経営戦略における頻出コンセプトワードおさらい
こんにちは、商社マン太郎です。
最近は、興味が会社経営戦略へ移りました。
復習も兼ねて、これだけ押さえておけば大丈夫!初心者向け経営戦略コンセプトをわかりやすく説明します。
消費者の目線から見ても、企業の戦略を学ぶことで、コスト構造が見えてきて無駄なことにお金を払わずに済んだり、購買時の比較検討に当たりをつけられて、時間の節約になったりすることも。
10分かけて、経営戦略の基礎知識を知り、しかも無駄な買い物が減るかもしれません。好き嫌いせず、ぜひ。
知っていることを書きます。知らないことは書きません。
知りたいことは調べます。
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目次
⑴”経営戦略”とは
⑵”経営戦略”をパターン化する意味
⑶頻出コンセプト一覧
⑷具体的に説明
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⑴”経営戦略”とは
そもそも、”経営戦略”とは、「過去の成功例の定石化」です。
様々な過去の成功例を学ぶことで、実際に問題が起きた時にそれに倣って解決策を練ることができます。経営の過去問のようなものです。
では、なぜ経営戦略を学ぶ必要があるのでしょうか?
⑵”経営戦略”をパターン化する意味(飛ばしてもいいよ!)
定石=パターンを押さえておくことで、思考のスピードが格段に速くなります。
現在起きている問題が、過去に同じ問題が起きて解決されていれば、何から手を付けていいのかわかります。
私生活に置き換えてみましょう。
問題:洗濯物が臭い!
考えられる要因:洗剤不足/洗剤の質が悪い/実は雨が降っていた/外の空気が悪い/部屋干ししたから/隣の家の人がベランダでBBQした/室外機が近かった/干し方が詰めすぎていた/虫の糞がついていた/誰かが臭いものかけた/そもそも洗濯物は臭くなく、自分の鼻の下が臭い・・・・
などなど、本当に可能性を考えたらいっぱいありますよね。
しかし実際に起きてみると、原因はいくつかに絞って考えられます。
これは過去の経験があるからです。
過去の経験で、自分の鼻の下が臭くないことや、知らない人が臭いものをかけたりしない事を知っています。
そして、「この臭さは生乾き原因の時にでる生臭さだ。つまり、部屋干しかもしくは、干すときに詰めすぎたのかもしれない。」と一瞬で判断します。問題をしっかり捉えることができれば、次の解決策をいどう打てばいいかがわかります。
解法:
①洗剤を部屋干し用にする→DO:洗濯洗剤の比較検討する。
②詰めすぎないように干す→DO:屋内外で分ける。天気を見てから洗濯する。 などです。
同様に、経営も過去の失敗、成功から学び。選択肢に当たりをつけて動くことで、無駄なコストを減らすことができます。
次の章で、頻出経営戦略を説明いたします。
⑶頻出コンセプト一覧
経営戦略を完全暗記は大変なので、引き出しやすいようにコンセプトワードを付けました。
左の行から順番に説明していきます。
⑷具体的に説明
①コスト系のコンセプトワード
<スケールカーブ>
主に重厚長大産業に顕著にみられる特徴で、生産規模とコスト競争力が直結する事象をグラフにしたもの。
紙・パルプ、製鉄、化学工場 などが当てはまる。
生産コストの多寡で、好況時は誰でも利益を出せるが、不況時の販売価格が下落した時は生産規模の大きい上位企業しか黒字化できない。
そのため、不況時に小規模の限界プレイヤーをM&Aで買い叩くなどの戦略がとられる。
<エクスペリエンスカーブ>
多くの業界に見られる特徴。同種の製品を生産する経験を積むほど、ノウハウが蓄積し、コストが低下していく。(効率化)
これを逆手に取れば、現在の利益は赤字でも、将来のコスト削減を見込んだプライシング戦略がとれるため、競争優位に立てる。
また、のちに説明する先行者利益の一つでもある。
<コストビヘイビア>
業界により、固定費と変動費の構造が異なっている。スケールメリットをが活きる構造なのか。事業拡大により顧客ニーズに広く対応することができるのか。(スコープメリット)見極めが必要。
当然、製造業とネットサービス業では、固定費がまるで異なる。
別の産業に参入する際に、現在の本業のコスト構造を暗黙の前提にしてしまいがちである。
②顧客系のコンセプトワード
<セグメンテーション>
市場を細分化するマーケティング手法の一つ。
市場を細分化か拡張かをする。
例:リクルートによるスタディサプリの例
エリアとが予備校有無でマトリクスを組んでいます。
<スイッチングコスト -ロイヤリティ -ブランディング>
スイッチングコスト(顧客が自社製品から他社製品に乗り換える際のコスト)を高めることで、顧客のロイヤリティ(製品への愛着・信頼)が高まる。
ロイヤリティの高い長期顧客が増えれば、多額のマーケティングコストをかけて新規顧客を集めるより効率が良い。
スイッチインコストを心理的に高める典型的な手法がブランドロイヤリティの構築である。高価な化粧品や、シャネルのようなブランドが例として挙げられる。
③構造系
構造系は業界全体を俯瞰してみるモデルです。
<V字カーブ>
様々な業界でみられる業界構図を現したグラフ。
規模と収益性を縦横ラベルに置いて競争会社を見てみると、「規模特化と企業」と「ニッチなゾーンで戦っている企業」が競争優位に立ち、中途半端な会社は負けていることがわかります。
中間にある企業は、熱狂的なファンのいない、汎用性もない製品・サービスということである。
<アドバンテージ・マトリクス>
業界によって異なる競争パターンを規模と収益性をラベルに表したグラフ。
右に行くほど、優位性が確保しやすく、上に行くほど、独自性が大切になる。
M&Aなどをする際にも、業界構図を見極めた成長戦略が必要。
分散型事業:企業規模にかかわらず、独自性が利益につながる。差別化しやすい。一方スケールメリットが得ずらい。
顧客趣向が様々である業界であり、打ち手としては顧客ファーストなサービス。
例)アパレル・美容室・カフェなど
特化型事業:企業の規模にかかわらず、独自性が利益につながるかつ、スケールメリットも得やすい。
打ち手としては、特定の分野でNo.1を目指す。
例)専門雑誌・計測器など
規模型産業:規模の経済が働く業界
一括仕入れによる利益率上昇・ノウハウ蓄積・製造効率化などで規模と収益が比例していく。
例)鉄鋼業・車など 重厚長大製造業
打ち手としては、規模の拡大・シェアの拡大となる。
手詰まり産業:業界として成熟している産業。競合も差別化が難しく、競合が横並び。どの企業もあまりもうからない仕組み。
打ち手としては、特化型にシフトチェンジするのが良いとされている。
<デコンストラクション>
事業構造今までとは異なる視点でとらえなおし、新しい事業構造を作り出す意味。
従来の垂直統合型のビジネスを崩して様々なモデルに編成されています。
バリューチェーンのいいとこどりみたいなイメージ。
*伝統的事業モデル 1つ
🔴インテグレーター
垂直統合型モデル 例)自動車メーカー、金融機関、電機メーカー
*新事業モデル 4つ
◯レイヤーマスター
バリューチェーンの一つのレイヤーに特化して、力をつける。あらゆる産業に入りこむことができる。
例)インテル、マイクロソフト
◯オーケストレーター
一部の強力な機能を持った会社が、ほかの資源を外注して一括管理。顧客に提供する。
例)ASUKL
◯マーケットメーカー
すでに存在しているマーケットの間に入って、効率的な流れを作ることで利益を得る。
例)ガリバー、フルキャスト、リクルート系の事業(ホットペッパービューティーなど)
◯パーソナル・エージェント
消費者側でのニーズの一括管理。従来の商社モデルの「販売代理」ではなく、「購買代理人」。
例)Amazon
④競争系
<ファースト・ムーバー・アドバンテージ(先行者利益)>
競争相手より先に行動を起こすことで、消費者の商品=会社のイメージを定着させることができる、また陳列棚などの限られたシェアの獲得も可能。
例)キッコーマン=醤油 キューピー=マヨネーズ
<プリエンプティブ・アタック(先制攻撃)>
競争相手が予想していないタイミングで攻撃を仕掛けて、反撃の隙を与えずに勝利すること。新技術の製品を発売する際に、販路を段階的に広げるのではなく、一気に全国展開したり、全チャネル、大規模広告を行うこと。
高リスクだが、相手が模倣する前にシェアを獲得できる。
例)おーいお茶HOTペットボトル
⑤組織能力系
<タイムベース競走>
BCGのジョージ・ストーク氏が発表したコンセプト。
早く多くの新規製品を開発するためには、「付加価値の生まない時間を取り除く」組織能力を持つことが大切。
生産から物流までのいサプライチェーンのの全体効率の高さ、商品や価格変更までのリードタイムの短さがそれにあたる。
<組織学習 -ナレッジマネジメント>
できる人材のノウハウを組織全体の知恵とすること。
以上が必須コンセプトワードの紹介でした。
自分の会社がどのコンセプトを持って活動しているのか知るだけでも、参加的な仕事だったものが、自律的に変わるかもしれません。
世の中を見るのが楽しくなる、手助けになればと思います。
以上
よろしくお願いいたします。
商社マン太郎