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1年間家を持たずに暮らした私が家を持とうと思った理由

私はこれまでの1年間、家を持たずに日本全国のいろいろな街で暮らす、多拠点生活をしていた。いわゆる世間的には「アドレスホッパー」といわれる類のライフスタイルだ。

もともと、「移住先を決めたい」と思って始めた多拠点生活だったので、当たり前だけれど、将来的には「好きな街に定住する」ことがゴールだった。だけど、「じゃあ、なぜ、いまこのタイミングだったのか」については、あまり考えたことがなかった。理由を深掘りしてみたいと思って今こうやって机に向かっている。

家を持たずに暮らすようになったきっかけ

そもそも、なぜ家を持たずに暮らすようになったか、そんなきっかけの気持ちを整理したい。

2021年8月に私はひとり暮らしをしていた名古屋のアパートを解約した。自分の部屋や住んでいる街がとても気に入っていたので、がらんどうになった退去時の部屋を見て、すごく寂しくなったのを覚えている。

けれど、当時、職場の近くだったからという理由だけで住む街を決めていて。その会社を辞めてしまったからには、「この街に住んでいる理由はないかも」と思うようになった。私は、昔から「いろんな国・街に行くこと」が大好きで、世界中に好きな国・街がある。なのに、「このまま惰性で同じ街に住み続けるのって、なんだかもったいないような」気がして、仕事を辞めたタイミングで、「とりあえずアパートを解約して、どこか違う街に住もう」と考え始めた。

その考えがきっと、今の私に繋がるもっとも最初のきっかけだったように思う。

けれど、「どこか違う街に」と思っても、私には世界中に好きな国・街がある。もっとも現実的に考えれば、高校生の頃から大好きな京都に住むのがいいような気がしていたけれど。今まで大学や職場の近くだから、という外的な理由からでしか住む街を決めたことがなかったから、「日本全国どこでも選べる」となると、選ぶ基準が難しく、このまま決めてしまってもいいのか、と悩むようになった。

せっかく選べるんだから、好きな街に住みたい。けれど、好きな街って私にとってはどこ?日本でさえ、まだまだ行ったことない地域ばかりなのに。安易に「これまでも旅行で何度も行っていたし。好きな街だし京都に住もっか」と決めてしまうのは、なんだかもったいない。

「せっかくだし、移住先を決めるための好きな街探しをするのがいいかもしれない」とこのタイミングで日本全国のいろいろな地域を巡る多拠点生活に興味を持ち始めた。何軒も京都の不動屋さんで物件の内見を申し込んでいた。京都での暮らしをすることを半分決めていた。なのに、すべてやめてしまって「移住先を決めるための多拠点生活」をスタートさせたのだ。

ここまで読んで「じゃあなんで今京都にいるのか」という疑問がわいた方もいるかと思うけれど、「何も見ずに京都に移住を決める」ことと「日本全国いろんな街での暮らしをみてきて、でもやっぱり京都がいいと思って京都に移住を決める」とでは、私の中では本当に本当に意味が違うのだ。

もしかすると、結局京都に移住を決めたのであれば、この1年間はムダだった、と思う人もいるかもしれない。けれど、私にとってはこの1年があったからこそ、ようやく「自分の意志で好きな街で暮らすことを決めることができた」と思えるから、この1年間の意味をしっかりと感じられている。

家を持たずに暮らす、多拠点生活

そんなこんなで家を持たずに日本全国を旅しながら巡る多拠点生活がスタートした。この1年間で訪れた街、多拠点生活のルートは、こんな感じだ。

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