【fasciaについて学ぼう】学会参加レポート★1
こんにちは。misaです。
整形内科学会と第一回ファシア会議に参加しました。記憶はoutputすることで定着する。ということでどこかへいってしまわないうちにレポートを残します。
はじめに
今回わたしがお伝えできることは概要やイメージづくりだと思っています。わたしは作業療法士ですが 整形が専門分野ではなく 特定の団体が認定する徒手手技に精通しているわけでもありませんので この領域での”言語”ではない言語を使うかもしれません。文字だけでお伝えする場なので 特に専門的な治療については誤解を招かないために控えます。
仕事として高齢になった重度重複障害をお持ちになった方の生活支援をしていたので、重度な変形によって痛みで苦しんでいる方の姿勢運動ケアに寄り添った経験と 自分の過去の経験から理解していることとを照らして、日常の痛みと付き合う方 もしくはそれに寄り添う方のヒントになるようなことで 今回の学会の中で受け取れたことを わかりやすくお伝えすることを目指して書きます。
このレポートを通して 可能性を見出したり 必要なところにつながることができて 心身を快適な状態にすることに新たな道が開ければ 幸せに思います。
整形内科という分野
認知言語学では、”言語”とは それ に名前を付けて 区分けをすること カテゴライズするものです。
私たちの祖先は 自分たちが認知しているものに対して その区別を表現するためにそれに必要なだけ名前をつけてきました。
例えば 日本語では 温かい”お湯”と冷たい”水” それぞれ単語自体が異なりますが、英語ではhot / coldの形容詞が違うだけで どちらも”water” と表現します。こういうことで 日本人は 水について 温度によってそれぞれにあえて名前をつけるほど個別に大切に扱った そこに価値や思慮深さを (アニミズムの影響もあるのかもしれませんが) 持った民族だということもわかるわけです。
そこに確かにあるけれど よく認識されていないこと 大切だと思われていないところには 名前がない。わたしたちが自分たちの一番近くにある身体のことでも ”知らない”ことは まだまだたくさんあるわけです。
FASCIAはまさにそれでした。解剖や手術の際、よく目にされてきたそれは 臓器を取り出すのに不要な部分 みかんのすじのように剥くだけの存在のように扱われていたのでした。実際、私が学生の当時の解剖実習では、筋や臓器を特定するために 剝がすように指導された それ のことを 一つの重要な組織としては扱っていませんでした。(ご検体には感謝をして丁寧に取り扱っていることはお伝えしておきます。)
レオナルドダヴィンチの描写のなかに表現されていたり 1930年代のドイツ人ホープキらが注目していた そして鍼灸の経絡にも類似をしている FASCIAはそれらの気付きから長らくの間 医学のなかで注目されずにただそこにあり続けたわけです。
筋膜という用語はFASCIAより前から広がっており それでもそこを先進的な整形外科で治療対象とし始めたのはほんの5年程度前だったようです。
今まで 整形の分野では整形ときたら整形外科というのが一般的でした。明治の時代から整形外科は存在しており、今ほど医学が発達していなかったこともあり、その範囲は手術から保存的な治療の双方が両軸となっていました。そこから医学の進歩、薬の開発 医療環境 法整備など様々な要因を経て 令和の時代では 整形外科では薬物療法と手術が大きなウエイトを占めています。特に神経因性疼痛の改善薬が開発されてからは 手術適応でない場合は 薬での治療がメインになり 保存的な治療は病院の治療として選択しにくいシステムになっており そこを得意とする医師の教育をするシステムも失われてきました。
そんななか どうやらその 繊維のような 臓器と臓器をつなぐものを 治療対象にすることで痛みが劇的に改善するという報告が散見していることに気づいた医師たちが 今までの常識や経験ではどうにも受け入れがたい事実を目の当たりにしながら それでも患者さんの状態が改善している事実を受け取り 注目をしていった中で この手術ではない治療方法を注目して取り扱うべきだとして 今 整形内科の分野として取り上げています。こうしてこの分野がでてきたということです。
わたしは このような長年の経験やお立場の中でも 誠実に事実を受け止め認識を改め 患者様に必要な新たな見方を取り入れようと ここについてお伝えしてくださった勇気ある医師の方を心から尊敬するとともに その先生方のお力が必要なところに届くようにと心から願っています。
新しい発見で治る患者は増える。未発見の治療部位はまだたくさんある。
という先生方のお言葉を 医療以外での様々な教訓としても受け取りながら今日のところはここまでにします。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
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