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自分を変えるために必要なことー『華僑 大資産家の成功法則』を読んでー

たいして読書家でもなく、読書感想文なんて滅多に書かない私だが、この本を読んで得た感動は、書き留めずにはいられない。

『華僑 大資産家の成功法則』は、フリーライターの中村洋太さんがオススメされていることをきっかけに、興味を持った。

読んでみたら、あまりに面白く、1日で読み切ってしまった。自己啓発書なのだが、自己啓発書を読んでいるとは思えないほど、ワクワクした気持ちで読めた。

物語は、「留学編」と「起業編」で構成されている。
「留学編」で描かれるのは、脱サラした若者が、起業のヒントを求めて中国に留学し、大資産家の「王さん」から様々な教えを受ける様子。
「起業編」は、若者が帰国後、100万円の資金で起業するところから始まる。幾度となくどん底の状況に陥りながらも、王さんの教えを実践し、事業を成長させチャンスを掴んでいく。
実はこれ、実話を元にした話で、若者とは、株式会社ラクーンホールディングスの創業者「小方功」さんである。株式会社ラクーンホールディングスは現在、東証一部に上場している。 創業の「1993年9月」はなんと、私が生まれた月......!

この本には様々な教えが書かれているが、そのどれもに感銘を受けた。中でも、昨年フリーライターとして独立した私にとって、特に刺さったものがあった。

知識を高めるだけでは自分を変えられない

私は今まで、知識を高める努力をそれなりにしてきたと思う。いろんなビジネス書を読んだ。難易度が高いと言われる資格も、いくつか取得した。

だが、得た知識が血肉になったと感じられないのはなぜだろう。知識を詰め込んでも、自分自身が豊かになった気がしない。このことがずっと、コンプレックスだった。

この本を読んで、その原因がわかった気がした。

人格や人徳を高めていくために必要なのは知識ではなく、『決意』なのだ。たとえ何を読もうと、何を聞こうと、君たち自身が心の中で何かを決意しなければ、それが徳となって残ることはない。
(『華僑 大資産家の成功法則』p.52より引用)

学ぶこととと自分を変えること。これらは、同義ではないのだ。
学んだ知識は、「玉ねぎやにんじん」に過ぎず、そのままの形では自分自身の糧にはならない。しっかりと咀嚼して吸収し(決意し)、自分を育てていくことが重要なのだ。

また、学びから決意するには、「価値観(=見たもの、聞いたものをどう捉えるか)」が重要だと王さんは言う。価値観が貧しいと、素晴らしいものをみてもためにはならないが、価値観が優れていれば、少しの体験から大きな決意ができる。
そもそも価値観がしっかりしていれば、特別な体験や読書をしなくても、日常の中の気付きを慎重に観察するだけで、何かを決意できるそうだ。

そして価値観は、人からもらえるものではない。自分で鍛えなければならない。価値観を鍛えるには、「価値観を交換すること」が大切出そうだ。画家であれば絵を見せ合う、歌手であれば他の人の歌を聞いてみる、など。
(※議論はあくまでも1つの手段。必ずしも人と議論をしなければならないわけではない。)

断片的な知識だけを先に磨いて、人格の形成や価値観の勉強を後回しにしたために、人の何倍も努力をしたにもかかわらず、少しも幸せになれない人が大勢いるんだ。
(『華僑 大資産家の成功法則』p.51より引用)

身に沁みる言葉だ。

コンプレックスの原因は、自分の価値観がぐらついていること、知識を得ても特に何かを「決意」していないことにあったのだろう。

まずは、自分の価値観を磨く努力をしよう。ライターなのだから、感じたことを素直に文章で表現してみる。書いた文章を人に読んでもらう。そして、他の人の文章を積極的に読んで、その人の気づきや感性を感じ取ってみよう。
また、「仕事をする」「本を読む」「スマホを触る」「家事をする」といった日常の中で得た、何気ない発見にもしっかりと向き合いたい。その発見の中から、1つでいいから何かを学び、感じとり、自分を変えるために決意していきたいと思う。

私は何がほしいのか

「ほしいもの」を明確にすること。当たり前のことのようだが、私はこれができていない。

ほしいものを明確にすることによって、何をすればいいのかが見えてくるんんだ。努力しているのになかなか成功しない人の場合、このほしいものが明確になっていない場合が多いんだよ。
(『華僑 大資産家の成功法則』p.57より引用)

「ほしいものって何?」と聞かれると身構えてしまうが、実は、それほど難しく考える必要はない。魔法使いに「欲しいものを3つ言ってごらん」と尋ねられた子供が、回答するレベルでいいそうだ。

ただ私は、「ほしいものを考えること」を、後回しにしがちだ。
ほしいものが、なかなか手に入りそうにないことが判明し、途方に暮れるのが怖い。ほしいものに向かって努力したとしても、手に入らなかったら怖い。

だから、とりあえず目の前の仕事に打ち込む。評判になっている本を読む。誰かがいいと言っていた勉強法や仕事術を試してみる。

そこそこ努力すれば、安心し、満足する。だがそれは、現実逃避にすぎない。

私は、何かしらの理想を叶えたくて、フリーライターになったはずだ。少しでも理想に近づきたいなら、まず自分がほしいものを明確にしなければならない。

何がほしくて、会社を退職し、フリーライターとしての道を選んだのか。

今一度、自分自身に問いかけるべきだ。

おそらくこのタスクは、私にとって最優先すべきものである。
ほしいものを明確にすることは、先ほどの「自分の価値観を高めること」「日常の中から何かを決意すること」の前提にもなるだろう。勇気を持って、取り組みたい。

きっとまた、ヒントをくれる一冊

上記以外にも、多くの学びを得られた一冊だった。
特に印象に残った教えは、以下のとおり。

・成功の度合いを稼いだお金で測るべきではない。本気で挑戦しているなら、お金が増減するのは当たり前。
お金よりも信頼してくれる人の数を増やすことが大切。信頼してくれる人の数は、真面目に努力し続ける限り確実に増え続けうものだ。

理想の人を自分の中に作り出し、その人だったらこんなときこうするだろうと、自問自答する習慣を作り出すこと。理想の人は、実在しない人の方がいい。その理想の人こそ、目指すべき本当の自分ということになる。

・成功する人とは、「何かにつけチャンスだと思い込む人」。たいしたチャンスでなくても、チャンスだと思い込むことで本当のチャンスになる可能性がある。そして、そのチャンスに対して完全かつ客観的な準備をすることが大切。

・ビジネスをやっていく中で、人の応援は必要。多くの応援を得られる人とは、「一生懸命がんばっている人」「真剣にやっている人」

教え自体はシンプルだが、本質的だと思う。
今後、「自分がほしいもの」に向かって突き進む中で、悩み、立ち止まりたくなったときに、読み返したい。きっとまた、ヒントをくれるだろう。








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