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おうちで花火うつのみや
最近は気候もだいぶ涼しくなってきて過ごしやすくなってきましたね。
今年はもうコロナ一色だったのは間違いなくて、とりあえず自分が感染者になっていないことに胸をなでおろすばかりです。まぁ今後がどうなるかは分からないのですが、今のところ健康に過ごせております。
そんな風に今年はいつもと違った夏だったわけですが、去年は何をしていたかというと、実はうつのみや花火のボランティアをやっていました。
ただうつ
うつのみや花火舞台裏~プロローグ~
「これは中止になるかもな・・・」
2019年8月10日土曜日、18時を回ったあたりでステージ横のテントの中でステージスタッフは少し疲れた表情をうかべていた。そうなのだ。先ほどの好天とはうってかわって急な夕立が降り注ぎ、周りはすっかりびしょぬれになっていた。
ここまで来て延期になってしまうのか・・・
私はとても悔しい気持ちでいっぱいになりながら、テントの中でうらめしそうに雨雲を睨んでいた。あん
うつのみや花火舞台裏~その1:栃木ゆかりのみ~
「花火のボランティアって知ってます?」
それを聞かれたのは2018年の12月のとある栃木での交流会でのことだった。その時までもちろんその存在を知らなかったし、正直私は今までボランティアというものについて自ら率先してやりたいと思ったことがなくて、そんなことを言われても別に興味を持てないでいた。
自分のやりたいことができていない状況の中で、他の人のために奉仕する時間は持ていないなと思っていたからだ。
うつのみや花火舞台裏~その2:1月全体会議~
「それでは新しいメンバーから自己紹介をお願いします!」
会場には70~80人くらいいただろうか。全体会議の司会の男性が少し声を弾ませながら私にマイクをまわしてきた。
おいおい、まだやるなんて言ってないんだけどな。新手の勧誘なのかと疑ってしまうくらいのノリで回ってきたマイクを私は戸惑いながらみつめていた。
まぁでもボランティアの人はみんな優しそうな人だし、この雰囲気を壊すのも悪いしちょっとリップ
うつのみや花火舞台裏~その3:企画チーム会議~
「SPARKLINGでいいじゃないですか!」
壁に貼ってあったポスターを見ながら若手のメンバーが色めき立っていた。
まぁでも確かに悪くないかもしれない。光り輝く花火がスタートするイメージも持てた。
そう、その時私が参加した企画チーム会議では花火大会を構成する3つのテーマを決めていた。
テーマって結構大事だよな。
そんなことを思いながら、でもこういうのってその場のノリとかで決まる方が面白いなと
うつのみや花火舞台裏~その4:BGM選定~
「うちのシェアハウスでやりませんか??」
いつの間にか私はそう提案していた。
企画チームは週一回会議をしているのだが、たまに会場がなくて困っていることがあった。わがシェアハウスは東武とJRの中間地点にあるし、1階には個室もあって雰囲気もいいので、みんなで会議するにはもってこいかもしれない、そう思っていた。
というわけで早速我が家で会議をすることになった。その時の議題は花火があがる際にどんな音
うつのみや花火舞台裏~その5:初代会長~
「会長の時に見る花火よりも、その翌年一般のボランティアとして駐車場の警備をしながら見る花火が一番最高なんだ」
その話を聞いたのは初代会長の事務所に訪れていた時だった。
13年前にうつのみや花火大会を立ち上げた初代会長は今では有名なミュージシャンのPVやスポーツの紹介動画等を手掛けている。毎年花火大会のイメージソングのPVを作ってくれていて、今年も快く引き受けてくれたのだけど、その時にこの花火大
うつのみや花火舞台裏~その6:募金箱設置~
「大将、なんちゃらボランティアの人がきましたよ。」
女将に呼ばれた大将を待ちながら私は本当にこんな立派なお寿司屋さんに募金箱を置いてくれるんだろうかと不安に思っていた。
店内は落ち着いていてポスターやちらしなど余計なものは置かれていなかったし、高級そうな雰囲気があたりを包んでいた。
「募金箱ですか?困ったな」
そういいながら奥から出てきた職人気質の大将の姿を見た時、もしかするとちょっとまずっ
うつのみや花火舞台裏~その7:整地活動~
「このままだと指紋がなくなるな・・・」
朝早く起きた私はいつしか指の心配をしていた。
花火の会場は鬼怒川の周辺の河川敷だ。かつては荒れ地だったのが花火あげるために整地をした経緯がある。そして今年は席を増やし、会場を少し広げてダイナミックな花火があがるようにさらに整地を広げる必要があった。
つまりその河川敷を花火の機材や車が乗り入れたり、花火の筒を設置するところを平らにしなければならなかった。そ
うつのみや花火舞台裏~その8:最高の花火~
「こんなに綺麗にしてもらったからには花火でお返ししたいんです。」
あまり大きな声ではいえないですが、と前置きして花火師さんが話し始めた。今年のうつのみや花火を担当するのは世界大会で賞を受賞したことも何度もある実力派の花火師だ。
「他のとこだとそんなに前向きじゃない方も中にいるんですよね。でもうつのみや花火は違う。この打ち上げ場所をこうしてほしいと話したら、次きたら本当に全部きれいになってる。し
うつのみや花火舞台裏~その9:花火の絵~
「私NPO法人うつのみや100年花火のものなのですが、このたび花火の絵の展覧会を企画しておりまして・・・・」
とある日午後、休暇をとった私は宇都宮市の各幼稚園、保育園に片っ端から電話をかけていた。会社ではない肩書きで自分を紹介するのは話すのは初めてだったが、こう前置きすると相手にとって私はその団体の代表者となるから下手なことはいえない。
今年初めてのボランティアなのにいろいろ質問されたらどうし
うつのみや花火舞台裏~その10:ミヤラジ~
「今年のテーマの絆を一番大切にしている人たち、今年のテーマの絆を一番大切にしている人たち・・・」
私は台本を見ながらミヤラジのスタジオの中で何度も繰り返し唱えていた。
そうその日は花火大会のイメージソングをアピールするためにイメージソングを作ったトンネルのむこうというミュージシャンの方と一緒にミヤラジに生出演することになっていた。
もちろんこの歌は花火の展覧会でも花火当日でも歌ってもらうことに
うつのみや花火舞台裏~その11:ジャグリングサークル~
「イベントに出演してもらうことってできませんか?」
ミヤラジに出演したその足で、私たちは夜の体育館にむかっていた。そうそれは何を隠そうジャグリングの依頼を交渉するためだった。
というのもせっかく子どもたちに展覧会にきてもらうのであれば、展覧会だけじゃなくて何かステージ上でイベントをやったほうが盛り上がりそうだと思ったからだった。実はすでにイメージソングやイメージキャラクターによるコーナーもあっ
うつのみや花火舞台裏~その12:花火の絵展覧会~
「ぼくは剣がほしい!」
雨だというのに展覧会は盛況だった。
もちろん自分の絵が展示されていたり他の友達の絵を見るのも子供たちにとっては新鮮だったのだろうけど、一番人気があったのがバルーンアートだった。広場の一角に作っていたそのブースには長蛇の列が並んでいた。
ボランティアメンバーが練習して作れるようになったそのバルーンはもちろん無料で、子供たちはたくさんある種類の中から自分のほしいバルーン選ぶ