「下諏訪おごっそレシピ」第1回レポート(レシピ付き)
5月29日に、御田町文化研究会によるイベント「下諏訪おごっそレシピ」が開催されました。今回はそのワークショップの様子をお届けします。レポートの最後にレシピのリンクもありますので、是非ご覧いただき、お家でのお料理に活かしていただけたらと思います。
下諏訪おごっそレシピとは?
下諏訪おごっそレシピは御田研の取り組みテーマの一つである「食」のイベントで、「地域の味」を世代を超えて引き継いでいくことを目的としたワークショップです。
毎回地域の食材などのテーマを決めて、「下諏訪町及び御田町で昔から振舞われてきた料理」と「現代の料理」を、若い世代と先輩世代が教え学び合う内容です。それぞれのレシピは地域で飲食業を営む料理人や地元のお母さんたちによりご提供いただいています。
第1回のテーマは「寒天(かんてん)」
今回は地域の食材であり、お祭りの際のもてなし料理にも欠かせない「寒天」をテーマに、
「みたまちおかみさん会」のお母さんたちから「くるみの天よせ」と「黒糖と生クリームの天よせ」
オドリバデリさんから「寒天のブランマンジェ」
のレシピをご提供いただき、参加者の皆さんで調理を行いました。
寒天とは?
寒天は諏訪エリアの特産品の一つで、原材料であるテングサ等の海藻を煮出した液を固め、「乾燥」と「凍み(しみ)」を繰り返すことで製造される食材です。特定の気候条件(湿度が低い/晴天率が高い/寒暖差が大きい)や土地の条件(綺麗な水が大量に手に入る)を必要とすることから、日本の中でもかなり限られたエリアでしか生産されていません。
カロリー0でダイエット食としても注目されている寒天は、下諏訪エリアでは古くから、天よせやゼリー等デザートの他にもサラダやお味噌汁など料理にも多く使われています。
おもてなし精神に溢れるお母さんたち
準備を開始するや否や、お母さんたちのバッグからは天よせには使いそうもない食材や、すでに出来上がっているお料理がたくさん出てきます。
「しょっぱいものがあった方が良いかなと思って」
「家でよく作るメニューも作ってきたの」
そんなサービス精神で溢れるお母さんたちからは、天よせの他にも「塩マルイカと寒天の和物」「ソーダ寒天」などもご提供いただき、試食の時間にはテーブルに色とりどりのメニューが並んでいました。
聞けば下諏訪には御柱の際に振る舞う「御柱めし」など家庭料理でお客さんをおもてなしする機会や、家庭料理を持ち寄った地域の会合の機会があったりと、家庭料理を人に振る舞う機会がたくさんあったのだとか。
そうした機会の中で「流行りのメニュー」が生まれたりすることもあったようで、なんとなーく地域に根付いていったレシピもあったようです。
御柱とは?
7年に一度、寅と申の年に執り行われる諏訪大社の神事。正式名称は「式年造営御柱大祭。「御柱」と呼ばれる樅の大木を山から曳き、境内に建てる一連の神事のことを言います。
お母さんたちは調理中も終始「適当でいいのよ、適当で」と話してくださっていて、下諏訪にあるのは「郷土料理」というより「地域の家庭料理」なんだなと実感。
会の最後には
「美味しいものを食べるのってね、うーんと大切なことだと思うの」
とお話になられていて、家庭料理の持つ温かさに触れることができました。
参加者の皆様からの声
「お菓子からおかずまで、寒天のバリエーションの広さに驚きました。簡単なので家でも早速作ってみようと思います」
「下諏訪町で、小さな飲食店をしています。寒天とサイダーを合わせた飲み物など、これから夏に向けてお店のメニューに活かせそうなアイデアが湧きました」
と言った声が。
おかみさんたちからは、
「昔のことに興味を持ってくれることの喜びはもちろんですが、みんなで食べることは幸せなことだなと、改めて思う機会になりました。次回のレシピを今から考えるのが楽しみです。なんせ伝えたいものはたくさんあるんですよ。」と笑顔で話してくださいました。
「下諏訪おごっそレシピ」は次回は7月下旬に開催予定です。
ご興味のある方はぜひ次回ご参加ください。
寒天レシピ公開!
今回のおごっそレシピにご提供いただいた寒天のレシピをこちらに公開させていただきます。お家のお料理の参考に、ぜひご活用ください。
①くるみの天よせ
【材料】 棒寒天2本分
・くるみ:160g
・ざらめ:300g
・水:1000ml※
・棒寒天:2本
・型に使うゼリー型やタッパー(なんでもOK)
※1本400mlの割合だと硬めに仕上がる
【作り方 】
(1)胡桃を細かく刻む
(2)棒寒天はちぎって、洗い、 しっかりと絞る。
(3)鍋に水と棒寒天を入れて、 ヘラでかき混ぜながら、 ゆっくりと弱火で溶かす。 完全に溶けたら、 ざらめを全て入れ、溶けるまで混ぜる。
(4)ザルでこしながら、 3をタッパー容器に注ぐ。
(5)熱いうちに、 胡桃を寒天の上にかける。 そのまま冷蔵庫に入れて固まれば完成!
②黒糖と生クリームの天よせ
【材料】棒寒天3本分
・生クリーム:200ml 脂肪分が高いものがおすすめ !
・黒糖:300g
・水:1500ml ※1本400mlだと硬めに仕上がる
・型に使うゼリー型やタッパー(なんでもOK)
【作り方】
(1)棒寒天はちぎって、 洗い、 しっかりと絞る。
(2)鍋に水と棒寒天を入れて、 ヘラでかき混ぜながら、 ゆっくりと弱火で溶かす。 完全に溶けたら、 黒糖を全て入れる。
(3)ザルでこしながら、 ざらめが溶けた寒天をタッパー容器に注ぐ。
(4)熱いうちに、 生クリームを寒天の上にかける。
(5)乳脂肪分が固まらないように優しく生クリームだけを数回混ぜる。 黒糖部分と混ざっても、 置いておけば自然と分離するのでOK。 そのまま冷蔵庫に入れて固まれば完成です。
(おまけ)おかずのレシピ|塩マルイカ胡瓜
お母さんたちのおもてなし精神でご提供いただいた「塩マルイカ胡瓜」のレシピもご紹介します。お母さん曰く「野生的な料理」なんだとか・・・!
【材料】
・塩マルイカ:1パック
・胡瓜:1本
・糸寒天:適量
【作り方】
(1)塩マルイカの足、 耳、 剣先の骨を抜き、 をしっかりと洗う。
(2)きゅうりをイカのお腹に詰める。(ここが野生的!)
(3)きゅうりの入ったイカを輪切りにする。
文:御田町文化研究会 猪股
写真・編集:御田町文化研究会 坂本