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僕の好きなアジア映画66: キル・ボクスン

『キル・ボクスン』
2023年/韓国/原題:길복순(英:Kill Boksoon)/137分
監督:ピョン・ソンヒョン(변성현)
出演:チョン・ドヨン(전도연)、ソル・ギョング(설경구)、イ・ソム(이솜)、ク・ギョファン(구교환)、キム・シア(김시아;)、ファン・ジョンミン(황 정민)、イ・ヨン(이영)、イ・ジェウク(이재욱)


チョン・ドヨンは第60回カンヌ国際映画祭の女優賞(シークレット・サンシャイン)を始め、鐘賞、青龍映画賞、百想芸術大賞、大韓民国映画大賞などなど数多くの賞に輝く韓国を代表する大女優。多くの映画やドラマに出演し、その演技力は僕なんかが評価するなんて恐れ多い、そんなレベルの女優さんです。そんなチョン・ドヨン、出てくるだけで期待をしてしまうので、先日Netflixで配信されたドラマ『イルタ・スキャンダル(2023年)』は正直言って物足りない、視聴率は良かったそうですが彼女の魅力を引き出せていないと僕は感じました。

ドラマ『イルタ・スキャンダル』のチョン・ドヨン。スタイリストのセンスもひどい。

しかしその期待外れをすっきり覆してくれたのがこの『キル・ボクスン』。主人公は反抗期の娘に苦労するシングルマザーですが、裏の顔は伝説的凄腕の殺し屋という設定。

冒頭このスタイルでファン・ジョンミン扮する神戸のヤクザの親分との死闘。

こうこなくっちゃ。チョン・ドヨンは普通の役じゃつまらない。もちろん殺し屋「キル・ボクスン」という設定ですから血まみれのアクションシーンが続きます。その部分と家庭での母親としての葛藤との対比が物語を面白くしています。

脇を固める役者も曲者を揃えています。ますは殺し屋の会社のトップに名優ソル・ギョング。

ソル・ギョング。流石の迫力。

キル・ボクスンと対立する会社の理事にイ・ソム。彼女の目の強さが悪い役柄にハマっています。

目つきは強烈だがかっこいいぞ。さすがモデルでもあるイ・ソム。

そして後輩の殺し屋に、もう最近超売れっ子のク・ギョファン。『D.P.』や『なまず』など、最近の曲者ぶりは今作でも十分発揮されています。

ク・ギョファンもほんと売れっ子です。

ネタバレになりますが最終的に代表と戦わざるを得なくなる展開に。

監督は注目のピョン・ソンヒョン。その他にも個性的で一癖ある役者をずらりと揃えて、凄まじい迫力のヴァイオレンス・アクションが展開されます。ブラックな笑いも散りばめながら、スタイリッシュな映像とスリリングなプロットはさすが今注目を集める監督たる所以でしょう。最後まで飽きさせず、目が離せないアクション映画でもあり、「殺しより子育ての方が何倍も難しい」という家族の映画でもあります。これ、面白かったです。

Netflixで独占配信中。
第73回ベルリン国際映画祭スペシャル部門公式招待作


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