【ポンコツ畑記録】ピロピロの防虫ネットと10月なのにきゅうりのきゅーちゃん(レシピ)
さっぱり収穫量が伸びなかったポンコツの畑。ついに!ついにうちの畑が本気を出してきた。そこで今回は、初めての防虫ネットに挑戦だ。
元オーガニック野菜屋の私が知っているのは、「虫食い野菜が美味しい」は間違い、ということ。虫に食われたお野菜は自ら身を守るために固くなり苦みを出す。もちろん虫食い野菜も大切にいただくが、無農薬だから「虫食いだからおいしい」は違う。
お野菜に虫が大量発生する時点で、自然栽培としては何かしら問題があるのだが、私たちは知識と経験のない超初心者。根本的な問題解決は来年への課題として、今年は諦めて防虫ネットに挑戦だ!
はじめての防虫ネット 止め方がわからないネット
そんな会話をしながら、私たちはピロピロと風になびく防虫ネットを眺めた。
夫が買ってきたのは、防虫ネットと支柱。私も何も考えていなくて、支柱でネットを踏めばいいんやない?と思っていたのだが、おかしい。支柱でネットは踏めない、届かない。そう、何かで止めなければならない。
そこで誕生したのが、支柱にネットをのせただけの、風が吹けば飛んでいくただのピロピロ。どうすんねん、このピロピロ。ピロピロなびく防虫ネットに、夫はもう、こらえられなくて腹を抱えて笑っていた。
困ったらご近所さんの畑を偵察!
翌日、息子を幼稚園へ連れて行きながら、またこっそりと偵察をする。ようやくわかったのは、みなさん洗濯ばさみで止めているということだ。
いやまて、夫は先週、お隣さんにネットについて聞きに行ってたはずだ。一体、何を聞いてきたんだ。娘が泣き出すまで途中まで横で聞いていた限りでは、ネットの話をしていた。どういうこと?聞いたけど忘れたのか。
ニコニコと見せてくれた夫のスマホには、お隣さんの畑のドアップと一匹のアマガエルが映っていた。何しに行ったん…。何を話とったん…。
17年一緒にいてなお、天然成分でできている夫の謎は深まるばかりだ。
しかしこのピロピロ、どうするか。悩んだ末の答えは、端に土を掛ける。
そうして、土をかぶせてなんとか止めた防虫ネットたちが完成した。土をかぶせてる人なんか、うちの周りには誰もいない。けれど、畑にネットがあるだけで、なんかもう見た目は畑上級者。その後、夫は「めっちゃいいやん」「めっちゃいいやん」「畑ーー!って感じ」この3文を何度も何度も繰り返した。
10月なのに大量のきゅうり!さてどうする?
畑上級者であるご近所さんに畑の相談をしていると「食べきれないから~」と、たくさんのお野菜と愛情をいただくことが多い。そして今回の課題はきゅうり。
お向かいさんから、ご近所さんから。名前も知らないおじちゃんから。田舎では同じ地域で同じサイクルで育てているため、きゅうりが大量に取れるタイミングはみんな同じ。だから、みんな一斉に食べきれなくなって、若い世代の家にきゅうりが集まる現象が起こる。名付けて、きゅうり現象。
10月だというのに。肌寒くなってきたのに。大量のきゅうり。今年はこれで3回ループ目の大量のきゅうり。さぁどうしたものか。そんなときはきゅうりのきゅーちゃんの出番である。
わが家のきゅうりのきゅーちゃんの作り方
寒い冬にきゅうりは食べるものではない。夏野菜であるきゅうりは、暑い夏に火照った体をクールダウンしてくれるもの。寒い時期にきゅうりばかりを食べたら体を冷やして当然だ。
けれど、季節の変わり目であるこの時期にどう食べればいいかというと、加熱する、塩分を効かせる、薬味を効かせる。こうして、少しでも体を冷やさない方法でおいしくいただこう。これにピッタリなのが「きゅうりのきゅーちゃん」なのだ。
「このきゅうりは誰のきゅうり?」最近、息子が聞いてくるようになった。今日のきゅーちゃんの回答はむずかしい。
当たり前に「お野菜を作った人の顔が見える」ということ
私がオーガニック屋だったこともあり、お野菜は今でも農家さんから直接購入させていただいている。あと、畑がポンコツすぎてお野菜が足りないからもあるのだけど。
私たちは田舎移住してきたので、ツテがあったわけではない。自分たちで探した農家さんだ。それ以外のお野菜は、自分たちの畑で採れたものか、ご近所さんにいただいたものばかり。
こんな風に当たり前に、私の料理は「お野菜をつくった人の顔が見える」。
ご近所さんと農家さんに子どもたちの体をつくる「命」をいただいていると常々思う。移住して知り合いがいなかった私は出産後、退院したその足で農家さんを訪れて新生児の娘を抱いてもらった。なぜなら、農家さんのお野菜にうちの子たちは育てて貰っているから。
田舎移住したことがきっかけで、都会ではできなかった「食のつながり」を実現した私たち。これまでの30数年の人生において、今のごはんが1番感謝にあふれていて、今までで1番おいしい。
だから私たちもポンコツを卒業して、若い世代に命をつなげていかなければならないのだ。みてろよ、私だって10年以内にきゅうりおばちゃんになってみせる!(…頑張る)
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