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「何もしない」をすること │ 意志をもって無為な時間を過ごす

私は、ダラダラするのが苦手だ。
というと誤解が生じるかもしれないが、例えば、自由な時間ができたとしたら、つい「何かやって」しまう。「何もしない」をすることが苦手。

「ダラダラするのが苦手」というと、一見いいようにも捉えられる気がするけれど、実際は結構大変だ。時間があると、つい仕事をしてしまう(私はフリーランスで基本的に始業・終業時間がない。つまり、いつでも仕事ができてしまう)し、noteやら散歩やら、つい「何かをやって」しまうのだ。休んでいるつもりでも、休んでいない。もちろん好きなことをして気持ちはリフレッシュしているのだけど、生産したり動いたり、「何かをしている状態」がずっと続くのは、時に少ししんどい。

私には「何もしない」をする時間が必要だ。

そう思う。だけど、家に居たらPCを開いてしまうし、意味もなくダラダラ過ごしてしまう。どこか、「何もしない」をすることができる場所はないか。意志をもって「ダラダラできる」場所はないか。

そんな視点で意志をもってダラダラと過ごす休日のプランを考えてみた。来週分の仕事を前倒しでやっておく、とか、月10回更新のnoteを書く、とか、1日8,000歩あるく、とか。そういったものは一旦忘れて、「何も生み出さない、無為な時間」を作ろう、と。

さて、そんな休日プランを過ごしてみたら、とてもよかった。「なんとなくダラダラと過ごす」のではなく、「今日はダラダラ何もせずに過ごすんだぞ」と肩の力をだらんと抜いて、意志をもってダラダラ過ごすこと。この2つに大きな差はないと思っていたけれど、意志をもって無為な時間を過ごす充実感を味わえた。


無為な時間のスタートは、早朝5時半。「仕事の日は全然起きられないのに、休日は張り切って自然と早起きしてしまうね」と笑う夫に起こされて、京都から琵琶湖へ。ダラダラと過ごす充実度をより味わうために、朝活だけはしておこうか。そんなことを言い合って、まだ冷たい風が吹き抜ける早朝の琵琶湖沿いを散歩した。

朝の空気は、私の気持ちを穏やかにさせてくれる。ただ歩いているだけでいい、と思わせてくれる空気。時間も気にせず、すれ違う散歩中の犬たちの可愛さに癒されながら、なんてことない話をする散歩でしか得られない時間だ。

散歩に疲れたら、その場でGoogleマップを開いて、近くで営業している喫茶店を探す。ちょうどオープン直後の喫茶店があり、そこでモーニング。たまたま訪れた喫茶店だったけれど、落ち着いた雰囲気で、カウンターでは常連さんとマスターが楽しそうに話す声をBGMにゆっくりと過ごす。久しぶりに食べた、辛子のきいたマヨネーズたっぷりのミックスサンドのおいしさといったら。

時折話をし、本を読み、ただ過ごしたい時間を過ごして、次の目的地に向かう。

さて、ここまでは、「何もしない」をしていたわけではなく、「こんな休日がいいよね」と夫と話し合った結果の過ごし方だ。早起きをしてまだ暑さがきつくないうちに散歩をして、喫茶店でモーニングを楽しむ。意志をもって過ごしたい時間を過ごしている。

そのあとに私たちが向かったのは、漫画喫茶のような場所。雑誌や漫画が読み放題、コーヒー飲み放題、フリータイムでずっとダラっとできる場所。漫画を読むことはめったにない私だけど、時間はまだまだたくさんある。これまで一度も読んだことなかったNANAを1巻から読み始めた。

5時間くらい読んでいただろうか。10巻までたどり着いた時にはもう、私は完全に意志をもってダラダラしていた。時間に追われることなく、為になるかどうかなんか関係なく、ダラダラと時間を過ごす。この時間が必要なんだ、と思い知る。おまけに、温泉にも入れたので、露天風呂で雲が動く様子を見上げながらぼぅっと過ごした。明るい時間帯にお風呂に入って空を見上げているのは、限りなく無為の時間。

何にも捉われずに無為な時間を過ごせば、気持ちはスッと軽やかになる。つい休日はあれもしようこれもしようといろいろ思い立ってしたくなってしまうけれど、どうせ外は暑いし、出かけるのも大変だし、秋になれば嫌というほど散歩に出かけるだろうし。

せめて今日だけは、意味のない時間を過ごそう、と思ってそんな日を過ごすこと。その意識だけで、気持ちは晴れやかなままダラっと過ごせるようになるだろう。

たまにはこんな日があってもいい。そう自分を時に甘やかしながら、日々を続けていきたいものです。

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misaki|散歩日和
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