映画『怒り』 映画評論
この作品は、千葉、東京、沖縄の三つの場面がそれぞれ独立して描かれる群像劇である。それぞれの地に、一年前に八王子で起きた夫婦惨殺事件の犯人と顔が似ている男[千葉・田代(松山ケンイチ)、東京・直人(綾野剛)、沖縄・田中、犯人・山神(森山未來)]がいる。その人を犯人だと疑うのか、それともこの人は違うと信じるのか。人を信じることの難しさや脆さにスポットライトを当てた作品である。
冒頭の何秒かで、一気に感情が揺さぶられた。夜の住宅街が上から映され、徐々に下に降りていく。そして、その中の