部屋の外の空を眺めながら、本を読むだけで終わった、ただの休日。
東京に行く予定だった3連休。(3連休だけじゃなく本当は10日間行くつもりだったのに)、足の小指の骨折でどこにも行けなくなった。
休むために仕事も調整したので、わざわざする仕事はあまりない。引きずってしか歩けないのでカフェや本屋さんにすら行けないし、夫はもともと私がいないことをいいことに3連休をスプラトゥーンに費やすと決めていたそう。文学フリマの準備も先週でひと段落。
そう、久々に「暇だ!!!!!」と感じた。
この宙ぶらりんな感覚、とても久しぶり。朝起きてふと立ち止まって「さて、今日は何をしようか?」と考え込む。いつもは、「これをして、あれをしよう」でやりたいことが詰まっていたり、やることがなかったとしても「とりあえず出かけるか~」と散歩やカフェに出かけたりする。
家からも出れない、直近でやらないといけないこともない。ないない尽くしの3連休。結局やったことといえば、
思い出しても、このくらい(たまーに仕事をしたりもしたけど、カウントするほどではない)。実に怠惰で、だけど「ふふふ」と密かに楽しんでいた、そんな休日だった。
昼間、Spotifyにあった「読書と珈琲」というプレイリストをかけながら、ベッドでダラダラと本を読むひととき。読んでいたのは江國香織さんの「なかなか暮れない夏の夕暮れ」。この小説の、主人公が本の世界に入り込んでは離れられない感覚を一緒に味わいながら、ただひたすら活字を追う時間。
ただただ怠惰に本を読んでいていいんだ、小説のなかで営まれる登場人物たちの日常に入り込んでいていいんだ、と思わせてくれるお話で、私は結局、2年前の夏の夕暮れにも、去年の夏の夕暮れにも、そして今年の夏の夕暮れにも、この本を読んでしまった。
ベッドに寝転がって本を読んでいると、視界に青空が広がる。幸運にも、私の家の周りに大きな建物はなく、晴れた日には本当にもう、青い空にぷかぷかと浮かんでいるような気分になれるのだ。本の世界と現実の世界を行ったり来たりしながら、たまにうとうとと夢の世界にも入り込みそうになりながら。ただひたすら本を読むためだけの時間って、なぜにこんなにも心地がいいのだろうか。
何もしないって簡単なようで難しい。この休日は、難しいことをちゃんと成し遂げたのだ!と思いたい。宙ぶらりんな、無計画の休日。今の気分は本を読みたかったからただひたすらに本読んでいたけれど、映画だったかもしれないし、ゲームだったかもしれない。
「その時にやりたいことを、その時の気分で、その時にやる」って、単純だからこそ難しい。やらないきゃいけないことを優先してばかりいたら、「その時にやりたい」ことを見失ってしまう。後回しにしてしまう。たまにはこんな過ごし方もいいよね、と思える休日。
ずっとずっと本を読んでいたい、と願いながらページをめくっていたら、いつのまにか休日が終わっていた。何もしていないのに、後悔ではなく充実感がある。あぁ、まだまだ本を読んでいたい、と休日の余韻に浸っている。