「似合うフォックスの選び方」について考えてみた
さて、前回の記事でフォックスの魅力を語らせてもらいましたが、「でもやっぱり、フォックスって難しいよね…」と思っている方も少なくないでしょう。また、似合う眼鏡の選び方として定説となっている、”黒目がレンズの中心(または少し内側)にくるものを選ぶ” が、フォックスにおいては当てはまらないこともあるのでは? と思うこともあって。
というわけで、今回は似合うフォックスの選び方について考えてみたいと思います。
なぜフォックスは難易度が高いのか
フォックスの魅力といえば、やはりキュっとつり上がったフォルム。これが凛とした印象と、リフトアップ効果をもたらします。ですが、それこそが難易度を高めているのもこれまた事実です。
なかでもとくに難易度を高めてしまう要因は、じつは下側のラインにあるのではないかと。この下側が、”どこからつり上がり始めるか” が、フォックスの顔馴染みの決め手となるように思うのです。
つり上がる起点が顔馴染みを左右する?
いわゆるクラシカルなフォックスのデザインは、リムの下側が目の中央、黒目のあたりからぐいっと上に持ち上がっていっているのがわかります(下画像の、とくに右のほうのモデルさんたち)。
小悪魔的な感じで可愛いのですが、ちょっと目元が窮屈に感じませんか? とくに右上や右下。つり上がりの角度が目尻より内側に入ると、リムが逆三角形に近いカタチとなり、目元も窮屈に。それにより、顔の印象に大きく干渉してしまいます。
それでも写真の皆さんは美しいんですが、これを私のように平坦な顔の日本人が掛けると、どうでしょう? リフトアップ効果は多少あれど、アップした分、もともと広い頬が余計広く長く感じられて、顔が間延びしているように見えてしまうんですよね。
これを避けるために、オーバル(楕円)の変形のような、つり上がりの角度が緩やかなものを選ぶという選択肢もありでしょう。でも、フォックス好きとしては、やっぱりキュっと上がるラインを諦めたくないわけです。
そこで先ほども言ったように、注目したのが、リム下側のつり上がり始める位置です。目元が窮屈にならないよう、目尻の下ぐらいからからキュっと角度がつくものを選べば、キツい印象になり過ぎずにフォックスの魅力を享受できるのでは? と思ったのです。
どうでしょう、さっきの何も掛けていない写真と比べて、だいぶ輪郭が引き締まり目元がキリっとした印象になっているのではないでしょうか(表情や髪型の違いはあれど)。この場合、窮屈に見えないのはフレームが大きいせいもあるれど、さっき紹介したクラシカルな画像をもう一度見てみても、目尻からつり上がっているフレームを掛けている左側のモデルさんたちのほうがバランスが良いように思うのです。
ちなみに、つり上がる起点に加え、頬のたるみをカバーするためには、フレームが輪郭から少しはみ出るぐらいの大きさが望ましいというのが、私の持論です(見た目だけに絞った場合)。
上記のポイントを踏まえると・・・
そう、カタチはおのずと横長になってきます。瞳の位置にもよりますが、平均的なところでいえば、レンズの中心より“ やや ”どころか、結構内側に寄ってくるわけです。それゆえ、似合う眼鏡選びの定説とは異なるバランスとなるわけですね。
上のラインは、眉毛との相性がキモに
さて、フォックス選びのもうひとつ決め手となるのが、リムの上側のラインです。これは、やはり眉毛との相性が重要に。自眉のアーチと近いものを選ぶのがキモになります。並行眉だとフレームのラインと眉がケンカしてしまい、それが “似合わない” と感じる原因のひとつに。
ちなみに、私は若かりし頃(90年代)に眉の下側を思いっきり抜いて細眉にしてしまった世代なので、今でもつり上がり気味の上がり眉です。それゆえ、上のラインがわりと上がり気味のものでも馴染んでくれる、“フォックスを受け入れやすい顔” であると思っています。
・・・と、ここまで長々と書いてきましたが、選びのポイントを要約すると
・下側のラインは目尻の下ぐらいを起点につり上がっていくもの
・上側のラインは、自眉のラインと応相談
ということになります。これが、” フォックスの魅力を堪能しつつ、顔馴染みを高めるための要点 ”になるのではないかと。
「いやいや、それって一般論というよりお前の好みの問題じゃね?」と思われた方も多いかもしれません。……はい。きっと突き詰めれば、眼鏡選びってそういうものなのだと思います。つまりは、「フォックスが似合う顔型」があるのではなく、「それぞれの顔に合った(好みの)フォックスの見つけ方」があるってことなんですよね。
多分、多くの眼鏡好きさんは、そうした自分の基準を持っているから、どんな形も掛けこなせるし、たくさんの眼鏡を前にしても自分に似合うものをすぐ手に取れるのだと思います。
しかしここで問題が・・・
さて、目尻がつり上がりの起点、かつ輪郭からはみ出る大きさのフレームとなると、まあまあ大きいサイズになってしまいます。それゆえ、フレーム径をなるべく小さくしたい私のような強度近視は苦労するわけです。
そうした場合は、“フレームの輪郭はフォックスだけど、レンズは横に張り出していないもの” を選ぶのも手です。
また、最近ではAKITTOやVioRouなど、強度近視の人でも可愛らしく掛けられるフォックスが日本のブランドを中心に増えてきました。私がフォックスに求める“輪郭からはみ出る大きさ” は叶いませんが、それでもバランス良く仕上げている手腕はさすがだなぁと。このバランス感については、またどこかで検証したいところです。
フォックスが似合わない人はいない!
以上、持論を長々と語らせていただきましたが、言いたいことは「フォックスが似合わない人はいない!」ということ。前回の記事とあわせ、手持ちのフォックスの写真をいくつか載せてみましたが、その形も様々でしょう? たまたま掛けたフォックスが似合わなかったからといって、“フォックスが似合わない顔”というわけではないんです。
眼鏡を女性らしく、エレガントに掛けたい。そんなとき、フォックスは良い仕事をしてくれます。ぜひ、自分に合うフォックスを楽しんでもらえたら嬉しいです。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?