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京都暮らし、紅葉狩り備忘録:圓光寺(一乗寺)
日に日に目に見える景色が色づいてきている。もみじが真っ赤に染まりつつある京都の街。まだ見頃とは言えないけれど、真っ赤ではなくとも、黄色や緑、赤などのグラデーションに染まる木々がまた美しい。太陽の光によって色合いが移り変わっていく姿も。
このタイミングで京都暮らしをスタートしたからには、ぜひ京都の紅葉シーズンを堪能したい。そう思い、来週~再来週にかけての平日、散歩がてら京都のあらゆる紅葉の名所を巡ろうと、ひとり計画を立てた。今日はその記念すべき1回目だったので、「京都暮らしの紅葉狩り備忘録」として残していこうと思う。
京都暮らしの紅葉狩り備忘録Vol.1:圓光寺
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記念すべき第1弾は、一乗寺にある圓光寺に行くことに。家から鴨川をのんびり歩きながら50分ほど。大好きな一乗寺の街を抜け、少し坂道を登った先にある。坂道を登りはじめたあたりから、空気がフッと冷たくなるのが分かった。街の喧騒を離れた住宅街に、詩仙堂、圓光寺、曼殊院と、いくつもの有名なお寺と日本庭園があるので、私のお気に入りのエリアでもある。
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平日の夕方(15時くらい)、紅葉の見頃前だったためか、人はまばら。ゆっくりとお寺の縁側に腰かけて、ぼーっと木々を見つめる。圓光寺は、紅葉の名所として有名で、見頃に訪れれば一面真っ赤に染まる景色を見られるそう。だけど私は、こんなまばらに色めく姿もとてもいいと思える。赤に染まるまでの過程。日当たりがいい場所から順番に赤く染まりつつあって、1本の木の中でも、グラデーションを感じられる。とても、きれい。
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縁側から離れ、お堂の中へ入ってお庭をのぞき込むと、まるで額縁に入れられた絵画のような景色に出会える。繊細な木々の揺らぎ。じゅうたんのように敷かれる緑の苔。こんな景色を見ると、誰もがきっと「ほっ」と落ち着くんじゃないだろうか。私も例外なく、心が落ち着いて肩の力が軽くなった気がする。
庭園をじゅうぶん眺めたところで、境内を歩いてみる。道を逸れると「徳川家康の墓」なる看板が。調べてみると家康の歯が埋められているらしい。なんとなく散歩がてら訪れてみると、眼下に京都の街並みが見渡せる場所にたどり着いた。
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おー!真っ赤なもみじとお寺越しに、街並みが見える。太陽の光に街全体が包まれているみたいだ。「景色がいいですよ」とはどこにも書かれていなかったから、頑張って登ってみた私の勝ち。なんだか得した気分。うれしくなってたくさん写真を撮ってみる。
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最後に境内をぐるりとまわっていたら、優しい微笑みのお地蔵さんに出会った。柔らかい表情のお地蔵さんに出会うだけで、なんだかこちらもうれしくなる。いいことがありそうだなあと思える表情だ。
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ちなみに、圓光寺には今までも3回ほど訪れたことがある。新緑の季節も美しいので(おまけに人が全然いない!)、1年中楽しめる場所だ。
おまけ:一乗寺の好きな場所
一乗寺付近にはたくさんのお寺があるが、一乗寺の街そのものも魅力あふれるエリア。なぜかラーメン屋さんとカフェと本屋さんが多い街で、ただただぼんやりと散歩しているだけで楽しい場所だ。
恵文社
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ふつうの本屋さんでは出会えないようなエッセイが置かれている「恵文社」さん。つい手にとってじっくりと家に持ち帰って読んでみたいと思わせてくれる本や雑誌のディスプレイ。買うときもあれば買わないときもあるけれど、ついついふらっと吸い込まれるように、あの空間に溶け込みたくなる素敵な本屋さん。
マヤルカ古書店
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書店つながりでいうと、「マヤルカ古書店」さんもおすすめ。古書店のいいところは、予期せぬ本に出会えることだ。ふだんだったら見向きもしないコーナーにあるであろう本を、雑多に並んでいる古書店でなら、見つけることができる。そんな出会いを楽しんでいる節がある。
あおいろ珈琲
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そんな「マヤルカ古書店」さんで選んだ本を片手に、すぐ隣にある「あおいろ珈琲」でゆっくりと読書をする流れがとてもいい。「あおいろ珈琲」さんは、お店のコンセプトとして「静かに」「ゆっくり長居」する方のための珈琲店を掲げている。お客さんは読書や勉強をしている人が多く、本当に静寂な空間そのもの。目の前の本にだけ集中できる場所だ。ひとりになりたいとき、外のざわつきから距離を置きたいときに駆け込むと、想像以上に気持ちがスッキリするはず。
つばめ
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一乗寺駅の近く、ゆっくりと時間を過ごすのにぴったりな「つばめ」さんでは、ランチをいただく。白く明るい店内が個人的にすごく好きで、窓際にひとり席もあるので、ひとりで行っても気兼ねなくゆっくりできるのがいい。
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スマホの電源をオフにして、一口ずつ噛み締めながら丁寧に食事を楽しみたい気分になれる。おしゃれなカフェではあるけれど、地元のおじいちゃんおばあちゃんや、仕事休憩中であろうサラリーマンもいるのがなんとも「愛されている食堂」のような趣でとても居心地がいいカフェ。
こうやってふらふらっと行きたい場所、見てみたい景色に出会える。京都暮らしの醍醐味をここぞとばかりに味わい尽くそう。
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▶11月は毎日noteに挑戦中。日々の暮らしの中で感じることを綴っています。
▶引っ越し前の京都3ヶ月プチ定住の記録はコチラより。
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