僕の好きなアジア映画73: サニー 永遠の仲間たち
『サニー 永遠の仲間たち』
2011年/韓国/原題:써니/124分
監督:カン・ヒョンチョル(강형철)
出演:ユ・ホジョン(유호정)、シム・ウンギョン(심은경)、カン・ソラ(강소라)、コ・スヒ(고수희)、キム・ミニョン(김민영)、ホン・ジニ(홍진희)、パク・ジンジュ(박진주)、イ・ヨンギョン(이연경)、ナム・ボラ(남보라)、チン・ヒギョン(진희경)、チョン・ウヒ(천우희)
この映画は以前から人気があって、気にはなっていたのですが、物語の設定や、笑いと涙のっていう口コミがちょっとありきたりかなって思い、ずっと観ていませんでした。しかし今回アマプラで観たい作品を探していて、ついに観ることを決心しました。いざ観てみるともちろん大筋はそういう映画なのですが、久々にがっつり笑えて、しっかり涙腺を決壊させる良作でした。
高校時代の仲間っていうのは僕も個人的にそうだけど、一番忘れられませんよね。子供から大人への過渡期の一番楽しい時代に多くの時間を共有しているのですから。本作の主人公たちは高校時代「サニー」という7名のグループを作っていて、遊んで、踊って、喧嘩した仲間なのです。
とは言いつつ高校を卒業してから全く会っていなかったのですが、25年ぶりに会った仲間の一人が癌の末期であることがわかり、彼女の願いもあり当時のメンバーを主人公が中心になって探すことに。
その経過で当時の思い出が実に鮮やかに描かれていきます。韓国のその時代(1986年)の空気や風俗が濃密に感じられたし、僕の大好きなカン・ソラさんも出ています。
悪評高い全斗煥の軍事独裁政権の中、政権に対する民主化デモとそれを鎮圧しようとする警察・軍部との衝突の中で繰り広げられる、彼女たちとライバルグループとのアホな乱闘シーンは圧巻にして大爆笑。
さらに本作では「演技派」として名高いシム・ウンギョンの「霊が憑依したふり」をする演技と、同じく演技派といえばこの人チョン・ウヒのシンナー中毒役の熱演(怪演?)が肝です。こいつらほんと凄い。
映画として爆発的なエネルギーがあります。濃厚な友情の中で、メンバーを探していく中に彼女たち一人一人の生き様も見えて、それはまた彼女たちのこれからの人生の糧にもなっていきます。爆笑しながらも最後は涙腺が決壊。亡くなった仲間の遺産相続の話はまあ調子いいと言えばあまりに調子いいのですが、こういう調子良さもこの映画にはむしろ相応しい。
この映画、僕が普段見るタイプの映画ではないけど、とても楽しめました。
エンディングはBobby Hebb作曲の大ヒット曲”Sunny"。数多くのカバーがありますが、本作ではBonny Mによるディスコ・ヴァージョン。
第48回大鐘賞監督賞/女性人気賞(カン・ソラ)、第20回釜日映画賞新人女子演技賞(カン・ソラ)