恐山に参拝。恐山菩提寺の宿坊に泊まり夜と朝を過ごす~亡くなった父に会うための女性1人旅~青森3泊4日
このnoteは各地の神社仏閣への女性1人旅レポートのために開設しました。初回は青森の恐山菩提寺が管理する霊場『恐山』です。
連休を外して5月の真ん中に行ってきました!
恐山を最初の旅行先に選んだ理由は、亡くなる前に「恐山で会える」と言い残した父に会いに行くため。遠くて交通費が高額になるので、お金があるうちにまずは絶対に行かなければと思ったのです。
大阪の伊丹空港12時50分くらい発⇒青森の三沢空港14時30分くらい着⇒八戸まで行って1泊して朝出発という流れ。理由は――
遠 す ぎ て 1 日 で 行 く の は 難 し い か ら
いや、車があればそうでもないのかもしれませんが、電車とバスだけで行くとなると厳しいです。
自己紹介でも触れましたが、私は紙の書籍のライターや小説執筆のお仕事をしています。
7歳のときから小説家になりたいと言い続けていましたが、本当に行動に移せたのはアラサーになってからです。
きっかけは父がガンで亡くなったこと。
残酷な話ではありますが、父の命という犠牲があってようやく私の一人前の人生は始まりました。
2019年から覚悟を決めて小説の新人賞に応募をし始め、今年から印税をもらえるようになりました。
新人賞投稿時代は1人暮らしの生活費を何とかするだけで精一杯で旅行どころではなかったので、今年に入ってやっと準備が整った感じです。
印税をもらった途端たまたまJALのセールがあって予算内で行けることになるなど本当にスムーズに進んだのです。
別に今印税だけで暮らせているわけではないけど、父に認めてもらえたのかもしれないです。
さて、そんなこんなで恐山に行ってきました。
東北では死者は恐山に行く。恐山に行けば故人に会えると信じられてきたそうです
恐山に到着すると、門の傍に受付があってそこで入山料500円を支払います。
そして門を潜って一直線に進むとこちらに辿り着きます。ちなみに右側には宿坊(恐山菩提寺が管理する宿泊施設)があります。
14時チェックインなのに早く到着し、荷物を宿坊で預かってもらいました。そのとき有名なお坊さんにたまたま会って挨拶することができ。
しかもこの日はたまたま、普段平日にはしていない法話をするとのこと。
昨日ではなく今日泊まったから遭遇したラッキー。これも父の導きかもしれないと思いました。
さて、恐山の写真を連続で投稿していきます。
この先は極楽浜。綺麗な湖があります。
到着日と、翌日早朝の写真を混ぜて投稿しております。
到着日は曇り、小雨、夜に大雨と天気が安定しなかったのですが、雨が降る前に父に風車(恐山の入口にある売店で500円で買えます)を極楽浜に捧げることができました。
恐山は硫黄がある関係か、生花ではなく風車を捧げる風習があるようです。
到着日は天気があまり良くなかったので薄暗く見えるかもですが、翌朝晴天のときに撮った写真を見ればイメージが変わると思います。
この先は極楽浜です。
霧がかかっているから、この先が湖だとはわからないですよね。
奥に見えるのは恐山の入口です。
雲の上に建っているように見えますが、雲ではなく霧です。
神秘的でした。
恐山を巡るのにかかった時間は、女性の足でゆっくり進んで1時間ちょっとくらいでした。
平日に行ったから空いていました。7月にあるお祭りの期間などは混雑するそうです。
恐山の中にあるお寺の宿坊に泊まったよ
父が亡くなって以降、私の家族の誰かは毎年命日あたりに恐山の宿坊に泊まっていて、私も宿坊についての知識が事前にあったので予約しました。
予約方法は電話かファックスのみです。
恐山は5月1日~10月末までが開山期間なのですが、私は4月21日に予約を試みたわけです。
父への想いに突き動かされてというのももちろんなのですが、JALのセールも理由でして(現実的w)
私『飛行機代は片道2万2千円か……5月に恐山はいけないかもなあ』とスマホでJALのサイトを検索して絶望していたのですが、最中に日付が変わって4月21日になり、急に『セールのため順番にご案内しています』的な表示に画面が変わったのです。
『そんなに安くならないだろう』と思いつつ待っていたら1時間後くらいに繋がり。
なんと5月の伊丹空港⇒三沢空港の最安値が6,900円になったのです。
半額以下のスーパー割引!!
生々しいことを書きますが、女性なので生理期間を避けたくて計算して航空券を買い。
何としてもこの日に恐山の宿坊の予約を取らなければ……ぐぬぬ(;゚Д゚)という状況でした。
でも閉山期間は恐山の宿坊に電話が繋がらず。どうしよう、5月1日まで待つのは辛いぞと思っていたら、恐山を管理するむつ市のお寺の電話番号がわかったので、そこに電話して『予約したいんですはあはあ』と伝えました。
そしたらファックス番号を教えてくれたので、即コンビニに駆け込みファックス。
しかし興奮しすぎて自分の住所の番地を書き忘れるというミスを犯し。デカデカと再送と記載して再送しました笑
恐山の宿坊は昔は違ったらしいですが、今はとても広い高級旅館のような外観と内装です。
お部屋も四人くらいで利用する広さを1人で使わせてもらいました(お祭り期間は混むので相部屋になる場合があるそうです)
宿坊には温泉があるので、14時にチェックインして即温泉へ!他には誰もいなくて貸し切り状態で使うことができ、お湯も最高で全部最高でした(語彙力)
恐山の温泉に浸かった後、びっくりするくらいポカポカで、お肌もつるつるになりました。
宿坊の食事は精進料理。美味しかったです!特に天ぷらがお気に入り。全部残さず食べました。
ちなみに今回恐山の宿坊の写真は撮っていません。理由は撮影禁止というルールがあるから。
宿坊が気になる方は検索してみると禁止になる前に宿泊した方が撮影した写真が出てくるので、チェックしてみてください。
料金は1泊2食(夜・朝)つきで12,000円です。
あの世に一番近い場所。でも恐山に怖いお化けはいないと思います
私はアラサーなんですけど(宣言)
今のアラサーって、『シャーマンキング』というジャンプの漫画とアニメの世代なので、恐山=イタコさんである美少女ヒロインの恐山アンナのイメージが結びついている人も結構いるかもしれないです。
でもぶっちゃけイタコさんと恐山は一切関係ないそうです。
間に入るとトラブルが起きる可能性があるから、基本的には関わらないというスタンスらしいです。
ということでイタコさんに会いたい人は、恐山のお寺には問い合わせないで別の方法で探す必要があります。
ちなみにお坊さんが『最近ヨーロッパの人たちが宿坊に泊まるようになった』と言っていたのですが、それって『シャーマンキング』の影響なのではと、ちょっと思いました!
最近またアニメ放送しましたし。
今回私はイタコさんに会おうとは思っていなかったのですが、父が亡くなってすぐのときに母が恐山に行ったらたまたまイタコさんに遭遇したらしく。
「あなた旦那さんに守られているわね」と言われたそうです。
母はまだ未亡人になる確率は低い年齢であるのと(しかも見た目は実年齢よりだいぶ若い)
誰を亡くしたのかイタコさんに話したわけではないのに突然言われたので、大変仰天したそうです。
霊能力とか信じない人もいるだろうし、胡散臭いものも結構あるのも事実ですが、きっと『本物』もいるのだと思います。
お化けなんていない!と言う人もいるけれど、証明しようもないし、宇宙にビッグバンが起きて人類が誕生した理由も解明できていないのに理解が及ばないものを『いない』と言い切ることはできないと思います。
さて、それでは恐山で過ごした夜お化けに遭遇したのかというと――
不思議な体験は、した
不思議な体験はしたけど、お化けには遭遇しませんでした。
私だけでなく、恐山にずっといるお坊さんでもお化けは見たことないそうです。
でも、考えてみたらそうだろうと思います。
日本昔ば○しとかで、お坊さんが出てくる物語って供養してあげたら解決するものが多い印象です。
恐山は千年以上前からお坊さんが供養し続けている場所なので、そりゃあお化けのトラブルはないだろうと思います。
しかも宿坊は(2階の部屋に泊まりました)多分1階か隣の建物かでお坊さんが寝起きしているわけです。
『お化け』という基準だけでいえばそこらへんの1K賃貸物件などより安全というか、むしろ世界で一番安全で当然なはずです。
でも、そうなると少し残念なのは『亡くなった人に会うために恐山まで旅をした人』です。
お化けでもいいから会いたいという人もいることでしょう。
私も到着日に風車を捧げたけど、風がないのに回ることもなく風が吹いて初めて回る風車を見て、『会えなかった』と悲しい気持ちになりました。
実は以前母が恐山を参拝したとき、風がなくて他の風車は回っていないのに父に捧げたものだけがまるで誰かが揺らしているかのように不規則に左右に回転する様子を目撃しています。
しかも動画で撮影済み(私も見て驚きました)
だから私も、恐山に行けば絶対に父に会えると期待していました。でも、会えないならそれも仕方ないか。と、諦めたけど――
翌朝は5時に起きまして。
昨日父に会えなかったからちょっとすねて()
朝のお勤め(お寺なのでお経を聞くなどのお勤めがあります)まで宿坊の部屋に置いてあった南直哉さん(恐山にいるお坊さんです)の書籍を読もうと思ったのです。
本当に面白くて、滞在中に全部読みたかったし。
でも読んでいる途中で何故か突き動かされるように『今、恐山を歩かなければ』と思い立ち、6時前から散策を始めました。
歩いているルート上には誰もいなくて、恐山を1人で歩いている状態。霧が立ち込めて本当に異世界に迷い込んだかのような雰囲気でした。
とりあえず昨日私がさした風車を見に行こうと極楽浜に行ったら、途端に晴天になったのです。
そしてとある不思議なことが起きまして。
ダディ……いや、『お父さんがいる』と確信しました。うん。この旅で、私は父に会えました。
どんなことあったん?湖の上に白い人が立っていて手を振ってたん?声が聞こえたん?
って気になるでしょう?
うん。でも秘密です()
私には書きたい小説がやまほどあります。出版できるものも、出版しないものも含めて死ぬまで小説を書き続けるつもりです。
そしてそれが『私が今世に生まれてきた意味』だとこれまでの人生経験を通して確信しています。
そんな私がいつか書きたい作品の1つが、恐山を舞台にした文芸作品なのです。
だからこの恐山の旅で経験した不思議な出来事は、その小説の中で登場人物が経験するという形でいつか書こうと思います。
ここまで演出しといて今は書かないという笑 へへっ(;´・ω・)
恐山って怖いところなんでしょ?と言われることの苦しさ
恐山に行くor行ったと言うと、「恐山って怖いところなんでしょ?」「お化け見た?」「どうしてそんな心霊スポットに行くの?」って言われることが多々ありました。
恐山はこんなに綺麗な場所なのに。
これが多分京都の伏見稲荷大社とか清水寺とかなら「どうだった?」「楽しかった?」って前向きな口調で言われると思うのです。
多分お坊さんは世間の人に持たれている恐山のイメージについてもう慣れているので気にしていないと思いますが、個人的には『怖いところ』『心霊スポット』と誤解されているのは切ないのです。
何故なら、私にとっては『亡くなったお父さんが待っているところ』だから。
供養されていないから怖い形で現世に干渉しているお化けと、供養されて天国に行った故人のエネルギー体のようなものは全然違うと思います。
恐山にいるのは、後者です。
恐山について怖がられたくないのは、きっと私だけではないはずです。
恐山は、『後悔』やら『愛情』やら、故人への想いを抱えて『故人に繋がれる大切な場所』として訪れる人がたくさんいるはずです。
そういう人からしたら、『心霊スポット』とか『怖いお化けが出るから行かないほうがいい場所』と言われるのは複雑なのです。
恐山に漂っている空気は清々しくて濁り気がありませんでした。
私はそんな霊感があるタイプではないけれど、それでも『ここに悪いモノはない』とはっきりいえるくらい、とても神聖でした。
恐山に実際に行ったからこそ、いつか本当に恐山を舞台にした小説を書けたらいいなと思うし、そのためにも日々修行を続けていきます。
今回の恐山の旅で私は父に会うという目的を果たすことができ、一生忘れられない時間になりました。
それは恐山を開いたずっと昔のお坊さんのおかげで、もっとさかのぼれば『この世とは何か』と、仕組みや秩序や苦しみに向き合った存在がいたから。
時を経て、大昔のお坊さんは会ったこともない私を救ったわけです。この先もきっと恐山は誰かを救う場所であり続けるのだと思います。
恐山までのルートとかかった費用
最後に、今回の旅でかかった費用とルートについて語ります。
まず伊丹空港⇒三沢空港までJALのセールのおかげで片道6,900円で行けました。
通常価格は日にもよるのですが、JALで片道18,000円~22,000円です。
三沢空港に降り立ったらすぐというわけではなく、ここからが長い。
三沢空港バスで三沢駅まで行きました。
ちなみに14時30分に三沢空港に到着して、三沢空港バスの出発は14時45分です。
行く前にそれを知ったとき『わい、間に合うんか?(;´・ω・)』と不安でしたが、預けた荷物の受け取りをしても余裕で間に合いました。
空港の人がそこらへん見てから出発の合図をするのかもしれません。
三沢空港バスは本八戸駅まで行くのですが、ネットの乗り換え案内で調べたところ三沢駅で降りて青い森鉄道で八戸まで行くほうが安いということで(運賃合計980円)そのルートを使ったんですが……
三沢駅で40分くらい電車がくるのを待ちましたw
そう、本数が少ないのです。
しかしこういう待ち時間のために本を持ち歩いていたのと、購入した漫画をスマホにダウンロードしておいてオフラインでも読めるようにしていたので今回の旅は意外と待つのも負担ではありませんでした。
この日は八戸のホテルに泊まりました。
そして翌日、八戸駅からJR下北駅に向かいました。
土地勘がなかったのでこのルートでしたが、そもそも三沢駅から下北駅に直行したほうが近いと三沢駅での待ち時間中に知りまして。
9時33分八戸駅発の電車で、下北駅に乗り換えなしの直通で行きました。
片道2,530円。
本数が少ないので、八戸駅から恐山に向かうなら注意が必要です。
1つ前の電車で7時16分発でした。
この9時33分以外の電車は乗り換えがあるのですが、乗り換え時間が5分くらいしかなくて、乗り換え地点の野辺地駅を知らないから間に合うか不安になってしまいまして。
それで直通で行けるルートを選びました。
後日恐山からの帰りに野辺地駅で乗り換えたのですが、普通に間に合うしどこに行けばいいかもすぐにわかったので(階段を上って下りてホームを移動すればいいだけ)
乗り換えで行く方も不安にならなくていいと思います。
八戸駅~下北駅まで1時間34分で到着したら、恐山バスに乗ります。
恐山行きの本数が少ないので、これまた要注意です。下北駅に電車が到着する時間に合わせて運行されているようですが、下北駅に到着するのが11時07分で、恐山バスの出発は11時20分です。
13分しかないのでまたまた不安だったのですが、駅の出口は1つですし、駅のすぐ左にあるバス停留所に行けばすぐに見つかるので大丈夫でした。
駅とバス停の間にはトイレがあり、そこにも立ち寄りましたがバスに乗り込んでからも出発まで7分程度時間があるくらいには余裕でした。
恐山バスが出発したら、終点の恐山で降りればOK
乗車賃は810円。
恐山から帰るときは、10時10分発の恐山発下北駅行きのバスに乗りました。
下北駅についたはいいけど、電車がくるまで50分くらいあってw
その間に駅前食堂で海軍カレーを食べました。めちゃくちゃ美味しかったです。
たしかこちらのセットは890円で、コーヒーは無料でした。
帰りは下北駅から八戸駅に出て、八戸駅から本八戸駅に向かったのですが、乗り換えの待ち時間がまたしても確か30分くらいあり。
八戸駅のドトールでフリーWiFi繋がせてもらってカフェラテを味わいました。
何で本八戸駅まで行ったのかというと、三沢空港バスが出ているからです。
本八戸駅⇒三沢空港は片道1,500円と決して安くはないのですが、乗り換えをミスするとなかなか厳しい八戸エリアなので、このルートを選択しました。
この日のうちには飛行機に乗らず(いつまで恐山にいるかわからなかったし)本八戸駅近くのホテルへ。
疲れていたのか、この日はホテルで爆睡でした。
ということで、恐山までの移動は時間がかかるのと合計すると航空券代以外にも交通費は結構かかります。
青森だからーと一括りで考えているとびっくりするというか、八戸駅からも青森駅からも遠いw
いやはや伊丹空港から三沢空港までなら近いのですがね。
ちなみに三沢空港ってアメリカ軍も利用しているので、アメリカ軍の戦闘機や軍人さんを見られるときがあります。
帰りに飛行機が飛び立つまでの時間、窓越しに近くで見ることができて楽しかったです。
そんなこんなで、恐山の旅にはだいぶお金がかかったのでまた地道にコツコツ貯めていこうと思います。
実はJALのセールで他の航空券も買ったので(JALさんありがとう……!)
来月もまた飛行機に乗る旅に出ます。
飛行機や新幹線に乗らないときは、日帰りで行ける関西圏の神社仏閣の旅の記録をnoteに綴っていく予定です。
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