梟文庫とちいさなとびら、青空図書館します
今度の週末は、「あそばな秋まへん」。
梟文庫もweb図書館「ちいさなとびら」さんとのコラボで、青空図書館を出店予定である。今回のnoteでは、そのテーマ選書をご紹介。
まずは「ちいさなとびら」さんが「子どもの権利」をテーマに選書してくださった絵本や本。写真はそのごくごく一部なので、また実際に様々な本を手にとってもらいたい。子どもの権利というテーマの中にも、「子どもの権利条約に関する本」「社会的養護」「多様な家族のありかた」「自分を大切にする」「生き方」「感情表現を助ける」などの幅広いテーマに沿ってそれぞれ選書して頂いている。
公教育が柔軟なありかたへ変化していかず、不登校児童・生徒がどんどん増えている状況の背景には、社会全体で「子どもの権利」への意識が極めて低いという大きな問題が横たわっているように感じている。子どもに関わる大人が「子どもの権利」に意識を向けて尊重し、保障すること、子どもたち自身が自らの権利を自覚して主張できること。それを手助けしてくれるような本と絵本のラインナップなので、多くの人に届いて欲しいと願っている。
そして去年も好評だった「性教育」をテーマにした選書。幼児期の小さな子どもさんに読み聞かせできる絵本から、中高生が手に取って読みやすいマンガ、大人が知識をアップデートするための本まで、こちらも対象年齢の幅広く選書している。去年性教育ワークショップをして頂いたアクロストンさんの本や教材、一部生理用品展示会で取り扱った生理用品(月経カップや吸収型サニタリーショーツ)なども展示予定である。
今オンラインふくろうぶんこで連続講座として開催している「こどもてつがくカフェ」。その関連書籍を講師の山森さんにご協力頂いて選書した。こちらは子ども自身が読むものというよりは、子どもが自分で考えるという営みをどうサポートするのか、おとなが考るための本である。
こちらは「こども哲学シリーズ」で、「自由ってなに?」など10のテーマでたくさんの問いがつまった絵本である。子どもたちといっしょに考える、その手がかりになってくれると思う。
最後は、精神障がいやこころの不調、発達障がいをかかえた親とその子どもを応援している「ぷるすあるは」さんが出している絵本シリーズをご紹介。親や家族がこころの病気や不調をかかえたときに、子どもがそのことを理解するための手助けをしてくれる絵本や、子どもの気持ちや感覚について描かれた絵本などがある。子どもたちを応援するぷるすあるはさんの活動についても、広く知って頂けたらと思っている。
デジタルツールが発展して、なかなか「もの」としての本を手に取らなくなっているし、「本を読む」というまとまった時間を取ることも難しくなってきている。本が好きな私もそれは同じで、小さくあいた時間に本を手に取るよりはtwitterの細切れ情報を読んでしまうし、「電子書籍だったら注文して届くまで待たずに、今すぐ読める」という誘惑に負けがちである。分厚い本は気分的に「よっこらしょ」って気合を入れないと読めなくなっているし、読みたい本リストは専用アプリ(私はビブリア愛用中)やLINEのひとりグループにたまり続けてそのまんまになっている。「積ん読」どころか、「読みたいと思った気持ちの情報」だけがデジタル空間に集合しているというなんともシュールな状態に。まがりなりにも図書館を運営していて「そりゃないよな。」と自分でも思うが、この超新しい状況の中で、本を含めた情報とどう付き合っていくのか、模索していくよりほかないと思っている。
電子書籍で「今すぐ、なんでも」読めちゃう時代だけれども、青空図書館では「へ~こんなテーマがあるんだ!」とか、「こんな本があるんだ!」という出会いが生まれるといいな。SNSの世界では自分好みの情報はこれでもか!って集まってくるけれど、その範疇にないものはするりとこぼれ落ちまくっていく。気づくと狭い世界の中で、にもかかわらず情報に溺れているなんてことになっていて、私自身も「なんだかなぁ」と思うことがよくある。意外にも本当の意味で「新しい出会い」をしにくくなっている中で、新しい出会いが生まれる場所が作れたら嬉しいなぁと思っている。ぜひぜひ、「あそばな秋まへん」でお会いしましょう!