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【制作日記⑥】zineがカタチになるまで

改めまして、zine発売となりました。

説明するのは難しいんですが、初めてzineを作ったわりに、あまりハードルを感じていなかったというか、できるでしょーという謎の自信がありました。

だから、こんなにおめでとうと言ってもらえると思っておらず…
お、おう!みたいな返事しかできていないのが歯痒く勿体無いなと感じています。



さてこちらの記事では、zineをつくってみたい、つくっているという方へ向けて書きました。お守りになればいいなーなんて贅沢なことを考えながら。

zine制作の大まかな流れ(わたしの場合)

①zineの規格を決める
②撮影・セレクト・現像
③テーマを探す
④編集する

①の話:zineの規格を決める

前提条件(規格:A5サイズ16ページ 内容:写真とテキスト)

  • 写真・テキストは自分で用意

  • Adobe Illustrator、Adobe Photoshop、Adobe Lightroomを使用

  • Aiデータで入稿

  • 印刷会社へ発注経験あり

  • 自費出版ではなくプロジェクトの一環として発行


多くの場合、zineは自費出版になります。どこまでお金をかけることができるか。まずは考えてみましょう。

そして費用感にあわせて取捨選択をします。
紙は?ページ数は?カラーは?製本方法は?など。

わたしの場合、販路が2パターンあり。
オンラインストア、そして(株)大潟村同友会さんで商品注文の際に同梱してもらっています。

同友会さんから特にご指示はありませんでしたが、商品と同梱となるので、ページ数・大きさにある程度の制約を設けました。(厚い・大きいなどの理由で発送する際の段ボールのサイズが変わると迷惑かなと思ったりした)

どんな形で、どんな経路で、ひとの手に渡るのか想像してみると
絶対に譲れないところが見つかるかもしれませんね。

タイトルのetenだけ早々に決まりました
タイトルのフォントイメージのメモ


自費出版のよいところで、どこまでもこだわることができます。
その一方で自分で締切を設けないと、なかなかカタチになりません。

なので①〜④のステップで書きましたが、
実際には「⓪締切を設ける」ことをおすすめします。

配布時期は?
そのためにいつまでに手元に欲しいか、
出荷日はいつか、
入稿は?
時期によっては、運送遅延なども考えられるので予備日…

などなどを踏まえスケジュールを組みます。

(今だから書きますが、印刷会社から自宅まで発送の段階で、運送トラックが事故渋滞に巻き込まれ、到着が1日遅れました。予備日として2日余裕をもたせていたのでセーフ。届くまでめちゃくちゃ焦った。)


②の話:撮影・セレクト・現像

いきなり撮影と書きましたが、実際は事前にどんなカットが必要かイメージしています。

撮影中に「こんな作業をしている、じゃあどんなアングルがいいか」など考えながらだと、その場のタスクが多すぎて混乱するからです。あらかじめ頭の中にイメージがあれば、スムーズに撮影できるし、自分が「あっ」と思った瞬間に反応できるような気がします。

そして、もし被写体がいらっしゃるのであれば、こんなカットで撮りたいですというサンプル写真を共有しましょう。できる、できない、やる、やらないの確認も事前にできるので。

そして撮影と制作が同時進行の場合、抜け漏れがないように常に確認しましょう。

例えば稲刈りの時期になって、よし田んぼの写真を撮ろう!と思うと、そのシーズンで撮影できる内容がかなり絞られますよね。田植えとなったら翌年まで持ち越しです。


コンタクトシートとしてプリントして、
紙にしたときの雰囲気を確認し再度セレクトしました。

セレクト1回目:1撮影ごとに画像として使えるカットを選ぶ
セレクト2回目:テーマに即したカットを選ぶ
セレクト3回目:実際に配置しバランスを見て入れ替え

セレクト1回目で200枚強になったものが、表紙含め最終的に25枚程度になりました。

コンタクトシートを切って、A4コピー用紙に貼っています
無しになったらしい

ページ数も相まって鬼のセレクトをしてしまったので、別で写真集を作りたいなと思っています。ちなみに10月から画策していますが無事に年を跨ぎます。(締め切りを自分に設けないとこうなります。)


③の話:テーマを探す

今思うとテーマを探すというより、ルールを定めたような気がします。
撮影内容的には、農家さんの1年を追ったものですが、ただ作業的な内容で終わるのではなくて、そこから秋田にあるものは何かを一緒に探したいという気持ちでまとめました。
風景の裏側にはいつも人の姿があるよね、そして人がいるのに秋田には何もないと言い切ってしまうのは早計ではと。

zineにあまりテキストは載せたくないなと思いつつ、想いは書き出す


また、日本では「日常と非日常」を「ハレとケ」といいます。

何度も足を運ぶ中で、よく見る田んぼの風景、米作りは細分化すると知らないことばかりだと気付きます。そして農家さんにとって当たり前の作業も、非農家のわたしにとっては非日常的なことでした。

ハレになる機会って受け取り方次第で、
たぶんテーマはあちこちに転がっています。あなたの身近にも。

ただそれに興味を持って、好きになる。
なんで好きなのか、それがテーマになるのかもしれません。

④の話:編集する

画像やテキストの配置は自由です。
zineを作りたい!と思ったきっかけになった媒体を確認してみましょう。

どんなレイアウトで配置しているでしょうか。
好きな雑誌を参考にしてみてもいいかもしれません。

実際のサイズで何度か印刷してみましょう。
かなり印象が変わってきます。pcで見て、おーいい感じ!印刷印刷!うーん…みたいなことを永遠と繰り返します。

写真のレイアウト、サイズ感を迷っている
何回も印刷して確認した


初めてzineを作ってみて

企画をいただいたのが2022年の11月くらい?で
わたしは密着取材の撮影係のような立ち位置でした。

結果としては、なんとなくわたしだけが恩恵を受けているような感覚がありまして。

企画を考えてくれたのは仁さん(webメディア「食と、東北と、」編集長、企画発案)なので、例えば仁さんのお知り合いの方がzineを購入してくれるとか、SNSで発信してくれるとか…

実際にカタチにしたのはわたしですが、関わってくださった皆様にも肌で感じられるように進められたらよかったなーというのが反省点です。

とはいえ、zine作成に関わった仁さんや慎太郎さん、同友会の皆様だけでなくSNS等で活動を約半年見守ってくださった多くの方が
おめでとうーと言ってくださったことで、何かを成し遂げたんだなと感じることができてました。
改めまして御礼申し上げます。

自己完結だと、きっと、こうはならなかったと思うので、
作品は誰かの手に渡ってはじめて完成したと実感できるのかもしれません。

無料で作品を見られる時代になりましたが、
お金を払って、自分の作品を見てもらうという経験はして損はないです。

2023年の終わりにこちらの記事をバタバタと書いておりますが、
2024年どなたかの制作の一助となりましたら幸いです。

どうぞよいお年をお迎えください。

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三嶋明歩_photo en
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