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伊勢和紙で写真印刷を楽しもう
伝統は今を生きる vol.12
こんにちは。フォトグラファーのたかつです。
突然ですが、みなさんは「和紙」って使ったことがありますか?
手紙をしたためる際の便箋以外で和紙を普段使いしている方は少ないかと思いますが、実は東海地方には「美濃和紙」「山中和紙」「小原和紙」「三河森下紙」「伊勢和紙」「深野和紙」とさまざまな和紙の産地があります。
今回は、その中の「伊勢和紙」を生活に取り入れてみます。三重県伊勢市に古くから伝わる由緒正しい和紙です。
伊勢和紙との出会い
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僕が伊勢和紙と出会ったのは2016年。当時自分の会社を興してまもなくのタイミングで、東海地方の伝統産業中心に撮影を行なっていた際に伊勢和紙のことを知りました。撮影の実績づくりをしていた僕は、伊勢和紙の製造を行なっていた「大豐和紙工業(三重県伊勢市)」さんにコンタクトをとり、動画撮影の機会を頂戴しました。大豐和紙工業さんには当時実績も経験も少なかった自分を温かく受け入れていただき、今でも感謝しています。
神宮御用達の和紙「伊勢和紙」
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伊勢和紙は100年以上にわたり「神宮御用紙」として、伊勢神宮はじめ各地の神宮・神社で御神札(おふだ)やお守りなどに使用されています。御用紙に相応しい、原料にこだわった丁寧な製造工程が特徴で、風合い豊かな質感や手触りが魅力です。1994年には「伊勢紙」として三重県指定伝統工芸品にも認定されました。
伊勢和紙を使った写真印刷にトライ
ここまで読むと敷居が高いものに思えてしまうかもしれませんが、伊勢和紙は意外と身近なところでも使われています。伊勢の風土を生かした工芸紙や、インクジェットプリンター用の和紙にもなっており、クリエイティブの現場や生活の場でも使われているのです。
今回僕は、インクジェットプリンター用の伊勢和紙を使って写真印刷をしてみようと思います。選んだのは大豐和紙さんから発売されている「伊勢和紙Art雪色」という製品。ネットで気軽に購入できます。
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光に透かしてみましたが、本当に綺麗な色の和紙です。伊勢和紙ならではの優しい感じが滲み出ています。ちなみに紙には滑面と粗面の両面があって、どちらも印刷できるようです。今回は素朴であたたかみのある粗面に印刷をしてみます。
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まずは風景写真から試してみましょう。
和紙は普通紙より少し厚みがあるので少し心配でしたが、紙詰まりもなく問題なく刷り上がりました。
ちなみにプリンターは家庭用の一般的なものを使用しております。
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正直、和紙に印刷することで写真の印象がここまで変わるのかと驚きました。
とても優しい風合いになり、絵画のような趣さえ感じます。
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写真用光沢紙での印刷も艶感が出て良いのですが、蛍光灯の光を反射してしまうことが以前から気になっていました。伊勢和紙は、光の反射がなく味わい深くていい感じです。
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次に試すのは人物写真。
今度はモノクロ写真を印刷してみたいと思います。
モデルは何かと出たがりな僕です。
いかがでしょうか?
和紙に印刷することで、何だか凄い人のように見えるような気がします(笑)
和紙ならではの「特別感」が出るので、お子さまの入学式や家族写真など、記念写真をプリントする際に使っても良いのではないでしょうか。
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次に、ちょっと変わったカメラを使って実験してみました。
この写真は、FUJIFILMのデジタルカメラにレンズ付きフィルムカメラ「写ルンです」のレンズを装着した特殊なカメラでスナップ撮影をしたものです。
伊勢和紙に印刷することで、何とも形容しがたい優しい風合いが出ました。このように、いろんなカメラと和紙の組み合わせを考えるのも楽しいですね。
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いろいろ試しておすすめだったのは、やはり人物写真。とくに粗面で印刷すると細かい凹凸が写真に奥行きを与えてくれるので、肌や衣服の質感を感じさせてくれる効果が和紙にはあると思いました。
暮らしの中に、和紙の優しい風合いを
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伊勢和紙に印刷した写真は、せっかくなので、少々こだわって額装してみることに。フレームはシンプルなモノトーンのデザインをチョイスしました。
写真も心なしか嬉しそうです。
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今回は伊勢和紙を印刷用途で活用しましたが、「和紙」はさまざまな暮らしのアイテムになって暮らしに溶け込もうとしています。照明カバー、財布、名刺入れ、アクセサリー、ブックカバーなどなど…こんなものもあるの?というぐらい、世の中には和紙を使った製品がたくさんあるのです。ご自身のライフスタイルに合わせて和紙のアイテムを暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。
そして最後に以前iPhoneで撮影した写真も印刷してみました。
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伊勢和紙を使って写真印刷を楽しんでいたら、また伊勢に遊びに行きたくなってきてしまいました。
機会があればまた取材にも訪れたいですね。
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