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部活動を通して得たもの。


もうそれは10年以上も前のこと。

夏が来て暑くなると
私が高校時代全力を注いでいた
ダンスドリル部での青春時代を思い出す。
そんな時、そのOG LINEからある動画が送られてきた。


夏がくると思い出すあの日の青春を
その動画はさらに私の心を熱くさせた。


ダンスドリル部、略して"ダンドリ"。
私の高校でダンドリは
毎年全国大会に出場するほどの強豪校だった。
そして、今の暑い夏の時期がまさに
その全国大会に向け猛練習を繰り返す日々の真っ只中だ。


特にこの大会はダンドリがうちの高校でできた頃から
毎年3位入賞を果たしている常連高だったこともあり
毎日プレッシャーとの戦いだったことを今でも思い出す。


夏休みが始まるとその大会に向けすぐに夏合宿が始まった。

普通の公立高校だったため、
合宿はクーラーもない古い木造の校舎で行われた。

毎日うだる程の暑さ。
連日応援するためにやってくるOGの先輩方。

私はそんな先輩方が少し苦手でもあった。
嬉しいことなのだろうが
先輩に見られながら練習するあのただならぬ緊張感と
何か注意されてしまうのではないかという怖さ。
上手くやらなきゃと思う焦り。

そんなプレッシャーと暑さから倒れてしまう仲間も少なくなかったが、
そんな中でも必死にしがみつき泣きながら練習し続け、
根性根性、と気持ちを奮い立たせる。

気持ちがあればどんなことでもやり遂げられる
そんな精神論が嫌いでないのはこの部活での経験が
私をそうさせてるように感じる。


そんな部活で私が得たものはやはり、

一生の仲間を得られたこと。

高校卒業してから10年以上は経ったが
その部活仲間とは今でも繋がっているし
何か他のものとは比べられない特別な友情関係を感じている。

チームで1つの演技を作ることがダンドリの魅力でもあり難しさでもあったから、
当時は仲間とぶつかることもたくさんあった。


"仲良しグループ"だけでは勝つことはできない。
そう教えられていたしそう感じてもいたので、

あんたのそういうところがダメなんだ。
どうしてもっと練習しないの?
ここはもう少しこうするべきじゃん!

たくさん言い合ったし喧嘩もした。
最初は隣のあの子が何を考えてるのかさっぱり分からなかったけど、
そのぶつかり合いや沢山の練習を通して、
踊っているだけで隣の仲間の想いを感じ取れるようになった。

それを感じられた瞬間は言葉では言い表せない感動があった。


今社会人になって思う。

仲間と本気でぶつかり合うことはあっただろうか。


当たり障りのない会話でその場を凌いだり。
ぶつからないようにお互い距離感を取り合ったり。
そもそも合わないな、と思う人とは
なるべく関わらないようにしたり。

そんな風に生きてるように感じるから余計、
あの頃の自分たちは必死だった。
本当の強い仲間になりたくて
とにかく必死だったのだ。

後にも先にもあんなに人間らしく誰かとぶつかったことはないように思う。
早く強くなりたくて
自分を信じ仲間を信じ必死に頑張ったのだ。
お互い励まし合い
辛い時は一緒に泣き、嬉しい時はみんなで分かち合い
また次の目標に向かって全力で走る。共に走る。

そんな彼女達は私にとって

仲間でもあり"戦友"でもあった。

この関係は一生の宝物なのだ。


送られてきたあの動画だが、
明日行われる、
私たちが全力をかけて出場してきた全国大会の練習動画だった。


私はあの頃の私たちのことを思い出し、
それと同時に今踊っている後輩達へ想いを馳せた。


名前も顔も分からないまで遠い後輩になってしまったが、
先輩と私たちが繋げてきた熱い想いが繋がっていることに
私自身の胸も熱くなり自然と涙が溢れ出た。


全力で駆け抜けた部活動の経験は一生ものだ。





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