当用レジ袋小
これらを順に検証していく。


まず、無地のレジ袋小・中の写真を見ていただきたい。

・無地のレジ袋小

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・無地のレジ袋中

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御覧の通り、違いが全く分からない
「どっちが小でどっちが中でしょう!」
と言われても、撮影者の私ですら答えることはできないだろう。
そもそも、そこまで大きさに差異がないことから、この二つの絞り込みはどちらでもいいということが分かった。
どちらかといえば、風で飛ばされにくいであろう無地のレジ袋中採用することにする。




続いて、ローソンのレジ袋小だ。
ローソンの青色の文字が猫の青目に見える可能性があるのではないか?
という疑問を検証していこう。
撮影した写真がこちらだ。

・ローソンのレジ袋小

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全く青い目に見えない、以上。
疑問を持った数日前の自分が少し心配になった。


最後に、お弁当用レジ袋小である。
撮影した写真がこちらだ。

・ファミマのお弁当用レジ袋小

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なんとなく猫に見えないだろうか?
少し遠くから離れて撮影したものがこちら。

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・・・・・・見える。
これが街中にあったら、私ならきっと猫と見間違えてしまう。
疑う余地もなく、お弁当用レジ袋小採用だ。



よって、条件② レジ袋の種類・サイズ

・無地のレジ袋中

・お弁当用レジ袋小

の2つに絞り込み、検証を進める。



条件③ レジ袋の状態

次に、レジ袋の状態を検証する。

まず、口が開いていた方がよいか、閉められている方がよいかを決定する。
早速、検証に移る。

・開いている無地のレジ袋中

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・閉められている無地のレジ袋中

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・開いているお弁当用レジ袋小

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・閉められているお弁当用レジ袋小

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こちらもそこまでの差異がないように感じる。

しかし、口が開いている方には一つ問題がある。
口が開いている方は丸みを保つことができない。
丸みがなく、ぺったんこのレジ袋はただのレジ袋にしか見えないのだ。
もちろん、口が開いていれば色々な形になるため、奇跡的に猫の形になるかもしれない。
とはいえ、平均的に考えると口が閉められている丸みを帯びた形状の方が猫に見間違えてしまうだろう。
よって、口が閉められている状態の方を採用する。

次に、風が吹いて動きがあった方がよいかを検証する。
この日は無風だったので、うちわであおぎ、揺れを動画に収めて確認することにした。

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(深夜の住宅街にて、レジ袋をうちわであおぐ成人男性の図)

改めて気付いたことはレジ袋は軽いということである。

私がうちわでそよ風を送る程度であれば、動きが出て生命の息吹を感じられるかもしれない。
しかし、少し風を強くしようものならレジ袋は飛んでいってしまう。
ふわふわ浮く姿は決して猫には見えない。

レジ袋にゴミなどが入れられており、風で飛ばない程度の重量があるのならば、風はあった方がよい。
しかし、今回はレジ袋単体としての検証なので、中にゴミがあるという条件は視野に入れない。
よって、風が必要かどうかは無風 or そよ風が好ましいという結論に至る。


つまり、条件③ レジ袋の状態は、

・口が閉められている状態
・無風 or そよ風が吹いている

が良いということが分かった。



条件④ 場所

検証も終盤にさしかかる。
どの場所が見間違えやすいかを検証する。
・電柱の陰
・草むら
・路地裏
・室外機の上
・駐車場
・塀の上

片っ端から検証していこう。


撮影した写真を全て見てもらうのは面倒だと思われるので結論から言う。

もっとも、見間違えやすい場所は草むらだった。

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私は、見間違えやすい場所の特徴として、
①レジ袋の全体が見えない(隠れている)場所
②レジ袋が存在しなさそうな場所

という2つが重要であることが分かった。

そして、②の何倍も①の特徴が大事である。

これは塀の上においた時のものだ。

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塀の上にレジ袋が存在することは少ないので、②の特徴は満たしている。
しかし、レジ袋全体が見えてしまっているため猫には見えない。
猫がいそうな場所よりも、レジ袋だと思えない場所が大事だということがこの日の検証では新たに分かった。

よって、条件④ 場所草むらに決定した。



条件⑤ 距離

いよいよ最後の条件の検証だ。
先ほどの草むらで検証する。

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私の視力はコンタクトをつけて視力検査Aだ。(1.0以上)
この条件は写真では伝わりづらいため、結果のみの報告となる。

もっとも猫に見える距離は5m~8mである。

最低でも4m離れなければ、猫には見えない。
そして8mを超えると、「なにかあるな」程度にしか見えない。

よって、条件⑤ 距離5m~8mに決定する。



検証結果

以上で、すべての条件の検証を終えた。
こちらが検証結果であり、もっともレジ袋が猫に見える条件である。

条件① 時間帯
⇒ 夜

条件② レジ袋の種類・サイズ
⇒ 無地のレジ袋中 or 弁当用レジ袋中

条件③ レジ袋の状態      
⇒ 口が閉められている状態
  無風 or そよ風が吹いている

条件④ 場所
⇒ 草むら

条件⑤ 距離
⇒ 5m~8m




考察

この検証で強く感じたことは、レジ袋が猫に見える条件というのは観測者に強く依存するということだ。
検証結果を出したものの、人によっては真逆の結果が出る可能性がある。
条件②レジ袋の種類を1つに決定することができなかったのも、白い猫と茶色い猫のどっちが見間違えやすいかは人によるからだ。

私の話をすれば、検証中は自分でレジ袋を置いているため、途中からどう頑張ってもレジ袋にしか見えず、中断せざるを得ない状況に何度も陥った。
幾度も日を改める必要があったので、検証は困難を極めた。

レジ袋を猫と見間違えてしまう背景には、思い込みの部分が強く関係する。
観測者が猫好きで普段からどこか野良猫を探してしまっている心理的要因。
そこに、疲れ・酔い・低視力などの視界が悪い身体的要因が重なると、さらに見間違えやすくなるだろう。

「なぜレジ袋と猫を見間違えてしまうか」という問いに対しては、
「観測者の思い込みと見間違えやすい環境(条件①~⑤)が揃ったときに、レジ袋と猫を見間違えてしまう」
という答えが今回の検証で明らかになった。




最後に

肉眼と画像では見え方が大きく異なるため、伝わりづらい部分が多々あったことを謝りたい。

よく見間違える人も見間違えたことのない人も、外でレジ袋を見つけたときは、この記事を思い出してくれると私はとてもうれしい。

もしかすると、これまでは気にしていなかった道に捨てられたレジ袋も、この記事を読んだせいで猫かと疑ってしまうかもしれない。

この記事を読んだことは思い込みに強く作用するはずだ。

あなたの前方にあるのはレジ袋ですか?それとも猫ですか?

それでは。

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