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月に1度、本の虫Dayをつくる
本の虫Dayとは、私が勝手に名付けた、その名の通り「本の虫になる日」である。本の虫、すなわち「1日中誰にも何にもかまうことなく本を読みあさる日」。そんな日を月に1度休みを確保して、(しかも旅先で)行っている。
今日はそんな本の虫Dayをつくっていて感じることや、ちょっとしたマイルールをお話ししたい。
旅先で本を読む
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いま私は家を持たずに日本中を旅するように暮らす多拠点生活をしている。スーツケース1つで移動しているので、一度に数冊の本を持ち歩くことができない。本好きの私には致命的な問題にぶちあたる。
とはいえ、紙の本ではなくてKindleなどを持ち歩けばいい、と思うかもしれないが、私はどうやら「紙の本を読むという行為」そのものが好きらしい。
多拠点生活をはじめてからKindleをインストールして何冊か読んでいたが、どうにも「本を読む」というよりも「タブレットを見ている」という感覚が強くなってしまい、リフレッシュのために本を読みたいのに「ずっと画面見てるな」と自己嫌悪に陥ってしまった。結果、Kindleは3週間ほどでやめてしまった。
となると、やっぱり紙の本が必要になるわけである。1つ私がしていることは、ブックオフや古本屋さんで文庫本を100~500円くらいで購入して、それを読むこと。読み終えたら、滞在先に声をかけて置かせてもらい、また次の旅先に行ったら新しい本を買う、ということをしている。
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旅先では軽いエッセイや小説を読むことが多いので、1つの滞在先や街と街を移動しているときに読み終えてしまうことがほとんど。本と一緒に旅をしている感覚を得られてとてもいい。
ただ、ブックオフの棚から(私はケチなので)なるべく110円の本を選んでいると、どうしても読む本に偏りが出てしまう。あと、「本を買う」となるとどうしても自分の好きな本ばかりを選んでしまい、冒険ができないのが懸念。いつも江國香織さんや角田光代さん、よしもとばななさんあたりを選んでしまう(絶対はずれはないからね)。
ちなみに、2022年に読んだ本をまとめたnoteです。本の虫Dayのおかげでたくさん読めている…!
興味のなかった本との「あっ」とする出会いをもっと楽しみたいし、ビジネス本や自己啓発の本も読んで視野を広げたい。そこで考え出したのが、旅先の図書館やブックカフェで本を読むことだ。
旅先での「本の虫Day」の過ごし方
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先日、旅先でブックカフェ巡りをしていることをnoteで書いたらたくさんの方に読んでいただけた。旅先でブックカフェに駆け込んで本を読む時間を確保するのは、本当に本当に良い時間だ。
それに加えて、私は旅先の図書館にも訪れるようになった。コロナのことも心配なので、本当に小さな町の図書館には行かないようにしているが、ある程度観光地化されているような規模の大きな図書館を見つけては、1日中本を読みあさっている。
まずは図書館で「本の虫Day」を過ごすにあたってのマイルールをまとめてみる。
①本棚の背表紙を端から端まで見て回る
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私が本の虫Dayで大切にしているのは、”読みあさる”ということ。興味があろうがなかろうが、とりあえず背表紙のタイトルに目を向けてみる、中身を見てみる、専門外でも目がとまったら読んでみる、を心がけている。
まず図書館に着いたら本の背表紙を片っ端から眺めていくことから始まる。たとえば、医学だとか植物だとか、興味がなさそうな分野のところまで足を運んで、背表紙を端から端までじっと眺めていく。そして、気になった本はどんどん手に取っていく。5,6冊になったところで、イスに腰掛け流し読みをしていく。
②本を速読する
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本の内容をじっくり読みたいときはゆっくりと読むが、私は「言葉」を吸収したいと思って読んでいるので、本を読むときはほとんど速読をする。俯瞰して本を読んでいって、ぱっと目に付くワードを見つける、その近辺をじっっくりと読んで、時には大切にしたい言葉を手帳にメモをする。そんな風に読んでいると1冊あたり1時間~3時間で読み終えることができるので、次々と読み進めていく。
もちろん、5,6冊ピックアップした本の中で実際に読み始めてみると「なんか違った」と思う本があるので、それは無理して読まない。なぜタイトルに惹かれたかだけ軽く考えて、棚にそのまま戻す。
③昼ご飯を食べたら①②を再度行う
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昼ご飯は図書館の近くのパン屋さんに行ったり外の飲食可能なテラス席で食べたりすることが多い。そして、ごはんを食べ終わったら後半戦。もう一度本棚を見て回り、本をピックアップ。気になる本はどんどん読み進めていく。①②をもう1ターン繰り返すのである。
図書館で本を読むのももちろんいいし、個人的には蔦屋書店でこれをするのもとても好き。本のジャンルは狭まるけれど、ワンモアコーヒーを頼んで、ずっと本とコーヒーと一緒に居る時間。なんとも幸福なひととき。
図書館で本を”読む”こと
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ちょうど昨日は、図書館にスターバックス、TSUTAYAが併設された「海老名市立中央図書館」に滞在していた。町の図書館が「TSUTAYA化」することに賛否両論あるのはもちろん知っているし、いろんな問題があるのだとは思う。だけど、私はあの空間が好き。
というのは、今まで私が住んでいた町の図書館は「借りる、返す」がメインで、施設は古くて狭くて座るスペースはほとんどなくて。本を選んで貸し出し手続きをして帰って読む。図書館での滞在時間10分ほど。コロナがはやっていたときはもちろんこれで良かったのだけど、私はずっと図書館の「居心地の悪さ」に違和感を覚えていた。
あの感じじゃ絶対に本が好きな人じゃないと図書館に寄りつかないだろうし、行きたいとも思わないと思う。本が好きじゃない人が、本に触れる”きっかけ”さえもないように感じる。
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だからこそ、図書館が開放的で明るい雰囲気であってほしい。「借りる・返す」だけじゃなくて「時間を過ごす」場所であってほしい、と思う。
本を読むことはもちろん、勉強したり作業したりもOKな、どんな人にとってもフラットな場所になっているのはとても嬉しい。本に興味が無い人でも、なにかのきっかけで本を読んでみようかな、と思えるかもしれないし、”本のある空間”そのものに身を置くことで本が身近に感じることもあるかもしれない。
そんな、”本に囲まれる空間”で本をじっくりとゆっくりと味わう時間が、私には必要だ。図書館が日常的に愛されている街かどうかは、移住先探しをしている私の条件のひとつ。そんな素敵な街をたくさん集めたい。
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