見出し画像

黄金色に染まる晩秋

 晩秋がかけ足で過ぎて行こうとしています。眼鏡橋の上流にある光永寺(長崎市桶屋町)へ足を運ぶと、境内の真ん中にあるイチョウの木がきれいに色づいていました。茶色の山門からのぞく黄金色のイチョウの葉。その美しさに、お寺の前を通りがかる人たちもつい足を止めます。

その1光永寺イチョウ

光永寺のイチョウ

 光永寺は、福沢諭吉ゆかりのお寺です。福沢は19歳のとき蘭学を学ぶため長崎へ来ていますが、最初にこのお寺を頼って来ており、一時居候。福沢が自らの人生を語った「福翁自伝」にもそのときのことが記されています。山門前には、「福沢先生留学趾」と記された碑がありました。
福沢諭吉と光永寺 https://note.com/mirokuya/n/nbb8b3ab75225

その3福沢先生

福沢先生留学趾の碑(光永寺)

 光永寺のそばにかかる古町橋のたもとに目をやると、「松壽軒(しょうじゅけん)跡」と記された碑が建っています。松壽軒は、虚無僧寺。時代劇などで、顔を隠すように笠を深くかぶり、尺八を吹いて歩く僧侶の姿を見たことがあると思いますが、それは、虚無僧と呼ばれる人たちで、江戸時代の普化宗の僧侶です。彼らは、尺八を吹いて全国を行脚修行していました。ちなみに長崎は、幕末に関西を中心に活躍した尺八奏者・近藤宗悦の出身地であり、宗悦は松壽軒と関わりがあったといわれています。

その4松壽軒

虚無僧寺、松壽軒跡の碑

 長崎と尺八。出島がらみで語られがちな当時の長崎のまた違った一面が見えてきました。虚無僧らが尺八を吹きながら往来したであろう古町橋を渡り、寺町通りの一角にある大音寺(長崎市鍛冶屋町)へ。ここには、樹齢300年を超える大イチョウがあって市の天然記念物になっています。樹高は20メートルほど。すっかり黄金に色づいたイチョウの葉が枝ごと風に揺れる姿はどこか野性的。大音寺の後山でひときわ目立っていました。

その5大音寺イチョウ

樹齢300年の大イチョウ(大音寺)

※この記事は2017年11月22日にみろくやWEBサイトに掲載したコラムから転載しています。


株式会社みろく屋 みろくやは長崎のソウルフードであるちゃんぽん・皿うどんを代表商品として、長崎の「おいしい」を全国に向けて発信している企業です。
「おいしい笑顔」は「幸せな笑顔」。私たちはお客様の「おいしい笑顔」のために日々努力し、前進し続けてまいります。
株式会社みろく屋ウェブサイト https://www.mirokuya.co.jp

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集