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「買手よりだね」と言われて初めて認識した自分のスタンス|M&Aアドバイザーのつぶやき

こんにちは。かきもとみさです。私はM&Aアドバイザーの仕事をしています。

私の仕事はいわゆる「M&A仲介」です。仲介というのはポジション的に賛否両論ありますし、海外では認められない世界ですが、日本の中小企業の事業承継問題を解決するためには、この仲介ポジションと言うのはまだまだ一定の価値を見出すことができると思っているし、そこにやりがいを感じるので、この仕事に信念をもって邁進したいと思っています。

その仲介賛否両論というのはおいといて、私がつい先日、案件をたくさんやっているビジネスパートナーの方にあることを言われました。

それは、「買手寄りだよね。」ということ。

この「買手寄り」というのは、M&Aの交渉の中で買手に有利な譲渡条件(金額やクロージング要件など)を強く押し通そうとするというわけではなく、案件が終わってみたときに、買手との距離感の近さというか信頼関係の構築度合いがとても高く、案件終了後もなかりの確度で仲良くしていたりM&A後の話をよく共有していることが多かったりするので、その姿を見て「買手寄り」と発言されたようなのです。

自分としては、仲介ポジションとしてあくまでフェアに、売主の想いも買手の将来ビジョンも両方とも大事にしていたつもりだったので、こういわれたことは意外で、「え?そんなことないですよ?」と驚いてしまいました。

私の中では、引退する売主はある意味「終止符」「人生の一区切り」という感覚があるのでM&Aが終われば「お疲れ様でした」と思う部分が強い。

逆に買手は、M&Aがスタートになるので、M&Aという通過点を経て将来的にどんなことを叶えたいのか、「続き」がある。だから、M&A後に買手の話を聞くことが多かったり、後日談を共有して喜んだり驚いたりすることは当然というか自然の流れだと思っていました。

でも、自分が「当然だ」と思っていることって、けっこう世の中の当然じゃなかったりするもので。

仲介アドバイザーとして案件への関わりが終わってから、実はここまで買手と仲良くしたり後日談を聞いたりする関係性を継続すること自体も、そんなに普通じゃないのかもしれないと思いました。

みんなどうなんだろう?(気になる)

自分のスタンスを知る

ここから少し、このことを拡大解釈して考えてみたら、自分の仲介アドバイザーとしての価値観として、見えてくるものがありました。

それは買手側にきちんとしたM&Aの目的や必然性が感じられて、ビジョンやストーリーの中で「文脈に合う」M&Aであることを自分が強く求めているということです。(うまく表現できない…)

買手企業がいくら「買う」と言われても、「なんで買うのか?」と問われたときにきちんとした明確な答えが返ってこない限り、成約に導きたくないという気持ちが強いことに気づきました。

これもある意味当然といえば当然なのですが、極端に言えば「いくら金を積まれても、M&A成約後にビジネスをきちんと運営し次の発展がないような買手にはアドバイザーとしてサポートしたくない」というような意味が入っています。

もちろん、最終的に「買う/買わない」の判断は当事者が下すものなので、その意思を曲げるような動き方まではしませんが、文脈が見えない買手候補に対しては「本当に買うんですか?」「買ってどうするんですか?」「買う意義が腑に落ちていますか?」と言う風にめちゃめちゃ聞いてしまう。

トップ面談の事前打ち合わせでだって「自分のビジョン設計、5年後10年後に描いている姿に対して、このM&Aが必然だと思うかどうかを見極めてください」というようなことを事前に買手に伝えていました。

ちょっと、これが自分のこの仕事に対する価値観なんだなということに気づくことができて、当事者たちとの接し方も、味を出せるというか、(私なりの)大事なポイントをわかりやすく伝えることができるようになった気がします。

という、単なるつぶやきでしたが、

「仲介」といえど、いろんな価値観やスタンスがあるはず。いろんな人の「ここは譲れない」みたいな観点を知って、ポジティブなものは学んでみたいなぁと思いました。


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