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介護や福祉の分野で「利用者」という言葉が使われる理由

介護や福祉の分野で「利用者」という言葉が使われる理由には、以下のような背景や考え方があります。

  1. 関係性の平等: 「お客様」という言葉は、商業的なサービスを受ける側と提供する側の関係性を表現することが多く、顧客と提供者の間にある種の上下関係や商業的な側面を含むことがあります。福祉の分野では、サービスを受ける人々が支援を受ける主体であり、利用者と支援者が対等な関係を築くことが重要です。「利用者」という言葉は、この対等な関係を尊重し、依存ではなく協力や相互支援の関係を強調しています。

  2. 利用者の自立性を尊重: 福祉や介護のサービスは、利用者の自立性を支援することが大きな目的の一つです。利用者が自らの意思でサービスを選択し、利用する主体であることを強調するため、「利用者」という言葉が用いられます。

  3. 公的サービスの性質: 介護や福祉サービスは、公的な支援や制度の一環として提供されることが多く、商業的な取引とは異なる側面があります。こうした公的サービスの利用者を「お客様」と呼ぶと、サービスの性質や目的が誤解される可能性があります。

  4. 言葉の影響力: 言葉の選び方は、サービス提供者と利用者の関係性や態度に影響を与えることがあります。「利用者」という言葉を使うことで、支援者が利用者を尊重し、そのニーズや意向に応じた支援を提供するという姿勢が強調されます。

このような理由から、福祉や介護の現場では「利用者」という言葉が使われています。


見出し画像は、優谷美和さんの作品をお借りしました。
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